
がんは入院・手術をした後も長期間の治療が必要になる病気です。治療に伴う副作用や体力の低下等で以前と同じように働くのが難しくなり、収入が減少してしまう人も少なくありません。長引くがんの治療費が払えない…と諦める前に、利用できる制度を確認してみましょう。
記事の要約
- がん治療は入院・抗がん剤・先進医療などで費用が高額になりやすい。
- 高額療養費制度や限度額適用認定証、医療費控除などの公的制度を活用することで自己負担を抑えられる。
- 公的制度だけで不安な場合は、医療機関への相談やがん保険で備えることが大切。
目次
どんな保険が必要か、いくらの保障が必要なのか分からない方へ
簡単な質問に答えるだけで、あなたに必要な備えと保障金額がすぐにわかります。
最短1分、無料でご利用可能ですので、ぜひお試しください!
\自分に必要な保障がわかる!/
がんの治療費はどれぐらい?

がんの治療費は一概にいくらとは言えず、がんの部位や進行度、治療方法によっても変わってきます。ここでは、入院費用・抗がん剤治療・先進医療の3つに分けてそれぞれいくらかかるかの目安を紹介します。
入院費用
厚生労働省の「医療給付実態調査」によると、がんの種類別による入院費用は以下の通りとなっています。
| 傷病中分類 | 平均入院日数 | 平均金額 |
|---|---|---|
| 胃の悪性新生物 | 11.4日 | 697,004円 |
| 結腸の悪性新生物 | 10.7日 | 685,504円 |
| 直腸の悪性新生物 | 11.5日 | 798,978円 |
| 肝の悪性新生物 | 10.6日 | 727,379円 |
| 気管、気管支および肺の悪性新生物 | 11.0日 | 738,028円 |
| 乳房の悪性新生物 | 8.5日 | 626,368円 |
| 子宮の悪性新生物 | 9.2日 | 699,887円 |
| 悪性リンパ腫 | 14.7日 | 1,350,165円 |
| 白血病 | 17.9日 | 1,902,504円 |
| その他の悪性新生物 | 10.9日 | 718,302円 |
| 良性新生物およびその他の新生物 | 7.7日 | 597,460円 |
※1件あたりの日数と点数を出し、1点10円で計算
出典:厚生労働省「医療給付実態調査 令和5年度」
入院期間が長い白血病や悪性リンパ腫は100万円を超えており、それ以外のがんでも60~80万円ほどの費用がかかっています。なお、実際は健康保険で3割負担となるため20万円ほどとなります。さらに高額療養費制度を申請すれば、自己負担限度額を超えた分は払い戻しを受けられるため、入院にかかる費用をさらに抑えることができます。
なお、入院の際に必要になる食事代や差額ベッド代、日用品や家族の交通費などは健康保険が適用されず全て自己負担のため注意しましょう。
抗がん剤治療の費用
抗がん剤で使われる薬剤は様々で、がんの種類や進行度によっても異なっています。一般的に薬物治療は3~4週間のサイクルを4~6回繰り返すため、治療が長期に渡ると薬代も膨らみやすくなります。抗がん剤治療も健康保険が適用され、高額療養費制度も使うことができますが、未承認薬は自由診療のため保険適用外となってしまいます。薬によっては100万円を超えることもあり高額な治療になる可能性もあるでしょう。
先進医療費
先進医療による治療を受ける場合、かかった費用は全額自己負担となります。特にがんの治療に用いられる陽子線治療や重粒子線治療は高額であることで知られ、医療機関によっても異なりますが260万円から300万円程度となっています。先進医療を受ける確率は低いですが、もし治療が必要になった場合は高額な治療費を全額自己負担しなければなりません。
公的制度を利用する
日本では国民皆保険制度があるため、医療機関等の窓口での支払いは原則3割負担となっています。とはいえ、がん患者の中には治療にかかる出費や収入の減少が苦しく治療を諦めてしまう人もいます。治療費が払えないと諦める前に、様々な公的制度の存在を把握しておき、必要な時は積極的に活用しましょう。
高額療養費制度

高額療養費制度とは、医療機関や薬局の窓口で支払う1ヶ月の医療費が自己負担の上限額を超えた場合、その超過分が払い戻される制度です。上限額は年齢や所得によって変わりますが、70歳未満で標準報酬月額が28万~50万円の場合、自己負担限度額は約9万円となります。
例えば1ヶ月の医療費が100万円の場合30万円を窓口で支払いますが、高額療養費制度を申請すれば自己負担限度額を超えた分(約21万円)が戻ってくることになります。なお、オンライン資格確認を導入している医療機関の場合、マイナ保険証を利用すれば申請をしなくても自己負担限度額を超えた分の支払いは免除されます。
多数回該当
治療が長引いた時は自己負担限度額が引き下げられます。直近12か月で3回以上高額療養費が支給された場合、4回目以降は「多数回該当」となり自己負担額が軽減されます。
限度額適用認定証
マイナ保険証を利用しない場合は高額療養費が支給されるまでに3ヶ月ほどかかるため、医療費は一旦自分で支払わなければなりません。医療費は一旦自分で支払わなければなりません。高額な医療費がかかることが事前に分かっている場合は、「限度額適用認定証」を申請しておくと安心です。医療機関の窓口に提出すれば医療費の支払額が自己負担の上限額までとなります。超過分は支払わずに済むため、高額療養費の申請も必要ありません。
高額療養費貸付制度
限度額適用認定証がなく、高額療養費が支給されるまでの間に医療費を建て替えるのが難しい場合は「高額療養費貸付制度」を利用することもできます。無利子で高額療養費支給見込額の8割~9割の貸付を受けられます。詳しい申し込み方法や貸付額は加入している国民健康保険や協会けんぽ、組合保険等に確認してください。
付加給付制度
付加給付制度は高額療養費に上乗せして医療費を払い戻してくれる制度です。この制度があるのは大手企業等の健康保険組合になり、自己負担限度額は組合によって異なりますが2万5千円程度としている事が多いようです。ただし国民健康保険にはこの制度はないため、自営業者は利用できません。
医療費控除
医療費控除は所得税や住民税が軽減される制度です。 1年間に支払った医療費が10万円を超えた場合に受けられ、確定申告をおこなうと控除額によっては還付金が戻ってきます。なお、所得が200万円未満の場合は10万円ではなく総所得金額の5%を超えた分が対象となります。手術代や入院代だけでなく医薬品も含まれるため、領収書を保管しておくとよいでしょう。
医療費控除の上限額は200万円となっており、「1年間の医療費合計額-保険金などの補填金額-10万円」で控除額が計算できます。
治療費が払えない場合はどうすればいい?

公的制度を利用しても支払いが難しい場合や、制度の条件を満たせず利用できなかった場合はどうすればいいのでしょうか?治療を諦める前に、事前に病院や医療機関に相談することが大切です。
医療機関に相談する
もし医療費の支払いができない場合は支払いの催促が来るほか、入院時に入院申込書に記入した身元保証人に連絡が行くこともあります。
入院や手術費用の支払いが難しい場合は、事前に病院や医療機関に相談してみましょう。後から打ち明けるよりも、前もって相談することで分割払いや支払期日の延期を認めてもらえるケースもあるようです。
無料低額診療事業
経済的な理由などで医療費の支払いが困難な方のために、無料低額診療事業を行っている医療機関もあります。一定の基準を満たすと医療費が減額や免除になります。医療ソーシャルワーカーとの面談や必要書類の提出などが必要になります。
医療ローン
先進医療などで治療費が高額になり、すぐに費用を用意できない時には医療ローンを利用することも手段の一つです。医療ローンは医療費以外の支払には利用できないものの、カードローン等と比べると金利が低く設定されていることが多いです。また、医療機関の窓口で申し込めるものもあります。ローンの返済が苦しくならないように、無理のない範囲で計画的に利用することが大切です。
生活保護の医療費扶助
生活保護制度を受けると、医療サービスの費用は本人負担なしになります。病院や医療機関に支払期日を延長してもらっても支払いの目処が立たず、日々の生活すら困窮してしまう場合は生活保護制度の申請が可能です。ただし申請すればかならず生活保護制度を受けられるわけではないため、条件は厚生労働省のサイト等で確認しておきましょう。
がん保険で備えておく

日本には高額療養費制度があるため、一定以上の医療費の負担はかなり軽くなります。しかし、差額ベッド代や先進医療費、通院にかかる交通費などはカバーされず全て自腹で支払う必要があります。がんの進行状況によっては他の病気に比べて治療期間が長くなる傾向にあるため、「予想外にお金がかかって貯金を崩してしまった」とならないように公的制度ではサポートしていない部分はがん保険などで備えておくことも大切です。
がん保険では、がんと診断された時点で一時金を受け取ることもできます。まとまったお金が手元にある状態で治療を受けられるため、経済的に心の余裕をもてるのもメリットの一つです。商品によっては転移や新たな原発がんが診断された際に、何度も一時金を受け取れるものもあります。
また、がんは早期発見・早期治療ができれば、入院はせずに通院だけで完治・寛解することもあります。がん保険によっては入院・手術無しの通院治療だけでも保険金を受け取れるなど、通院保障を重視した商品も増えています。昔のがん保険では通院保障が充実していないことが多いため、既にがん保険に加入しているという場合でも内容を見直した方がよいでしょう。
他にもがん保険には先進医療を受けた時に給付金が支払われる特約や、抗がん剤の副作用で髪の毛が抜けてしまった際の外見ケアのウィッグ代が給付される特約、がんと診断されたら保険料の払い込みが免除になる特約などで保障を充実させることも可能です。
がんの治療には様々な公的制度を利用できますが、それだけでは自分や家族の生活費が不安だという方は、がん保険を検討してみてはいかがでしょうか。
▼一括資料請求で保険会社を比較するワケ
▼一括資料請求で保険会社を比較するワケ
- ネットで簡単に資料請求!時間がない方にピッタリ
- 各社保障が違う商品から自分に合った保険を選べる
- 大切な資料を手元に残せる
まとめ
がん治療は入院・抗がん剤・先進医療などで費用が高額になりやすいですが、高額療養費制度などの公的制度を活用することで治療費の負担を軽くすることができます。公的制度だけでの支払いが難しい場合は、医療機関への相談、無料低額診療事業、医療ローン、生活保護の医療扶助なども選択肢になります。がんになった時の収入減や医療費や生活費の負担に備えるために、がん保険の加入や保障内容の見直しも検討すると安心です。
