子供の教育費として幼稚園から大学まですべて公立であったとしても約1000万円、すべて私立の場合は約2000万円はかかります。このような大きな金額をどうやって貯めればよいのでしょうか。教育資金としての1000万円の主な貯め方を3つ紹介します。
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1度に1000万円かかるわけではない
子供の教育費に1000万円はかかるとされていますが、この1000万円は1度にかかるわけではなく、大学卒業までの約20年間でかかる金額です。そのため、この1000万円のすべてを途中解約できないような金融商品で用意してはいけません。ある程度の金額は自由に解約でき、途中解約しても損しない方法で用意する必要があります。
ただ逆に、1度に1000万円かかるわけではないので大学入学時など1度に大きな金額がかかる年を除いて毎年の家計のやりくりの中で対応できるともいえます。1000万円も貯められないと悲観的になる必要はありません。
幼稚園から大学までにかかる費用の参考例です。詳細は「子供にかかる教育費はいくら?」をご確認ください。
▼幼稚園から高校まで
公立 | 私立 | |
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幼稚園(3年間) | 495,378円 | 926,727円 |
小学校(6年間) | 2,115,396円 | 10,001,694円 |
中学校(3年間) | 1,616,397円 | 4,309,059円 |
高校(3年間/全日制) | 1,538,913円 | 3,163,332円 |
▼大学
国立 | 私立文系 | 私立理系 | 私立医歯系 | |
---|---|---|---|---|
4年間 (6年間) |
2,425,200円 (3,496,800円) |
4,079,014円 | 5,511,961円 | 23,961,844円 |
子供の教育資金1000万円というのはあくまでも目安であり、私立の学校を選択したり、医学系の大学に進学したりなどすると学費は1000万円以上必要ということになるため余裕を持った教育資金の貯蓄に取り組めるように計画を立てましょう。
進路別 教育資金シミュレーション
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3つの方法で教育資金を貯めよう
教育資金を貯める方法は主に3つあり、貯蓄・保険・投資です。上でも述べたように教育資金1000万円は1度にかかる訳ではありません。どの方法にもメリット・デメリットはあるため、ひとつだけの手段で貯めるのではなくバランスよくそれぞれの方法を活用していくことをおすすめします。
堅実に貯蓄して450万円
教育資金を貯める方法として一番手軽にできるのが貯蓄です。子どもが生まれてから毎月1万円を先取り貯金し、児童手当を全額貯金することで、18年間で450万円ほど貯まります。突発的な出来事があった時のためにも役立つ現金は持っておきたいですね。
そして、貯蓄する場合は普段生活費として利用している口座とは別の口座に貯めるようにして教育費以外で使わないようにしましょう。普段の生活費としていつの間にか消えていってしまった…ということがないように注意してください。
メリット
元本保証されていることが貯蓄ならではのメリットです。万が一銀行が破綻したとしても預金保険制度により一金融機関ごとに1,000万円までと破綻日までの利息等が保護されます。急な出費が必要になった時にはいつでも引き出せるのも貯蓄ならではの安心感があります。
デメリット
銀行口座に預金していてもほとんど利息は付かないため、大きくお金をふやすことはできません。例えば、年間100万円を10年間続けて1000万円を貯蓄に回したとすると、年利0.1%の複利の場合は税引き後の合計で約44,000円しか利息で増えません。
また、インフレに弱いのも貯蓄の特徴です。貯蓄だけで教育資金を準備してしまうと、物価が上昇してお金の価値が下がってしまった時に資金が不足する可能性があります。例えば、今まで100円で買えたものが18年後に200円になってしまったら、以前よりも2倍のお金を払うことになりお金の価値が半分に減ってしまいます。
児童手当
高校生年代までの児童1人につき月額15,000円または月額10,000円(第3子以降は30,000円)が支給されます。
児童手当を貯蓄したら240万円
支給対象児童 | 一人あたり月額 |
---|---|
3歳未満 | 15,000円 (第3子以降は30,000円) |
3歳以上高校生年代まで | 10,000円 (第3子以降は30,000円) |
※第3子以降とは、22歳まで(22歳の誕生日後の最初の3月31日まで)の養育している児童のうち、3番目以降をいいます。
誕生月によって支給される金額の合計額は異なりますが、児童手当を全て教育資金に充てると約240万円たまります。4月生まれの場合が合計245万円で最も多く、3月生まれの場合は合計234万円で最も少なくなります。誕生月によって合計金額に差が生まれるのは、18歳の誕生日後の最初の3月31日まで児童手当が支給されるためです。4月生まれの方が早く18歳を迎えるので、3月生まれが18歳になるまでの期間分(11か月分)多く児童手当がもらえるのです。
先取り貯金
毎月1万円の貯金でも18年で216万円
流動性が高い資金として、ある程度は預貯金で教育資金を用意しておきましょう。貯金の方法としておすすめなのが先取り貯金です。毎月の給料から先に貯金分を引いて存在しないものと考え、残りの金額で生活するのです。お金があるとついつい使ってしまうという人でも貯金を成功させやすい方法です。
貯金の金額の目安は月の収入の10%~30%です。自分の家計の状況に合わせて続けることができる金額で貯金していきましょう。収入の10%の貯金が難しい場合でも、月1万円は貯金するよう努力してみましょう。子供が生まれてから毎月1万円貯金すれば18年間で216万円貯まります。これだけで国立大学の入学金+4年間の授業料に必要な約240万円に近い金額が貯まります。
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財形貯蓄制度
勤務する職場の福利厚生に財形貯蓄制度があれば活用するのもよいでしょう。財形貯蓄制度は、預貯金・定期預金と同じように給与天引きによって貯蓄できる制度です。
財形貯蓄制度には3つのタイプがありますが、教育資金の積立には一般財形貯蓄を活用するのがよいでしょう。
財形貯蓄制度の種類
- 一般財形貯蓄
- 財形住宅貯蓄
- 財形年金貯蓄
財形貯蓄制度は積立期間が1年経過するといつでも引き出し可能です。使い道も自由で給与天引きのため先取り貯蓄として活用してみるのもよいかもしれません。
保険で200万円
学資保険や終身保険を活用して教育資金を準備することもできます。保険料として口座引き落としにすれば半強制的に積み立てできるので、貯蓄が苦手な方でもお金を増やしていきやすい方法です。
メリット
何といっても、親にもしもの事があっても確実に教育資金を残せることが学資保険や終身保険の最大のメリットです。学資保険には、契約者である親が亡くなったり所定の高度障害状態になったりした場合は以降の払い込みが免除され、満期保険金を満額で受け取れるという死亡保障がついています。終身保険でも契約者である親が万が一の時には死亡保険金が支払われます。
また、返戻率が高い保険商品を選べば、貯蓄よりお金を増やすこともできます。
さらに保険料は生命保険料控除の対象になります。年末調整や確定申告をおこなうことで所得税や住民税が控除されるので節税につながります。
デメリット
途中解約してしまうと、ほとんどの場合支払った保険料よりも少ない金額しか戻ってきません。急に大きなお金が必要になって早期に解約してしまうことがないよう、月々の保険料が高くなり過ぎないように注意しましょう。あらかじめ決められたタイミングでしか保険金を受け取れないので、保険の他に自由なタイミングで使える教育資金を用意しておきましょう。
また、貯蓄と同じでインフレに弱いです。学資保険や終身保険の多くは契約した時の利率で固定され、将来受け取れる金額が決定されます。教育資金が必要になるまでにインフレが起こって物価が上昇した場合、教育資金として必要な金額に足らなくなる可能性もありえます。
学資保険
学資保険の積立で200万円~300万円
昔から教育資金を貯める方法として広く使われているのがこの学資保険です。学資保険の設定金額は人それぞれではありますが、受取総額200万円や300万円で契約している人が多いようです。
マイナス金利の影響で昔に比べると返戻率が大きく下がっていますが、決められた金額を貯める確実性についてはまだまだ優位があります。毎月自動的に保険料が引き落とされるので、貯金するのを忘れてしまったり貯金分まで使い込んでしまったりする可能性が低いです。途中で解約すると元本割れする可能性が高いため、損をしたくない気持ちから解約しにくくなるともいえます。また、親に万が一のことがあっても、のちの保険料の払い込みが免除され、保険金や祝い金も満額受け取れます。
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終身保険
子供の教育資金を貯めるための保険というと上でも説明した学資保険がまず思い浮かぶと思いますが、終身保険も教育資金を貯める手段として使うことができます。
10年払済や15年払済など多くの教育資金が必要となるタイミングよりも前に保険料払込期間が終わるように契約して、教育資金が必要となったタイミングで解約することで解約返戻金を教育費に充てることができます。他の方法で教育資金を十分用意できたり、子供が大学に進まなかったりした場合はそのまま解約せずに置いておいて、子供の結婚費用や住宅購入費用、自分の老後資金など他の用途に使うこともできます。
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残りの400万円は投資で
投資を活用して教育資金を準備するのも良いでしょう。貯蓄や保険よりも利回りが期待できるため効率良く資金を貯めることも可能です。
株式投資は自分で投資先の銘柄を選び値動きを気にする必要があるので敷居が高いイメージがありますが、投資信託では運用の専門家が株式や債券などを分散して投資してくれるため投資が初めての方でも始めやすい方法といえるでしょう。投資にも様々な種類がありますが、ここでは株式投資と投資信託を中心にメリット・デメリットを紹介します。
メリット
投資先の株式や債券の価格が上昇すれば、貯蓄や保険よりも大きいリターンが期待できるのが投資の最大のメリットといえるでしょう。株式投資であれば配当金を受け取れたり、保有している銘柄や保有数によっては有用な株主優待を受け取れたりします。
運用で得られた利益には通常20.315%の税金がかかりますが、2024年より始まった新NISAを活用すれば1800万円まで非課税で運用できます。一定の枠内の投資であれば増えた金額をそのまま手にすることができるので、投資が初めての方はNISAを利用してみましょう。
デメリット
投資は常にプラスになるわけではありません。運用の結果マイナスになる可能性もあるので、子どもの進学費用を投資だけで準備していて元本割れしてしまうと資金が足りなくなってしまう可能性もあります。そのため、「何年後にこの金額が確実に欲しい」といった資金には預貯金や保険で堅実に備えた方が良いでしょう。普段の生活に必要な資金や支出する時期が決まっているお金については手を出さずに余裕資金で投資を行うことが大切です。
また、投資先の銘柄は非常に多くあり、その中から何に投資をするのか選ぶ必要があります。そのためには多少なりとも勉強して知識を付ける必要があります。
新NISA(小額投資非課税制度)
2024年から新しいNISA(新NISA)が始まります。これまでの一般NISAならびにつみたてNISAで買い付けできる期間は2023年12月で終了、ジュニアNISAは廃止となり、新NISAへ一本化されます。これから子供の教育資金を貯める人向けに新NISAを紹介します。
現在の低金利の状況下では銀行預金に預けているだけではお金をふやすことはできません。株式投資や投資信託を利用して資金をふやしていきましょう。運用で得られた利益にかかる税金が非課税になる新NISAを利用すると効率的です。
新NISAには「つみたて投資枠」と「成長投資枠」があり、合計1800万円まで(年間の投資上限額は「つみたて投資枠」で120万円、「成長投資枠」で240万円まで)非課税で運用できます。非課税期間は無期限のため、長期を見据えた投資・運用に向いています。一般的に、短期で資産を保有するより長期間保有した方が元本割れするリスクは少なくなる傾向にあります。短期間の値動きに合わせて売買を繰り返すよりかは教育資金として長期的に保有していくことが大事になるでしょう。
新NISAでは運用した資産は好きなタイミングで売却できます。習い事や塾など、進学以外で出費が増えた場合でもお金を用意でき、更に売却した分は翌年に枠を再利用できるので、柔軟に資産を活用することができます。
個人向け国債
個人向け国債は年率0.05%の金利が最低保証されているので、超低金利下では多くの銀行の普通預金よりも金利が高いです。また、株式や投資信託のように元本割れする危険性もありません。普通預金に置いておくよりはまし程度ですが、確実に資金を運用することができます。
個人向け国債は固定金利型の3年満期のものと5年満期のもの、変動金利型の10年満期のものがあります。変動金利型10年満期の国債を購入すれば、将来金利が上がってもある程度対応することができます。発行後1年以上経過すれば中途換金も可能(※直前2回分の各利子(税引前)相当額×0.79685が差し引かれます)なので急にお金が必要となった時でも安心です。
教育資金を貯めるコツは早くから貯めはじめること
子供の教育資金を貯めるコツは、なるべく早くから教育資金を貯めはじめることです。教育資金が必要となるタイミングは決まっているので、早くから用意したほうが月々の負担は少なくなります。
例えば、国立大学の入学金+4年間の授業料の約240万円を子供が18歳になるまでに貯める場合、子供が生まれた月からお金を貯めはじめれば月11,112円で済みます。これが3歳からになると月13,334円、5歳からになると月15,385円、7歳からになると月18,182円と必要な金額が上がっていきます。
学資保険の中には妊娠中から加入できるものもありますので、なるべく早くから加入して教育資金を貯める負担をできるだけ少なくしましょう。
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著者情報
堀田 健太
東京大学経済学部金融学科を卒業後、2015年にSBIホールディングス株式会社に入社、インズウェブ事業部に配属。以後、一貫して保険に関する業務にかかわる。年間で100本近くの保険に関するコンテンツを制作中。