子供が生まれたら気になるのが教育費の準備。教育費の準備のために学資保険や終身保険を活用するなら、それぞれのメリットやデメリットを把握しておきましょう。
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子供が幼稚園から大学卒業までにかかる教育費は?
子供の将来のために保険の加入を検討するにあたり、教育費がどのぐらいかかるか具体的な金額を把握していますか? 下記に幼稚園から大学卒業までにかかる教育費をまとめました。
▼幼稚園から高校まで
公立 | 私立 | |
---|---|---|
幼稚園(3年間) | 553,938円 | 1,042,014円 |
小学校(6年間) | 2,017,590円 | 10,968,672円 |
中学校(3年間) | 1,627,425円 | 4,681,077円 |
高校(3年間/全日制) | 1,793,256円 | 3,090,849円 |
▼大学
国立 | 私立文系 | 私立理系 | 私立医歯系 | |
---|---|---|---|---|
4年間 (6年間) |
2,425,200円 (3,496,800円) |
4,079,014円 | 5,511,961円 | 23,961,844円 |
出典 国立:国立大学等の授業料その他の費用に関する省令、私立:文部科学省「令和5年度 私立大学入学者に係る初年度学生納付金 平均額(定員1人当たり)の調査結果について」
進路別 教育費シミュレーション
教育費の準備によく利用されるのが学資保険ですが、解約返戻金を利用して終身保険を使用することも可能です。どちらの保険の方がいいのか、それぞれの違いとメリット、デメリットを確認してみましょう。
学資保険と終身保険の違い
学資保険と終身保険の主な違いは以下の表の通りです。
学資保険 | 終身保険 | |
---|---|---|
加入時の年齢制限 | 契約者:満45~満60歳程度 被保険者(子):0歳~満6歳まで |
75歳~80歳程度 |
保険金・解約返戻金の受取時期 | 大学進学時 | いつでも可能 |
親の死亡時 | ・保険料の払込みが免除 ・満期時に保険金が満額で貰える |
・親が被保険者の場合は死亡保険金が貰える ・契約が終わるため解約返戻金がなくなる |
早期解約時 | 解約返戻金は払込額よりも少なくなる | 低解約返戻金期間の払戻金は払込保険料よりも大幅に少なくなる |
※保険会社や個別の加入条件により異なる場合があります
学資保険のメリットとデメリット
学資保険のメリット
半強制的にお金が貯められる
学資保険は毎月保険料として自動的にお金が引き落とされるので、お金が口座にあると使ってしまうという人でも半強制的にお金を貯めていくことができます。また、保険料の支払で積み立てられたお金も満期になるか解約しないと手元に入らないので、教育資金として貯めたお金を別の用途で使ってしまうということが貯金と比べて起こりにくいです。
貯金よりお金が増えることが期待できる
返戻率が高い学資保険に加入すれば、ただ貯金するよりもお金が増えることが期待できます。現在の金利水準下では銀行に預金してもほぼお金は増えません。学資保険では加入する保険にもよりますが銀行預金よりは増えることが期待できます。
税制的に有利
学資保険は、保険料を払っている期間では生命保険料控除で所得税額を少なくすることができ、保険金を受け取るときも契約形態によりますが税金がかかりにくい受け取り方ができます。一方で貯金は、貯めている期間の税制優遇は特になく、ただでさえ少ない銀行預金の利息にも約20%の税金がかかっています。
万が一の時には払込免除になる
学資保険は契約者の死亡時、あるいは契約者が高度障害を負ったとき、その後の保険料の支払が免除されて満期時に予定通りの保険金を受け取れる特約を付けることができます。契約者に万が一のことがあった場合にも学資保険で用意する予定だった金額は確保することができるのです。
学資保険のデメリット
途中解約すると元本割れする可能性も
学資保険を途中解約した場合、支払った保険料よりも戻ってくる解約返戻金の方が少なくなる場合があります。特に契約してからの年数が短いほど元本割れの可能性が高まります。契約時には保険料が今後支払い続けることができる水準なのかよく検討するようにしましょう。
インフレに弱い
学資保険は契約時の利率で固定されてしまいます。今後物価が上がった場合でも満期時にもらえる金額は変わりません。インフレで足りなくなった分については別で用意する必要があります。
満期時でも元本割れするものもある
学資保険の中には貯蓄性を重視したものと保障を重視したものがあります。子供の医療保障など保障を重視した学資保険では保障のための保険料が多く必要で、満期時の返戻率が100%を超えないものも珍しくありません。学資保険に何を期待するのかにもよりますが、貯蓄性を重視するのであればしっかりと返戻率を確認する必要があります。
保険会社倒産時に全額保護されない
銀行預金の場合、自分が預金している銀行が破たんしたとしても預金保険制度によって元本1000万円までとその利息等は全額保護の対象となります。学資保険の場合も生命保険契約者保護機構によって一定の保護を受けることができますが、全額ではありません。生命保険契約者保護機構によって保護されるのは責任準備金の90%までです。最終的にどれだけ保護されるかは破たんした保険会社の状況によりますが、最悪の場合は責任準備金が10%失われます。また、破たんした保険会社から契約を引き継いだ保険会社によって予定利率が引き下げられることもあります。その場合、満期で受け取れる保険金や解約時の返戻金が当初よりも少なくなります。
終身保険のメリットとデメリット
終身保険のメリット
保障が一生涯続く
終身保険のメリットとしてまず挙げられるのが解約しない限り保障が一生涯続くことです。契約期間中に病気になったり年をとったりしても保障内容が薄くなることも保険料が高くなることもありません。
貯蓄性がある
終身保険は契約から期間が経過するにつれて解約返戻金が増加していくので貯蓄目的としても利用できます。保険料を60歳までや15年間などの有期で払い込む場合、保険料払込期間終了後は解約返戻金の額が払込保険料総額よりも多くなることが多いです。
相続対策として使える
終身保険は以下3つの点から相続対策として利用するのにも向いています。
- 保険期間を気にすることなく、いつ死亡しても保険金を受け取れる
- 「500万円×法定相続人の数」という相続税の非課税枠がある
- 死亡保険金は受取人固有の財産となるので遺産分割協議によらず希望通りにお金を遺せる
(保険金により他の相続人と著しく不公平となる場合は除く)
終身保険のデメリット
保険料が高め
終身保険は同じ保険料で保障が一生涯続くので、特に若いうちは同じ保険金額の定期保険と比べて保険料が高くなります。保険料を抑えるために、保険料払込期間が終了するまでの解約返戻金を通常の終身保険よりも少なくした低解約返戻金型の終身保険もあります。
見直しがしづらい
定期保険と違って満期がなく更新のタイミングがないのと、見直しのために解約をして別の保険に加入すると契約時の年齢が上がるので保険料も高くなることから生活環境が変化しても保険の見直しがしづらいです。契約時により注意して保障内容を検討する必要があります。
インフレに弱い
多くの終身保険では契約時に利率が固定されてしまいます。つまりは契約時に将来受け取れる金額が固定されます。そのため、将来的にインフレで物価が上昇した場合、保険金や解約返戻金の実質的な価値が減ってしまうことになります。特に、現在のような低金利の状況下で固定されるのは大きなデメリットともなりえます。
学資保険と終身保険以外のおすすめの保険は?
個人年金保険
学資保険や終身保険の他にも、個人年金保険で教育費の準備をするという方法もあります。個人年金保険というと老後の生活費の資金作りに活用するイメージが強いですが、具体的にどう利用するのでしょうか?
1.親の個人年金保険の年金受取期間を子供の大学進学と合わせて年金を学費に充てる
個人年金保険は定年退職後から公的年金が支給されるまでの無給期間にあわせたり、公的年金だけでは老後の生活が不安だという方におすすめの保険です。しかし個人年金保険は契約時に定めた年齢から受け取ることができるため、契約時に定めた年齢から年金を受け取れます。そこで年金受取期間を子供の大学進学時期にあわせることで、学費の準備金として活用することができるのです。
2.個人年金保険の契約者を子供にして年金の受取金も子供にする
「契約者=親、年金受取人=子供」という内容で個人年金保険を契約するのではなく、「契約者=子供、年金受取人=子供」という内容で契約し、その契約にかかる保険料を毎年親から子供に贈与するという方法も考えられます。この方法であれば1年で多額の贈与をするのではないので、毎年基礎控除も受けられ、贈与税額を抑えることができます。
ただしこの方法だと定期贈与とみなされ、1年毎の贈与額ではなく贈与の合計額に大して贈与税が課される可能性があるため、贈与税が心配な場合は安易にこの方法を選ばずに税理士等に相談の上で贈与を行う必要があります。
まとめ
子供の教育資金のためという目的で、大学入学等の節目のタイミングで確実に資金を受け取りたい人は学資保険がおすすめです。一方、死亡時の保障を充実させつつ、解約返戻金をいつでも任意のタイミングで受け取りたい人や相続対策も視野に入れたいという人には終身保険が向いています。
どの保険もメリットだけではなくデメリットもあるので、比較しながらあなたの家庭の状況にあわせて教育資金を準備しましょう。