就業不能保険のコラム

就業不能保険の支払条件は?厳しいって本当?

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病気やケガで長期間働けなくなったときに備える保険として、近年就業不能保険が注目を集めています。しかし、病気やケガで働けないからといってすべての場合で給付金を受け取れるわけではありません。むしろ、就業不能保険の支払条件は厳しいというような声も聞こえてきますが、実際のところはどうなのでしょうか。

就業不能保険の支払条件は?

就業不能保険の支払条件は保険会社によって違いはあるものの、大きくくくってしまえば、病気やケガで所定の就業不能状態になり、その状態が支払対象外期間を超えて継続していることです。ポイントとしては「病気やケガ」「所定の就業不能状態」「支払対象外期間」の3点があります。このうちの特に「支払対象外期間」を理由として、支払条件が厳しいといわれることがあります。

病気やケガ

病気やケガで長期間働けないことが条件なので、健康だけどリストラで働けないというような場合は対象外となります。また、女性の場合は妊娠・出産で働けないということも出てくると思いますが、正常な妊娠・出産の場合は病気やケガではないので保障対象外となります。切迫早産などの場合は病気なので給付金支払の対象となりますが、別で説明する支払対象外期間内に退院することが多いので注意が必要です。

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所定の就業不能状態

どのような状態が「所定の就業不能状態」にあたるのかは保険会社によって変わります。基本的に入院や医師の指導の下に在宅療養をしている場合があたりますが、保険会社によってさまざまに違いがあります。特に注意が必要な部分としては、うつ病などの精神疾患で働けないという場合です。精神疾患は対象外という会社も多いですが、就業不能保険の中でも後発の商品では保障対象に含まれている場合があります。精神疾患に対する備えも欲しいのであれば対象に含まれているのかしっかりとチェックしましょう。

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また、保険商品によっては障害等級を給付の条件として挙げているものもあります。公的制度を基準としているのでどのような場合に給付金を受け取れるのか分かりやすいというメリットがあります。こちらも、障害等級の何級からが対象となるのか違いがあるのでよく確認するようにしましょう。

支払対象外期間

多くの就業不能保険では支払対象外期間が60日または180日で設定されています。給付金が支払われるには60日などの支払対象外期間を超えて働けない状態である必要があるので、ちょっとした入院では対象とならず、支払条件が厳しいといわれる原因となっています。

厚生労働省「平成29年患者調査」によると、入院日数の平均は29.3日で、就業不能保険の対象となる年齢層に限ると、15~34歳では11.1日、35~64歳では21.9日なので、条件が厳しいといわれる理由がわかるでしょう。ただし、平均が60日に満たなくても60日以上の入院が必要となることがないというわけではありません。もし自分が長期間の入院が必要となったら治療費や生活費を賄えるのかという観点から考えましょう。

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若いうちは長期入院患者数>死亡者数

年齢階級別の10万人当たりの長期入院患者数と死亡者数を比較すると、50~54歳までは各年齢階級で長期入院患者数が死亡者数を上回っています。

年齢階級 人口10万人当たり
長期入院患者数 死亡者数
20~24歳 41.8人 34.2人
25~29歳 55.6人 37.9人
30~34歳 78.7人 47.3人
35~39歳 100.2人 61.8人
40~44歳 134.5人 95人
45~49歳 182.9人 150.8人
50~54歳 267.3人 237.4人
55~59歳 360.9人 366.9人
60~64歳 475.4人 580.4人

※長期入院患者数は入院期間が2か月以上の推計患者数、各年齢階級の人口は平成29年10月1日現在のもの

出典:厚生労働省「平成29年患者調査」、総務省統計局「人口推計」、厚生労働省「平成29年人口動態統計

長期入院は永続的に収入が絶たれるわけではありませんが、その期間は治療費等で出費が増え、収入も減少あるいはなくなってしまいます。そうした状況になってしまったときに家計が耐えられないのであれば、平均入院日数にとらわれて不要と判断するのではなく、就業不能保険などで備えておくことが大切でしょう。

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入ることを検討すべき人は?

支払条件が厳しいといわれることもある就業不能保険ですが、加入を検討した方がよい人もいます。どのような人は就業不能保険を検討した方がよいのか紹介します。

自営業やフリーランスの方

会社員や公務員の方は病気やケガで働けないときに加入する健康保険から傷病手当金が支給されます。しかし、自営業やフリーランスの方が加入する国民健康保険には傷病手当金の制度がなく、また、障害年金についても基本的に初診から1年6か月を経過する必要があります。それゆえ、何も備えがないと「病気やケガで働けない=無収入」ということになりやすいです。就業不能保険などで病気やケガで働けない場合に対して何らかの備えをしておく必要はあるでしょう。

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貯蓄が十分にない人も就業不能保険の必要性が高いといえます。長期間働けなくなると収入が減るほか、医療費などで支出も増加します。会社員で傷病手当金があっても、傷病手当金で受け取れるのは給与の全額ではなく標準報酬月額の3分の2です。また、社会保険料の支払いは続きますし、前年に所得があれば住民税も支払う必要があります。医療費などで支出の増加がある中で、収入が減少して生活費や教育費、ローンなどを支払い続けられる貯蓄がないのであれば、就業不能保険などの長期間働けなくなったときの備えについて考えておいた方がよいでしょう。

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どのような場合に給付金が支払われるか

初めに紹介しましたが、就業不能保険は商品によってどのような場合に給付金が支払われるのか違いがあります。特に精神疾患を保障対象とするのか否かは商品によって分かれていますのでよく確認するようにしましょう。なお、支払われる条件が緩いほど保険料は高くなる傾向にあります。保険料のみで選ぶといざというときに給付金を受け取れずに困ることになりかねませんので、どのような場合に給付金を受け取れるのかしっかりと比較したうえで決めるのがよいでしょう。

給付額を希望額に設定できるか

就業不能保険で受け取れる給付金の額を設定できる範囲は保険商品によって異なります。自分が希望する給付額を選択できるのか確認するようにしましょう。

どのような金額で設定すればよいのかはいくつか考え方がありますが、必要な生活費に対して働けないことで不足する金額を設定するのがよいでしょう。会社員や公務員の場合は傷病手当金の支給があるので、こうした保障を計算に入れるのを忘れないようにしましょう。

普段の生活と変わらないことを重視するのであれば手取りの月収額に対して不足する金額を設定するということも考えられます。しかし、保障額が高額になると保険料も高くなってしまうので注意が必要です。

給付期間や給付回数はどうなっているか

保険商品によって保険期間中は就業不能状態が続く限り給付金が支払われるというものもあれば、給付回数が決まっていてそれに達したら働けない状態が続いていても給付が打ち切られるものもあります。就業不能状態が続く限り給付金を受け取れる方が安心感がありますが、保障が大きいほど保険料も高くなります。長期間の障害となる場合には障害年金もありますので、どの程度の保障が必要なのか考えて決めるようにしましょう。

傷病手当金を考慮したものか

会社員や公務員の方は病気やケガで働けないときには傷病手当金が支給されます。傷病手当金は最長で1年6か月間支給されるので、それまでの間は給料の約2/3の収入は確保できます(そこから社会保険料や前年の所得に応じた住民税の支払は必要です)。就業不能保険の中にはこの期間の給付額を半額に抑えて保険料を安くしたタイプの商品もあります。会社員や公務員の方はこうした商品も検討してみるとよいでしょう。

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まとめ

就業不能保険は病気やケガで所定の就業不能状態になり、その状態が支払対象外期間を超えて継続している場合に給付金が支払われます。「所定の就業不能状態」や「支払対象外期間」について、保険会社によって違いがみられるのでよく確認して選ぶようにしましょう。支払対象外期間は60日などとなっていることが多く、「条件が厳しい」といわれることもありますが、若いうちは死亡するよりも2か月以上の長期入院する人の割合の方が高いです。長期間働けない場合に治療費や生活費を賄えるのかという観点から必要性を考えるようにしましょう。

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