個人年金保険のコラム

老後の生活費は夫婦・単身それぞれいくらかかる?

投稿日:2020年9月4日 更新日:

2019年に「老後資金2000万円問題」が大きな話題となったように、老後の生活に漠然とした不安を抱えている人も多くいると思います。老後の生活費としていくらかかるのか、高齢の夫婦二人暮らしと高齢の一人暮らしとに分けて紹介します。

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老後の生活費はいくらかかる?

老後の生活費として平均いくら必要なのか、総務省統計局「家計調査」(2022年)より紹介します。

夫婦二人暮らし

2022年の家計調査によると、高齢夫婦無職世帯(夫65歳以上、妻60歳以上の夫婦のみの無職世帯)の消費支出は236,696円です。内訳は以下の表のとおりです。

項目 月平均額 構成比
食料 67,776円 28.6%
住居 15,578円 6.6%
光熱・水道 22,611円 9.6%
家具・家事用品 10,371円 4.4%
被服及び履物 5,003円 2.1%
保健医療 15,681円 6.6%
交通・通信 28,878円 12.2%
教育 3円 0.0%
教養娯楽 21,365円 9.0%
諸雑費 19,818円 8.4%
交際費 22,711円 9.6%
仕送り金 1,334円 0.6%
合計 236,696円 100%

出典:家計調査報告(家計収支編)2022年(令和4年)

あくまでも平均の数値であることに注意してください。例えば、住居費の支出額が15,578円となっていますが、賃貸に住んでいる場合はもっと多くの費用がかかるでしょう。平成30年住宅・土地統計調査によると、高齢夫婦2人世帯の1カ月当たりの家賃は50,638円です(家賃0円を含まない)。なおこれは全国平均の数字です。例えば、東京都の場合は72,618円と全国平均より高くなります。

一人暮らし

同じく2022年の家計調査によると、高齢単身無職世帯(60歳以上の単身無職世帯)の消費支出は143,139円です。内訳は以下の表のとおりです。

項目 月平均額 構成比
食料 37,485円 26.2%
住居 12,746円 8.9%
光熱・水道 14,704円 10.3%
家具・家事用品 5,956円 4.2%
被服及び履物 3,150円 2.2%
保健医療 8,128円 5.7%
交通・通信 14,625円 10.2%
教育 0円 0.0%
教養娯楽 14,473円 10.1%
諸雑費 13,595円 9.5%
交際費 17,893円 12.5%
仕送り金 341円 0.2%
合計 143,139円 100%

出典:家計調査報告(家計収支編)2022年(令和4年)

こちらも平均の数値であることに注意してください。例えば住居費について、賃貸の場合の65歳以上の単身世帯の家賃の平均(家賃0円を含まない)は41,816円です(平成30年住宅・土地統計調査)。

老後資金はいくら不足する?

多くの人は公的年金などの老後の収入だけでは支出を賄いきれずにそれまでの貯蓄を取り崩して生活しています。同じく2022年の家計調査より、老後の収入の平均と支出額との差からいくら足りないかを紹介します。

夫婦二人暮らし

2022年の家計調査によると、高齢夫婦無職世帯(夫65歳以上、妻60歳以上の夫婦のみの無職世帯)の可処分所得は214,426円です。消費支出は236,696円でしたので、毎月22,270円不足することになります。これが30年間続くとすると、不足額は約800万円となります。

ちなみに「老後資金2000万円問題」の引き金となった報告書では、この30年間の不足額と同じ計算を2017年の家計調査の結果で行ったものを使用しています。月の不足額を単純計算で30年分にしているため、調査年によって大きな差異が出る場合があります。ただ、どちらにせよ老後に大きな金額が必要となるのには変わりはないため、老後資金はしっかりと用意する必要があるでしょう。

一人暮らし

同じく2022年の家計調査によると、高齢単身無職世帯(60歳以上の単身無職世帯)の可処分所得は122,559円です。消費支出は143,139円でしたので、毎月20,580円不足することになります。これが30年間続くとすると不足額は合計で約740万円となります。

二人暮らしと比べて不足額は減っているものの、老後に30年間生きるとすると1000万円近い金額が不足することになります。実際は自分が出せる範囲での支出に収めて生活していくことになると思いますが、生活にゆとりを持たせるためにも老後資金の積み立てが必要でしょう。

老後資金を貯めるには?

家計調査より老後の生活費として800万円前後の不足が生じることが分かりました。この金額を貯めていくのにはどうすればよいのでしょうか。老後資金を貯める方法として個人年金保険、iDeCo、NISAを紹介します。

個人年金保険

個人年金保険とは、老後の生活資金を準備するための保険です。60歳や65歳などまで保険料をコツコツと支払っていき、保険料を払い終わったら10年間などの期間、毎年一定額の年金を受け取ることができます。

個人年金保険は保険料が口座から自動的に引き落とされていくので、貯金が苦手でなかなかお金を貯められないという人でも老後に向けて着実と貯めていくことができます。

また、一定の条件を満たす個人年金保険は支払った保険料が生命保険料控除の中の個人年金保険料控除の対象となり、所得税や住民税が安くなります。他の生命保険とは別枠で控除が用意されているので他の保険の加入状況にかかわらず控除を受けやすいです。所得税・住民税がどれだけ安くなるかは以下の表のとおりです(年間の保険料が8万円以上の場合)。

課税所得 所得税率 所得税軽減額 住民税軽減額 合計
195万円以下 5% 2,000円 2,800円 4,800円
330万円以下 10% 4,000円 2,800円 6,800円
695万円以下 20% 8,000円 2,800円 10,800円
900万円以下 23% 9,200円 2,800円 12,000円
1800万円以下 33% 13,200円 2,800円 16,000円
1800万円超 40% 16,000円 2,800円 18,800円

※住民税率は10%として計算しています。

あまり大きな金額に感じられないかもしれませんが、保険料の支払いを続ける限り毎年控除を受けることができます。10年、20年と保険料を払うことを考えると合計では無視できない金額となります。

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iDeCo

個人型確定拠出年金(iDeCo)とは、私的年金の一種で、毎月一定の掛け金を拠出して自分自身で運用し、その資産を60歳以降に年金または一時金で受け取る制度です。運用というとリスクがある商品ばかりかと思いがちですが、定期預金などの元本確保型の金融商品でも運用することができます。iDeCoは月額5,000円から始められ、掛け金の上限額は職業等で決められています(自営業:月額6万8000円、公務員:月額1万2000円など)。

iDeCoのメリットとして大きいのが税制優遇です。掛け金の全額が所得控除の対象となり、所得税・住民税が節税できます。仮に掛け金が最低の月額5,000円(年間6万円)でも所得税・住民税ともに6万円と個人年金保険よりも大きな所得控除を受けられます。

また、60歳以降になり年金あるいは一時金で受け取るときの税金も軽減されています。年金で受け取る場合は公的年金等控除、一時金で受け取る場合は退職所得控除の対象となります。特に退職所得控除は大きな控除なので、受取時の税負担も楽になります。

iDeCoで注意が必要なのが、原則として60歳まで引き出すことができないということと、口座開設時や運用期間中に手数料がかかることです。大きな病気や災害などで生活が苦しくなっても積み立てたお金を引き出すことができません。また、掛け金の拠出を停止することもできるのですが、その場合でも手数料がかかり続けるので定期預金などで運用していると次第に積み立てたお金が減っていってしまうことになります。

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NISA

NISAとは、日本在住で18歳以上の人を対象に、年間最大360万円まで(つみたて投資枠:年間120万円、成長投資枠:年間240万円)の非課税投資枠で購入した株式や投資信託等から得られた譲渡益、分配金・配当金の税金が非課税となる制度です。利益には通常約20%の税金がかかるのでこれがゼロになるのは大きいです。

NISAのうちのつみたて投資枠で購入できるのは一定の要件を満たした投資信託等のみです。資産形成の基本である長期・積立・分散投資を実践できるよう、販売手数料がゼロ、信託報酬(投資信託を管理・運用してもらうための費用で、保有している間投資家が支払い続ける費用)が一定の基準以下などの要件を満たした商品しか購入できません。失敗しにくいように初めから商品が絞り込んであるのが特徴です。

NISAの対象となっているのは株式や投資信託なので、ある程度リスクを取って積み立てていくことになります。しかし、その分個人年金保険やiDeCoで元本確保型の商品を選んだ時よりも大きく増える可能性もあります。

また、あくまでも過去のデータでの話となりますが、10年以上の長期間、毎月同額ずつ、国内外の株式・債券を積み立てて購入していけば収益率がマイナスとなる確率は低くなります。NISAで投資していけば長期間・同額ずつという条件はある程度自然と満たされます。ただし、あくまでも投資なので、その結果としてマイナスとなることもあります。マイナスとなっても受け入れられる金額で行うのがよいでしょう。

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まとめ

老後の生活費として、平均で夫婦二人暮らしの場合は月236,696円、一人暮らしの場合は月143,139円かかります。この支出のうち、公的年金で足りない分については現役時代に貯めた貯蓄を取り崩すか別の収入を用意するかする必要があります。ゆとりある老後生活を送るためにも個人年金保険やiDeCoなどを活用して計画的にお金を積み立てていきましょう。


堀田健太

著者情報

堀田 健太
東京大学経済学部金融学科を卒業後、2015年にSBIホールディングス株式会社に入社、インズウェブ事業部に配属。以後、一貫して保険に関する業務にかかわる。年間で100本近くの保険に関するコンテンツを制作中。

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インズウェブ

「保険(Insurance)」とインターネット「ウェブ(Web)」の融合から、サイト名『インズウェブ(InsWeb)』が誕生しました。自動車保険の見積もりを中心として2000年からサービスを提供しています。現在の運営会社はSBIホールディングス株式会社となり、公正かつ中立的な立場で自動車保険のみならず生命保険に関する様々なお役立ち情報も提供しています。

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