個人年金保険のコラム

40代から始める老後資金を貯める方法

投稿日:2020年1月7日 更新日:

40代ともなるとそろそろ老後資金が気がかりになってくると思います。とはいえ、住宅ローンの返済や子供の教育費など支出も多く、なかなかお金を貯めるのも難しいです。世間の40代の人はどれだけの貯蓄をしているのでしょうか。また、老後までにどのようにお金を貯めていけばよいのでしょうか。

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40代の人はどれだけお金を貯めている?

まずは40代の人がどれだけお金を貯めているのかを紹介します。あなたは他の人と比べてお金を貯められているでしょうか、それともあまり貯められていないのでしょうか。

世帯主が40歳代の世帯の金融資産保有額
平均 中央値
単身世帯 559万円 47万円
二人以上世帯 889万円 220万円

※金融資産を保有していない世帯も含む
出典:金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査(令和5年)

40代の金融資産保有額の平均は単身世帯で559万円、二人以上世帯で889万円、中央値は単身世帯で47万円、二人以上世帯で220万円です。貯金だけでなく株式や投資信託、保険などでお金を貯めている場合はそれも含まれています。

平均よりも貯めていれば老後資金の準備はバッチリだというわけではありませんが多少の安心感はあるでしょう。その調子で老後までにしっかりとお金を貯めていきましょう。逆に平均や中央値よりも少ないという場合は一度家計の状況を見直してみるとよいかもしれません。

中央値とは

平均とともに紹介している中央値というのは、データを小さい順に並べた時に真ん中に位置する値のことです。データの個数が偶数の場合は真ん中に位置する2つの数値の算術平均が中央値となります。

例えば、10人の貯金額が「100万円、150万円、200万円、250万円、300万円、350万円、400万円、450万円、500万円、1億円」だとします。この場合の中央値は小さい方から5番目と6番目の平均の325万円です。一方でこの10人の貯金額の平均は1270万円です。平均以上の貯金を持っているのは1億円の人のみとなってしまいます。

平均は極端な数値があるとそれに引っ張られて感覚的な「真ん中」からずれてしまう性質があります。金融資産保有額のような少数の人が非常に大きな数値を取りうるものについては平均だけでなく中央値も確認するようにするとよいでしょう。

2000万円貯めるには毎月8万円必要

2019年に、老後に公的年金以外に平均2000万円必要という内容が含まれた「老後資金2000万円報告書」が大きく話題になりました。2017年の家計調査のデータをもとにしていて、高齢夫婦無職世帯では年金等の収入が月に209,198円、支出が月に263,717円で月に54,519円の赤字となり、これが30年間続くと約2000万円必要となるという計算です。

老後のためにこの2000万円を40代からの20年間で貯めるとすると年間100万円、1カ月あたり8万3334円貯める必要があることになります。二人以上世帯の中央値である220万円からでも年間89万円、1カ月あたり7万4167円貯める必要があります。

子供が独立して教育費がかからなくなった後の方が大きな金額を貯めやすいので、20年間毎月決まった額を貯める必要はないのですが、貯めるのを先延ばしにするほど単純計算した毎月必要な貯金額は増えていきます。特に今までに貯金できていないという人は少しずつでも毎月一定の額を貯める習慣をつけていくとよいでしょう。

老後資金を貯めるには?

毎月お金を貯めていくのが大切だとわかってはいても、なかなか思った通りには貯められないという人も多くいると思います。そうした人のためにどのようにお金を貯めていけばよいのか、その考え方を紹介します。

家計の収支の状況を把握する

月にどれくらいの収入があって何にどれくらいの支出をしているのか把握しましょう。特に何にどれだけ使っているのかはわからないという人も多いのではないでしょうか。支出の状況を見直すことで無駄遣いを見つけることができることもあります。スマートフォンの契約時にオプションで付けた使っていない有料サービスがないか、契約しているのにほとんど見ていない動画配信サービスはないかなど改めて支出の状況を確認してみるとよいでしょう。

「先取り貯金」の考え方で貯蓄する

「収入-支出=貯蓄」ではなく「収入-貯蓄=支出」という先取り貯金の考え方でお金を貯めましょう。生活費の残りを貯めていくという方法だとついつい無駄遣いしてしまってなかなかお金を貯めていくことができません。先に必要な貯蓄額を貯めて残りの金額で生活するようにしましょう。

先取り貯金を成功させるために大切なことが3つあります。それは以下の3点です。

  • 目標額を初めから高くしすぎないこと
  • 毎月自動的にお金を貯める仕組みを作ること
  • 簡単に引き落とせない場所にお金を貯めること

先取り貯金では収入から貯金額を引いた金額で生活することになるので、目標が高すぎると生活が苦しくなって貯めたお金に手を出してしまいがちです。特に今まで貯金できなかったという場合は少額から慣れていきましょう。

また、毎月自動的に簡単に引き落とせない場所にお金を貯めていくように仕組みづくりすることが大切です。銀行の積立定期預金や会社に制度がある場合は財形貯蓄、口座から保険料として自動的に引き落とされる貯蓄型の保険など自分に合った方法を探してみましょう。

貯蓄型の保険や投資にも目を向ける

ご存知の通り、現在貯金ではほとんど利子がつきません。少しでも利率がよい貯蓄型の保険やNISA、iDeCoなどを活用した投資にも目を向けましょう。貯蓄型の保険やiDeCoは生命保険料控除や小規模企業共済等掛金控除により所得税や住民税を安くする効果もあります。

保険の場合は途中解約すると元本割れする、利率が契約時に固定されるのでインフレに対応できないなどのデメリットが、NISAやiDeCoなどによる投資は必ずプラスになるとは限らない、iDeCoは原則60歳まで引き出せないといったデメリットもありますが、税金面や期待できる利率などのメリットが大きいです。ある程度貯金ができた後は、貯金だけではなく他の手段でも貯めていくことも検討してみましょう。

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まとめ

40代の人が老後資金として20年間でゼロから2000万円貯めるのには単純計算で年間100万円、毎月8万3334円貯めていく必要があります。後に回せば回すほど1カ月あたりに必要な貯金額は増えていくので、少しずつでもよいのでまず貯金を始めることが大切です。無駄な費用を見直し、「収入-貯蓄=支出」という先取り貯金の考え方で老後に必要なお金を貯めていきましょう。


堀田健太

著者情報

堀田 健太
東京大学経済学部金融学科を卒業後、2015年にSBIホールディングス株式会社に入社、インズウェブ事業部に配属。以後、一貫して保険に関する業務にかかわる。年間で100本近くの保険に関するコンテンツを制作中。

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