就業不能保険のコラム

住宅ローン返済中の就業不能リスクはどう備える?

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住宅ローンを返済中に契約者が死亡してしまったときには団体信用生命保険(団信)で残債を返済することができます。しかし、住宅ローン返済中には死亡や高度障害以外にも大きなリスクが存在します。それは、病気やケガで長期間働けなくなることです。住宅ローン返済中の就業不能リスクにはどのように備えればよいのでしょうか。

働けなくなったら何が困る?

病気やケガで長期間働けなくなった場合、その間の収入がそれまでよりも少なくなってしまいます。それに対して医療費などの支出額の増加があり、さらに住宅ローンなどの支払を待ってもらえるわけではありません。長期間働けなくなったときの収入の減少や支出の増加に何も備えをしていないと、手にしたマイホームを手放さなければならない事態に陥る可能性もあります。

参考までに、入院した場合の1日あたりの自己負担額の平均を紹介します。生命保険文化センター「生活保障に関する調査」/令和元年度によると、「直近の入院時の自己負担費用」について、1日あたりの自己負担費用の平均は23,300円です。分布でいうと「10,000円~15,000円未満」が24.2%と一番多くなっていますが、「40,000円以上」と回答した人も16.0%います。遠方に入院した場合の交通費や個室や少人数の部屋を希望した場合の差額ベッド代、食事代なども含んでの金額ですが、入院が長期間になった場合は大きな支出を覚悟しておく必要があるでしょう。

どれだけの人が働けなくなる?

会社員や公務員が病気やケガで連続する3日間を含み4日以上働けず、給与の支払いを受けられない場合には傷病手当金の支給が受けられます。病気やケガで働けなくなる人がどれだけいるのか、この傷病手当金の支給状況から紹介します。

まず、傷病手当金の支給を受けるのは被保険者千人あたり4.07人です。年齢階級別にみると以下の表の通りとなります。

被保険者千人あたりの傷病手当金支給件数
20~24歳 25~29歳 30~34歳 35~39歳 40~44歳 45~49歳 50~54歳 55~59歳 60~64歳
3.07 3.91 3.97 3.73 3.61 4.05 4.79 5.97 6.53

出典:全国健康保険協会「現金給付状況調査(平成30年度)」

続いて支給日数を紹介します。支給日数が長期になるほど病気やケガで働けない期間が長期になることを意味しています。

傷病手当金支給日数の構成割合
1~10日 11~20日 21~29日 30日 31日 32~40日 41~50日 51~60日 60日以上
8.11% 12.49% 12.89% 16.13% 25.96% 5.82% 4.05% 3.02% 11.53%

出典:全国健康保険協会「現金給付状況調査(平成30年度)」

傷病手当金の支給を受ける人の約4人に1人が32日以上、約10人に1人が60日以上の支給を受けています。1カ月や2カ月以上という長期間働けなくなるリスクに備えておく必要があります。

就業不能リスクにはどう備える?

病気やケガで長期間働けないリスクにはどのように備えればよいのでしょうか。公的保障と民間の商品について紹介します。

公的保障

傷病手当金

傷病手当金は会社員や公務員などが加入している健康保険から支給される制度です。病気休業中に被保険者とその家族の生活を保障するために設けられた制度で、被保険者が病気やケガのために会社を休み、事業主から十分な報酬が受けられない場合に支給されます。支給額は標準報酬月額の3分の2で支給される期間は最長1年6か月です。傷病手当金は次の4つの条件をすべて満たした時に支給されます。

  1. 業務外の事由による病気やケガの療養のための休業であること
  2. 仕事に就くことができないこと
  3. 連続する3日間を含み4日以上仕事に就けなかったこと
  4. 休業した期間について給与の支払いがないこと

傷病手当金は加入する健康保険から支給されるので、自営業者やフリーランスの方は支給を受けられないことに注意が必要です。

障害年金

障害年金は、病気やケガによって生活や仕事などが制限されるようになった場合に、現役世代の方も含めて受け取ることができる年金です。国民年金に加入していた場合は障害基礎年金、厚生年金に加入していた場合は障害厚生年金を受け取ることができます。受け取れる金額は障害等級によって変わります。詳細については日本年金機構の公式サイトをご確認ください。

なお、障害等級の認定を受けるには基本的に初診から1年6カ月を経過する必要があります。会社員や公務員の場合は傷病手当金でつなぐことができますが、自営業者やフリーランスの方の場合はそれまでの間の生活費について考える必要があるでしょう。

疾病保障付住宅ローン

団信は契約者が死亡したときや高度障害を負ったときに備えますが、この考えを特定の病気に広げたのが疾病保障付住宅ローンです。契約者が特定の病気になって就業不能状態になったとき、月々の返済が一時的に免除されたり、残債がゼロになったりします。

対象となる病気の種類や範囲は金融機関によって異なります。がんのみを対象とするもの、3大疾病(がん、急性心筋梗塞、脳卒中)を対象とするもの、8大疾病(がん、急性心筋梗塞、脳卒中、高血圧症、糖尿病、慢性腎不全、肝硬変、慢性膵炎)を対象とするもの、すべての病気・ケガを対象とするものなどがあります。

こうした保障を付けるには保険料として住宅ローン金利に0.3%などの金利を上乗せて支払う必要があるのが一般的です。長引くマイナス金利の影響で住宅ローン本体の金利はかなり低くなっていますが、保険料として金利を上乗せして払う価値があるのか保障の内容をしっかりと確認する必要があります。

就業不能保険

就業不能保険とは、病気やケガで長期間働けなくなった時に備える保険です。所定の就業不能状態になり、その状態が支払対象外期間を超えて継続している間、契約時に決めた金額を毎月給与のように受け取ることができます。この給付金によって住宅ローンが払えなくなるという事態を回避することが可能です。

病気やケガで入院した場合、医療保険に加入していれば入院給付金を受け取ることができます。しかし、入院給付金には限度日数があるので入院が長期化したときには対応しきれない場合があります。就業不能保険ではこうした長期の入院に備えることが可能です。

就業不能保険の注意点としては、契約する保険会社によって「所定の就業不能状態」がどのような定義か、精神疾患が含まれるのか、支払対象外期間が何日かなどが異なることが挙げられます。どのような場合に給付金を受け取れるのか事前にしっかりと確認しておく必要があるでしょう。

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まとめ

住宅ローン返済中に病気やケガで長期間働けなくなった場合、収入の減少や医療費などの支出の増加で住宅ローンが払えなくなり、手に入れたマイホームを売りに出さなければならない事態に陥る可能性も考えられます。十分な貯蓄があるのであればよいですが、そうでなければ住宅ローンを疾病保障付にする、就業不能保険を検討するなどの備えをしておくと安心でしょう。

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