個人年金保険に入ることを検討する場合、どれくらいの保険料を支払っていく必要があるのか気になるのではないでしょうか。生命保険文化センターの2021(令和3)年度「生命保険に関する全国実態調査」から個人年金保険の加入者の年間の平均保険料を紹介します。
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個人年金保険の年間の払込保険料は?
生命保険文化センター「2021(令和3)年度『生命保険に関する全国実態調査』」によると、1年間に払い込む個人年金保険の保険料の世帯合計額の平均は206,300円です。単純に月額に換算すると17,192円となります。前回調査(平成30年)では平均が年間200,600円だったので約6,000円の上昇です。
分布をみると、最も回答した割合が高いのが年間12~18万円未満の25.2%、次いで6万円未満の20.0%、24~36万円未満の17.8%となっています。
平均 | 6万円未満 | 6~12万円未満 | 12~18万円未満 | 18~24万円未満 | 24~36万円未満 | 36~48万円未満 | 48~60万円未満 | 60万円以上 | 不明 | |
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令和3年 | 20.6万円 | 20.0% | 12.9% | 25.2% | 7.5% | 17.8% | 4.2% | 3.1% | 6.5% | 2.8% |
平成30年 | 20.1万円 | 16.5% | 17.3% | 24.4% | 9.6% | 15.1% | 4.3% | 2.9% | 5.1% | 4.9% |
平成27年 | 17.9万円 | 12.0% | 16.2% | 25.6% | 8.9% | 13.2% | 3.7% | 2.2% | 2.4% | 15.8% |
平成24年 | 19.3万円 | 15.0% | 16.9% | 23.2% | 8.6% | 12.4% | 4.1% | 2.1% | 3.4% | 14.3% |
平成21年 | 18.9万円 | 11.6% | 16.3% | 23.6% | 10.2% | 12.1% | 4.7% | 1.9% | 3.0% | 16.6% |
※民保(かんぽ生命を含む)、簡保、JA、全労済の計
※平均は小数点以下第2位で四捨五入
出典:生命保険文化センター「生命保険に関する全国実態調査」
年金額が上がっているわけではない
令和3年の世帯年間払込保険料の平均は20.6万円と過去調査よりも大きな数字となっています。しかし単純に、老後に受け取れる年金額の設定を増やしたから保険料も上がったというわけではありません。実は、個人年金保険加入世帯の基本年金年額(年金受取開始時の1年間に受け取れる年金の年額)の平均は過去の調査と比べて下がっているのです。
平均 | 36万円未満 | 36~48万円未満 | 48~60万円未満 | 60~72万円未満 | 72~84万円未満 | 84~96万円未満 | 96~108万円未満 | 108万円以上 | 不明 | |
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令和3年 | 97.1万円 | 19.6% | 5.7% | 10.1% | 10.2% | 7.0% | 2.9% | 6.8% | 22.7% | 15.1% |
平成30年 | 102.5万円 | 17.3% | 7.6% | 9.2% | 12.9% | 6.5% | 3.1% | 6.0% | 21.7% | 15.7% |
平成27年 | 101.0万円 | 15.8% | 7.2% | 8.8% | 13.2% | 7.0% | 2.7% | 6.1% | 25.2% | 13.9% |
平成24年 | 117.2万円 | 16.7% | 6.7% | 9.8% | 12.1% | 7.1% | 3.6% | 5.8% | 23.3% | 14.9% |
平成21年 | 111.9万円 | 14.1% | 8.8% | 7.3% | 14.8% | 5.3% | 3.4% | 6.0% | 24.0% | 16.2% |
※民保(かんぽ生命を含む)、簡保、JA、全労済の計
※平均は小数点以下第2位で四捨五入
出典:生命保険文化センター「生命保険に関する全国実態調査」
払込保険料の平均は上がっているのに基本年金年額の平均は下がっている要因の一つに返戻率の低下が挙げられます。個人年金保険はマイナス金利の影響で返戻率が下がっています。返戻率とは支払った保険料の総額に対する受け取れる保険金の総額の割合のことです。受け取れる保険金総額を支払う保険料総額で割り、100をかけます。例えば、支払う保険料の合計が500万円、受け取れる保険金の合計が550万円の場合は返戻率は110%です。
昔に比べて返戻率が下がっていることにより、同じ金額を受け取るのに必要な保険料は高くなっています。そのため、平均の年間払込保険料は上がっているのに基本年金年額の平均は下がっているというようなことが起こっているのです。
いくら必要か、いくら払えるかで決めよう
個人年金保険の年間払込保険料の平均を紹介しましたが、実際に契約する際には平均にとらわれるのではなく年金がいくら必要か、保険料がいくらなら支払っていけるのかということから決めるのが大切です。
年間で120万円必要なのに100万円しか受け取れない契約をした場合、残りの年間20万円を別の手段で用意していく必要があります。また、年間で12万円しか保険料を支払う余裕がないのに平均と同じく年間20万円を支払う契約をした場合、他の生活費を削るなどして年間8万円を捻出する必要があります。保険料の支払いがきつくて解約してしまうと元本割れすることもあるので十分に気を付ける必要があるでしょう。
このように平均を頼りに個人年金保険に加入すると不具合が生じます。平均はあくまでも平均なので、どのような目的で個人年金保険に加入するか、その目的を達成するのにはいくら必要なのか、現在の生活が苦しくならないかといったことを考えたうえで契約内容を決めるようにしましょう。
まとめ
個人年金保険の保険料の世帯合計額の平均は年間206,300円です。過去の調査結果と比べて保険料の平均額は上昇しています。これは、返戻率が下がって同じ金額を受け取るのに必要な保険料が上がったことも影響しているでしょう。また、平均はあくまでも平均で、自分にとって適切な金額というわけではありません。あまり平均に振り回されずに自分が必要な額を設定するようにしましょう。
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著者情報
堀田 健太
東京大学経済学部金融学科を卒業後、2015年にSBIホールディングス株式会社に入社、インズウェブ事業部に配属。以後、一貫して保険に関する業務にかかわる。年間で100本近くの保険に関するコンテンツを制作中。