個人年金保険のコラム

親が子供のために個人年金保険を掛ける場合の注意点

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子供の将来の不安や生前贈与のためなどから親が子供のために個人年金保険を契約し、保険料を親が払うということがあります。こうした契約をする場合、契約者と受取人が同一となるような一般的な個人年金保険の契約とは異なる部分が出てきます。どういった部分に注意が必要なのでしょうか。

年金の受取開始時に贈与税がかかる

個人年金保険の年金受取時にかかる税金は契約者(=保険料負担者)と年金の受取人の関係によって変わります。契約者が親、受取人が子供のように契約者と受取人が別の人の場合には、年金の受取開始時に、相続税法上の年金受給権評価額に対して贈与税が課税され、毎年の年金受取時に年金の課税部分に対して所得税(雑所得)と住民税が課税されます。

なお、初年度で贈与税として税金を支払っている部分に対しては、所得税・住民税の課税対象とはなりません。年金支給初年は全額非課税、2年目以降は課税部分が階段状に増加していくことになります。詳しくは国税庁のタックスアンサーなどをご確認ください。

契約者受取人年金受取開始時年金受取時
-所得税(雑所得)・住民税
贈与税所得税(雑所得)・住民税
※贈与税の課税部分は除く

契約者と受取人が同一で所得税・住民税の対象となる場合は、個人年金保険による利益(=受け取った年金額とそのために支払った保険料の差額)が課税対象となりますが、贈与税額の計算においては110万円の基礎控除はあるものの、年金受給権評価額がそのまま課税対象となります。思っていたよりも大きな税金がかかってしまったということにもなりかねないので注意しましょう。

年金受給権評価額

以下のいずれか多い額が年金受給権の評価額となる。

  1. 解約返戻金の額
  2. 年金に代えて一時金の給付を受けられる場合は一時金の金額
  3. 予定利率等をもとに算出した金額

贈与税の速算表

一般贈与財産用

年金の受取開始の年の1月1日時点で子が未成年の場合はこちらを使用します。

基礎控除後の課税価格税率控除額
200万円以下10%-
300万円以下15%10万円
400万円以下20%25万円
600万円以下30%65万円
1000万円以下40%125万円
1500万円以下45%175万円
3000万円以下50%250万円
3000万円超55%400万円

出典:国税庁

例えば、年金受給権評価額が500万円だった場合、基礎控除の110万円を引いた後の課税価格は390万円なので、400万円以下の税率20%、控除額25万円を使って計算します。

390万円×20%-25万円=53万円より、贈与税額は53万円となります。

特例贈与財産用

年金の受取開始の年の1月1日時点で子が20歳以上の場合はこちらを使用します。

基礎控除後の課税価格税率控除額
200万円以下10%-
400万円以下15%10万円
600万円以下20%30万円
1000万円以下30%90万円
1500万円以下40%190万円
3000万円以下45%265万円
4500万円以下50%415万円
4500万円超55%640万円

出典:国税庁

例えば、年金受給権評価額が500万円だった場合、基礎控除の110万円を引いた後の課税価格は390万円なので、400万円以下の税率15%、控除額10万円を使って計算します。

390万円×15%-10万円=48.5万円より、贈与税額は48.5万円となります。

個人年金保険料控除の対象外となる

個人年金保険のうれしいところに、生命保険料控除の枠が他の生命保険とは別で用意されていることです。これにより、条件を満たす契約内容であれば、他に生命保険に入っていても支払った保険料に応じた所得控除を受けることができます。

しかし、親が子供のために個人年金保険に加入するという場合では支払った保険料に対して個人年金保険料控除を受けることはできません。なぜなら、控除を受けるための条件の一つに、「年金の受取人は、保険料若しくは掛金の払込みをする者、又はその配偶者となっている契約であること。」という内容があるからです(参考:国税庁)。

つまり、「受取人=契約者」という契約か、「受取人=契約者の配偶者」という契約しか個人年金保険料控除の対象とはなりません。したがって、親が子供のために加入する個人年金保険では個人年金保険料控除の対象とはならないのです。

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契約後に契約者や受取人の変更はできる?

贈与税のことを考えると契約者や受取人を変更したいという人もいるかもしれません。そうした場合、年金の受取開始前で死亡給付金の支払事由が発生する前であれば、被保険者の同意のもとで変更することが可能です。

注意が必要なのは契約者を親から子に変更する場合の税金です。年金を受け取る際に、親が契約者として保険料を払い込んでいた期間の分については変わらず贈与税の課税対象となります。この方法で贈与税を回避することはできません。また、保険会社から税務署へと提出する調書によって契約者が変更したことが分かってしまうので、「黙っていればバレない」ということもありません。

ちなみに、契約者死亡によらず契約者変更を行う場合は変更時点で税金がかかるということはなく、年金受取時や死亡給付金受取時に税金がかかることになります。

契約者を子供として保険料分を子供に贈与するという方法も

「契約者=親、年金受取人=子供」という内容で個人年金保険を契約するのではなく、「契約者=子供、年金受取人=子供」という内容で契約し、その契約にかかる保険料を毎年親から子供に贈与するという方法も考えられます。この方法であれば1年で多額の贈与をするのではないので、毎年基礎控除も受けられ、贈与税額を抑えることができます。

ただし、この方法を安易にとると、定期贈与と見なされ、1年ごとの贈与額ではなく贈与の合計額に対して贈与税が課される可能性があります。定期贈与というのは、「10年間にわたって毎年100万円ずつ贈与する」という取り決めのもと贈与を行った場合のように、一定期間一定の給付を目的に行う贈与のことです。

自分だけの判断で安易に決めるのではなく、税理士等に相談の上で贈与を行う必要があります。

まとめ

親が子供のために個人年金保険を契約するという場合、年金受取時の税金に気を付ける必要があります。契約者(=保険料負担者)と年金受取人が別の人の場合、年金受取初年度には年金受給権評価額に対して贈与税が、2年目以降には運用によって増えたとみなされる分について所得税(雑所得)・住民税がかかります。契約者変更では贈与税を回避することはできないのでご注意ください。

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