緩和型医療保険のコラム

引受基準緩和型医療保険のメリット・デメリット

投稿日:2019年6月5日 更新日:

「持病があっても入りやすい」などの宣伝がされている医療保険を見たことはありませんか?持病・既往症がある方でも入りやすい医療保険が引受基準緩和型医療保険です。この保険にはどのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。

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引受基準緩和型医療保険とは

引受基準緩和型医療保険とは、通常の医療保険と比べて健康状態の告知が緩くなっている医療保険です。「はい」か「いいえ」で答えられる3~5項目の健康に関する質問に対してすべて「いいえ」であれば加入することができます。告知項目は保険会社によって異なりますが、以下のようなイメージです。

  • 現在入院中ですか?
  • 過去3か月以内に入院や手術、検査をすすめられたことはありますか?
  • 過去2年以内に病気やけがで入院したことや手術をしたことはありますか?
  • 過去5年以内にがん(悪性新生物)で入院または手術をしたことはありますか?

このような質問にすべて「いいえ」であれば加入することができます。つまりは、引受基準緩和型医療保険とは保険会社が契約を引き受ける基準が緩和されている医療保険です。また、告知事項が限定されていることから限定告知型として販売されていることもあります。

引受基準緩和型医療保険のメリット・デメリット

メリット

持病・既往症があっても入りやすい

通常の医療保険は持病・既往症があるとなかなか加入することが難しいですが、引受基準緩和型医療保険であれば、通常の医療保険の加入を断られた人や部位不担保となった人でも加入しやすくなっています。持病・既往症があっても医療保険に入りたいという人におすすめです。

持病や既往症の悪化・再発も保障される

引受基準緩和型医療保険では持病が悪化した場合や過去にかかっていた病気が再発した場合でも保障の対象となることが多いです。保障の対象とならないのは、保険の責任開始日前に医師から入院・手術を勧められていた場合などです。

デメリット

保険料が割高

引受基準緩和型医療保険は通常の医療保険と比べて保険料が高くなっています。持病や既往症がある人は加入時に健康な人と比べて入院や手術をする可能性が高いです。つまりは保険金が支払われる可能性が高く、保険を破綻せずに成り立たせるために通常の医療保険よりも保険料が高くなっています。

一定期間内は給付額が半額(50%)になる

多くの引受基準緩和型医療保険では、1年以内に支払事由に該当した場合の給付額が50%に削減されます。持病や既往症とは関係ない理由で病気やケガをした場合でも給付額は半額になります。健康状態に関する告知が少ないので、保険会社のリスクを減らすためにこのような制度をとっている保険商品が多くあります。

特約のバリエーションが少ない

引受基準緩和型医療保険では選択できる特約の種類が同じ保険会社の通常の医療保険と比べて少なくなっていることが多いです。入院や手術以外にも様々なことに備えたいと思っていても該当する特約がなく、保障をあきらめざるを得なかったり別の保険を探さなければいけなかったりすることもあり得ます。また、特約が用意されていても通常の医療保険のものよりも保険料が高く設定されていることもあります。

引受基準緩和型医療保険に入る前に確認すべきこと

医療保険というのは必ず入らなければいけないものではありません。引受基準緩和型医療保険に加入する前に以下のことを確認してみましょう。

加入の目的を確認する

持病や既往症があると何となく不安になる気持ちもわかりますが、何のために加入するのかを明確にしておきましょう。保険というのは基本的に期待値だけで考えるとマイナスの商品です。解約返戻金や満期金等で払い込んだ保険料よりも多くのお金が返ってくる保険もありますが、それは保障に必要な保険料よりも多く支払ってその金額を保険会社が積み立て、運用しているからです。保障部分だけで見ると期待値はマイナスになります。ただ不安だからで加入するのではなく、何のために加入するのか明確にしておきましょう。

通常の医療保険に入れないか確認する

「持病があるから、あるいは昔に大病を患ったからどうせ入れない」と通常の医療保険を初めからあきらめるのではなく、まずは通常の医療保険に入れないか確認してみましょう。症状の程度や完治からの経過年数などによって通常の医療保険に加入できる場合があります。引受基準緩和型は入りやすい代わりにいくつかのデメリットがあるので、通常の医療保険に加入できるのであればそちらの方が良い場合が多いです。

貯蓄や公的保険制度でカバーできないか確認する

引受基準緩和型医療保険は通常の医療保険と比べて保険料が割高です。保険料を支払う分を貯蓄に回すことで医療費をカバーできないか、高額療養費制度で月の医療費の自己負担額に上限があっても貯蓄等でカバーできないのか確認しておきましょう。

まとめ

引受基準緩和型医療保険は持病や既往症があっても加入しやすい、持病の悪化や病気の再発でも保障を受けられるといったメリットがありますが、保険料が割高、受けられる保障が制限されているなどのデメリットもあります。引受基準緩和型医療保険に加入する場合は、メリット・デメリットを理解して何のために加入するのか自分の中ではっきりさせたうえで加入するようにしましょう。


堀田健太

著者情報

堀田 健太
東京大学経済学部金融学科を卒業後、2015年にSBIホールディングス株式会社に入社、インズウェブ事業部に配属。以後、一貫して保険に関する業務にかかわる。年間で100本近くの保険に関するコンテンツを制作中。

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インズウェブ

「保険(Insurance)」とインターネット「ウェブ(Web)」の融合から、サイト名『インズウェブ(InsWeb)』が誕生しました。自動車保険の見積もりを中心として2000年からサービスを提供しています。現在の運営会社はSBIホールディングス株式会社となり、公正かつ中立的な立場で自動車保険のみならず生命保険に関する様々なお役立ち情報も提供しています。

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