脳脊髄液減少症になると、頭痛・めまい・全身倦怠感を始めとした様々な病状が現れます。症状が重いと立ち上がって生活することが困難となり、ほとんど横になったままの生活になってしまったり、就労が困難になってしまうケースもあります。
それでは、脳脊髄液減少症になってしまったら民間の生命保険は利用できるのでしょうか? もし働けなくなったらどうすればよいでしょうか。
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脳脊髄液減少症とは?
原因
脳や脊髄を衝撃から守るクッションの役割を果たしている脳脊髄液は硬膜に覆われています。交通事故やむち打ち、日常生活上での転倒、打撲、暴力、スポーツによる外傷、整体治療、出産等の頭部や全身への強い衝撃がきっかけで硬膜が破れてしまい、そこから脳脊髄液が漏れることで脳が固定されなくなり、脳神経が刺激されて様々な症状が起きます。
症状
頭痛、頸部痛、全身の倦怠感、めまい、耳鳴り、視機能障害、記憶力低下、気力低下、不眠等、様々な症状が起こります。人によっては立ち上がると症状が悪化してしまうためにほぼ寝たきりになってしまうケースもあります。
脳脊髄液減少症は画像判断が難しく、起立性調節障害と症状が似ているため混同され正しい治療を受けられないことも。
手術や入院で保険金は給付される
脳脊髄液減少症は水分の摂取や安静にしていることで自己治癒することもあります。しかし、症状が改善しない患者も多く、その場合の治療法としてブラッドパッチ療法を受けることが可能です。ブラッドパッチは平成24年7月から先進医療の対象となり、平成28年4月からは脳脊髄液減少症・低髄液圧症候群と診断された場合に限り保険適用となりました。
民間の医療保険に加入の場合は、給付金を受け取ることも可能です。※
※給付金の受け取り条件は保険会社によって異なります。
完治しなかった場合は?
ブラッドパッチ療法は、髄液が漏れている箇所の硬膜と脊髄の間の脂肪組織に患者の静脈から採取した血液を注入し、糊代わりにして凝固させ破れた箇所を塞ぐ方法です。
ブラッドパッチ療法により1回の手術で完治する患者は2割程度とされており、複数回の施術を経て完治する患者もいれば、残念ながら完治までは至らない患者もいます。
障害年金の申請が可能
治療しても長期に渡り症状の改善が見られない場合、認定基準を満たせば障害年金の請求が可能になります。
令別表 | 障害の程度 | 障害の状態 |
---|---|---|
国民年金法施行令別表 | 1級 | 身体の機能の障害又は長期にわたる安静を必要とする病状が前各号*と同程度以上と認められる状態であって、日常生活の用を弁ずることを不能ならしめる程度のもの |
2級 | 身体の機能の障害又は長期にわたる安静を必要とする病状が前各号*と同程度以上と認められる状態であって、日常生活が著しい制限を受けるか、又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度のもの | |
厚生年金保険法施行令別表第1 | 3級 | 身体の機能に、労働が著しい制限を受けるか、又は労働に著しい制限を加えることを必要とする程度の障害を残すもの |
*前各号については出典のリンク先をご確認ください。
出典 日本年金機構 障害等級表
障害年金の申請を希望する場合、受診状況の証明書や診断書等を準備する必要があります。脳脊髄液減少症は時間が経過してから発症するケースがあるため、証明が難しい場合があります。
そもそも障害年金を申請するにあたり何を用意すればいいのか分からない場合は、社会保険労務士事務所のような代理で障害年金の申請や手続きをしてくれるプロに頼むことも可能なので検討してみましょう。
就業不能状態に該当すれば就業不能給付金を受け取れる
就業不能保険は長期間働けなくなった時に給付金を受け取れる保険です。脳脊髄液減少症により就業不能状態と診断され、その状態が支払対象外期間を超えて継続した場合は就業不能給付金を受け取れます。
保険会社は所定の就業不能状態になった日から一定の期間を保障の対象外としており、支払い対象外期間を超えても所定の就業不能状態が継続している時に限り給付金を受け取ることが可能です。
就業不能状態とは、例えば以下のような条件に該当している状態を指します。
- 入院している
- 医師の診断により在宅療養している
- 公的年金の障害等級1級・2級程度
- 保険会社が約款で指定している特定障害状態に該当した状態
なお、自己判断で自宅療養した場合は就業不能状態とは見なされません。必ず医師の診断を受けましょう。
突然のケガや病気に備えておこう
脳脊髄液減少症は交通事故やスポーツのケガで発症することもあれば、尻もちなど些細な外傷が発端で発症してしまうこともあると言われており、まだまだ原因不明な点が多い病態と言われています。また、病院で治療を受けずに完治してしまう人もいれば、何度もブラッドパッチを受けても完治しないままほぼ寝たきりになってしまう人もいる、症状の幅が非常に広い疾患です。
些細な外傷をきっかけに手術や入院が必要になったり、長期療養により就労不能状態に陥った時のために、治療費や収入の減少をカバーできる程度の貯蓄は常に用意しておくと良いでしょう。
準備に不安がある方や、将来のための貯金を減らしたくないという方は、医療保険や就業不能保険等を検討してみてはいかがでしょうか。