人生のさまざまライフイベントに合わせて必要になる備えは変わります。「保険」といってもたくさん種類があり何を選べばいいのか分からないという人も多いと思います。それぞれのイベントに合わせた保険選びの参考に、今、どんな備があれば安心なのか参考にしてみて下さい。
ライフステージで選ぶ
人生の節目で見直したい生命保険
年代 | ライフイベント | 見直したい保険 | 参考コラム |
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20代 | 社会人デビュー | ・就業不能保険 ・積立保険 ・外貨建て保険 ・個人年金保険 ・女性向け保険 |
20代の貯金の平均・中央値は? 独身の貯金額の平均・中央値は?年齢別・年収別に紹介! |
30代 | 結婚生活スタート | ・就業不能保険 ・積立保険 ・外貨建て保険 ・がん保険 ・女性向け医療 ・収入保障保険 ・個人年金 ・終身保険 |
30代の貯金額の平均・中央 |
出産・子育て | ・学資保険 ・積立保険 ・外貨建て保険 ・がん保険 ・収入保障保険 ・終身保険 ・就業不能保険 ・個人年金保険 |
子供の教育資金1000万円の貯め方 40代の平均貯金額はいくら?貯金を増やす方法は? |
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40代 | マイホーム購入 | ||
50代 | 子供の独立 | ・介護保険 ・持病がある方向けの保険 ・がん保険 ・終身保険 |
50代の貯金の平均・中央値は?老後に向けていくら貯めればいい? |
60代 | 老後 |
※一般的なライフイベントの例になります。
就職した時
学校を卒業して、会社に就職が決まったら就職先の「健康保険」に加入します。これまで加入していた健康保険からの切替が必要になります。公務員の場合は共済に加入します。会社には就職せずに自営業やフリーランスで働く人は国民健康保険に加入します。いずれにしても、社会人になれば、自分で健康保険料を支払い健康保険を取得します。
社会人となれば、自分のことは自分で考えていかなければいけません。その中で未来への備えである「保険」への加入が必要であるかどうかということを考えることも人生の選択として必要なこととです。
新社会人になるに当たり、たくさんある民間の「保険」の中で社会人になったら備えておきたい保障について紹介します。直ぐに保険の契約を考えていなくても、どんな保険があるのか知っておくと役に立つでしょう。
社会人になったら備えておきたい保険
一人暮らしや趣味でも保険に入るって本当?
<初めての一人暮らしに火災保険は必要?>
不動産会社で賃貸契約をする時に火災保険の加入を求められます。賃貸用の火災保険は、基本的に自分の家財を補償するもの(家財保険)と大家さんに対する賠償責任を補償するもの(借家人賠償責任保険)がセットとなったものが主流です。
<友達と旅行に出かける時には保険に入った方がいいの?>
旅行会社などで国内旅行や海外旅行に出かける際に保険の加入を案内されることがありますよね。社会人となり自分で働いたお金で旅行に出かける時には旅先でのトラブルにも自分で対処できるように旅先でのリスクへの備えも考えておきましょう。
国内旅行 ⇒ 国内旅行保険は必要?加入するメリットと入るべきケースとは?
海外旅行 ⇒ 海外旅行保険の必要性を紹介!
<会社でゴルフを始めることになったけど、ゴルフにも保険があるの?>
ゴルフ中に自分がケガをしてしまったなどの傷害を補償したり、他人にケガをさせてしまったといったような事故の補償、ゴルフ用品は高額なことも多いのでゴルフ用品の損害に備えた『ゴルファー保険』というものがあります。
ゴルファー保険に契約してゴルフ中のリスクに備えてプレイできれば安心ですが、ゴルフ中によくある事故は他人にボールをぶつけてしまったり、カートで他人にケガをさせてしまったりといった損害賠償責任を負ってしまうリスクです。このような損害賠償責任に備える『個人賠償責任保険』は、自動車保険や火災保険の特約で契約している場合があります。個人賠償責任保険に契約があれば、ゴルフ中に他人にケガをさせてしまったり他人のゴルフ用具を壊してしまったりして損害賠償責任を負った場合に備えられています。ゴルフ中の損害賠償責任に備えるためにゴルフファー保険に加入するのであれば、自動車保険や火災保険の個人賠償責任特約の契約がないか確認してみましょう。個人賠償責任保険は、重複して契約をしても実際に損害賠償責任を負った金額までしか補償を受けられないので、基本的に無意味です。
<自転車の運転にも保険が必要なの?>
自転車に乗る際に、自転車保険の加入が義務化となっている自治体が増えてきています。就職したら立派な社会人ですから、自分の住むエリアの条例などにも注目しておく必要があります。自転車は子供の頃から乗りなれた身近な乗り物ですが、近年、自転車の運転マナーや事故が問題になっています。
自転車で通勤しているという人、ロードバイクが趣味な人、たまに自転車に乗るという人、自転車は子供から高齢者まで免許を必要とせず運転する事ができる乗り物ですが、社会人ともなれば、自転車での事故リスクも認識しておく必要があります。
<初めてのマイカー、初めての自動車保険>
車はとても大きな買い物です。社会人となり「自分で車を買う」というのはとても大きなビックイベントです。「どんな車を買おうか」「車でどこへ行こうか」と期待が膨らみますよね。
自分の車を持つという事はとても楽しみな出来事です。しかし、「車を運転する」という行為は事故のリスクと隣合せであるという事を考えておかなければいけません。そのために、車を所有したら必ず自賠責保険(自動車損害賠償責任保険)に加入します。そして、自動車保険(任意保険)にも契約し事故の賠償責任リスクに備えておく必要があります。とりわけ、若年層は運転経験が浅く無謀な運転を行ってしまうケースもあり、事故リスクが高いとされています。必ず、自動車保険の補償がある状態でマイカーライフを楽しみましょう。
結婚した時
結婚したら家族ができるわけですから、家族の将来のために備えておきたいリスクもこれまでと異なってくるでしょう。備えておかなければいけないリスクは主に3つです。
- 死亡のリスク(遺族の生活費への備え)
- 病気やケガのリスク(治療費や治療期間中の働けない期間の備え)
- 老後のリスク(老後資金の蓄え)
独身時代の自由な生活から卒業して、結婚したらパートナーやこれから増えるかもしれない家族のことを考えいく必要があります。ケガや病気で長期間の入院が必要になってしまった時の入院費や生活費の心配、家族を遺して自分が亡くなってしまった時の葬式費用や遺された家族への負担など不測の事態への備えが必要になります。人生には予期せぬアクシデントがたくさんあります。家族で協力して乗り越えていけるように備えについても準備しておきましょう。
結婚した時に検討したい保険
新生活スタート
結婚して、大黒柱が病気やケガで長期間働けなくなった場合に世帯収入は大きく減ることになります。住宅ローンや家賃などの支払は避ける事ができません。所定の就業不能状態で長期間働けなくなった場合に就業不能保険の契約があれば、あらかじめ決められた金額を毎月給与のように受け取る事ができます。
一家を支える大黒柱が亡くなってしまうようなこともあるかもしれません。特に自営業世帯は遺族年金の受給額が会社員より少なく民間の保険で備えておくという事も会社員より考えておく必要がありそうです。
また、これから長い時間を共に過ごしていく家族ですからお金に困ることなく老後まで暮らしていくための蓄えも必要です。リスクへの備えと貯蓄をバランスよく考え結婚生活を楽しみましょう。
<大黒柱が働けなくなった、亡くなってしまうなどのリスクに備えるために>
共働きの家庭であれば、どちらかが働けなくなっても片方の収入で支えることができるかもしれません。しかし、大黒柱が一家を支えているような家庭において大黒柱にもしものことがあった場合の今後の収入をどうするか、生活をどうするかという不測の事態に備えておく必要があります。共働きでもどちらかの収入が亡くなった場合に家計への影響が大きい場合も同様です。
結婚をしたら備えておきたい主なリスク「死亡のリスク」「病気やケガのリスク」について保険でカバーしておく必要があるかパートナーと相談しておきましょう。
就業不能保険とは?働けないリスクに備える保険
自営業者は就業不能保険の必要性が高い!
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収入保障保険とは?どんな人に向いている?
遺族年金はいくらもらえる?受け取れる条件は?
<住宅を購入したら、火災保険に契約します>
結婚を機に新居を購入したり、マイホームの購入はマイホーム購入資金が貯まってから取得するという人もいるでしょう。どちらにしても、多くの人は住宅ローンを組んでマーホームを購入します。住宅ローンを借りる際に加入が必要な保険に火災保険があります。それは、借入先から火災保険の契約が融資条件になることがほとんどだからです。
なぜ、住宅ローンの借り入れに火災保険の契約が必要になるかというと、火災や自然災害で住宅を失うなどした際に、住宅ローンの返済が滞らないようにするためです。銀行で加入する火災保険を紹介される場合もありますが、契約する火災保険は銀行が勧める火災保険でなければいけないという事はありません。住宅ローンの借り入れ先から勧められた火災保険の保険料や補償内容などに不満がある場合は、他の火災保険と比較し自分で納得するものに契約すれば問題ありません。
<貯金(老後資金)について>
結婚したばかりであれば、老後のことなど、まだまだ遠い未来のように思うものです。しかし、老後の生活への準備は早ければ早いほどゆとりある老後への備えができます。
また、老後までの期間の蓄えは臨時の出費にも対応できます。結婚して、ゆとりある生活を送るためにもある程度の蓄えがある生活を検討しましょう。
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子供が生まれた時
子供の出産にあわせて確認しておきたいことは両親にもしものことがあった時の子供の生活についてです。両親のどちらかが亡くなってしまうような事があった場合の子供が成人するまでの生活費について考えておく必要があります。守るべき家族が増えれば必要な備えも見直していかなければいけません。
また、子供の将来のための教育費についても考えていく必要があります。例えば、子供が国公立の幼稚園から高校に通い、私立系大学に入学した場合、自宅からの通学でも1,245万円の学費がかかるという試算もあります。子供の教育資金を計画的に準備することも考えておきましょう。
子供の出産に合わせて備えたい保障
子育てに必要な備えについて
子供の成長や将来のためにいくら費用が必要なのか気になりますよね。また、両親にもしものことがあった場合でも子供の生活費、教育費には備えておきたいと思うのも親心です。シングルファザーやシングルマザーのような方でも自分にもしものことがあったら・・・と心配に思う人は多いでしょう。子供がお金の心配をすることなく成長していけるように備えられる保険について検討しておきましょう。
<子供の教育資金について>
子供が将来どのような進路を希望するのかはわかりませんが、大学までの費用は用意してあげたいという方は数多くいると思います。大学費用だけでも国公立で約500万円、私立理系になると800万円以上必要となってきます。子供が一人暮らしをすれば一人暮らしの費用も必要となり、子供が2人であれば2人分必要です。一般家庭でこの金額を家計から賄うのは非常に難しいため子供が生まれたら準備について考えましょう。
<親にもしものことがあった時の備えも重要!>
子供が生まれたら子供の成長を見守りながら新しい日々が楽しみです。しかし、大黒柱である自分にもしものことがあったら子供の生活はどうなるのでしょうか。万が一のことも考え子供がお金に苦労することなく生活していけるように備えておく事は重要なことです。
退職した時
就職して定年退職まで同じ会社で働くという人もいますが、終身雇用の存在感はそのような価値観が薄まってきています。転職や独立を考えたり、現代では、働き方におけるライフスタイルも変化してきています。転職など仕事を変更する時には健康保険証の変更も必要になります。それと同時に民間の保険についても仕事の変化に伴って保障は足りているか見直してみるとよいでしょう。
子供も独立し退職世代で心配なことは年齢とともに高くなる病気のリスクと老後の生活です。子育てにかかる費用も落ち着いた矢先ですが、これからの自分の人生や老後の生活について考えていく時期になります。持病の悪化や認知症、介護についての心配も増えてくる頃です。定年退職後の人生を満喫するためにライフステージ別に保険を見直していきましょう。
退職で見直したい保険
定年後の人生
2013年4月に「高年齢者雇用安定法」が改正され、希望者は原則65歳まで働けるようになっています。しかし、厚生労働省「就労条件総合調査」(平成29年)によると、企業の定年年齢は定年制を定めていない企業が4.5%、定年制が定められている企業が95.5%です。勤務延長制度や再雇用制度がある企業は全体で92.9%あるようですが、そのうちの約72.2%は再雇用制度のみ設けられていると回答されています。
定年を迎え「再雇用制度」を利用して働いていた企業に再び再就職することになりますが、新しい労働条件で働くことになります。再雇用制度を利用して再就職した場合の給与は一般的にこれまでより悪くなる事が多いです。
<ゆとりある老後を過ごす>
高齢期になると、これまでより病気やケガで入院したり、通院が長引いたりといったリスクが高くなります。また、ご自身に介護が必要になった時のことや相続についても考えていかなければいけない時期になります。いつまでも元気でゆとりある生活を送るためにもリスクへの備えと健康維持を心掛けましょう。
<病歴・持病がある場合の医療保険>
高齢になると病歴や持病があるといった人も増えてきます。一般的に病歴や持病がある場合、保険加入が難しくなりますが、「引受基準緩和型(持病がある方向けの保険)」の医療保険であれば、通常の医療保険と比べて健康状態の告知が緩くなっている医療保険になるため加入し易い保険になります。
高齢になり病気やケガによる医療費が心配でも病歴や持病があるため保険に加入したくても加入できないといった人は引受基準緩和型の医療保険を検討してみるとよいでしょう。