がんは一度治療すれば終わりではなく、再発する可能性もあります。もしがんが再発してしまった場合でもがん保険で保障を受けることはできるのでしょうか?実のところ、がん保険にはがんの再発に対応できるものも対応できないものもあります。どのような点をチェックすればよいのか紹介します。
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再発に対応できるのかのチェックポイント
診断給付金の回数・期間の条件
がん保険の診断給付金では、がんの診断確定など保険会社が定める条件を満たしたときにまとまった金額を一時金として受け取れます。給付金の使い道は自由であり、がんでどのような治療を受けることになっても対応できることから重要な保障内容です。
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この診断給付金ですが、契約するがん保険によって1回のみしか受け取れない場合と複数回受け取れる場合とがあります。1回しか受け取れないものの場合は再発時には診断給付金を受け取ることができないということになります。再発についても考える場合は診断給付金が複数回受け取れるものを選ぶとよいでしょう。
また、診断給付金を複数回受け取れるものの中でも一度受け取ってから再度受け取れるまでの期間に違いがあります。前回受け取ってから2年の経過を条件としていることが多いですが、1年経過というパターンや3年経過というパターンもあります。どれだけの期間が空いていたら受け取れるのかもよく確認しておきましょう。
診断給付金を受け取れる条件
契約するがん保険によって診断給付金を受け取れる条件に違いがあります。悪性新生物だけなのか上皮内新生物も含まれるのか、診断確定だけなのか診断確定の上で入院する必要があるのか、再発でなくても治療が継続していた場合に再度受け取れるのかなど受け取れる条件はがん保険によって様々です。
また、初回と2回目以降とでは条件が異なる場合もあります。初回は診断確定のみで2回目は診断確定に加えて入院も必要というような具合です。
入院したらという条件の場合、がん治療とはいえ必ず入院するわけではなく、むしろ外来で治療することも増えているので診断給付金を受け取れない可能性もあります。「がんになったら給付金を受け取れる」という浅い理解で契約してしまうのではなく、具体的にどのような場合に給付金を受け取れるのかは必ず確認するようにしましょう。
再発予防の治療も保障される?
がんでは再発予防のために抗がん剤やホルモン剤の投与を受けることがあります。この場合でもがん保険で保障されるのでしょうか。
がん保険の保障の中には、抗がん剤治療やホルモン剤治療を受けた月ごとに給付金を受け取れる抗がん剤治療給付金というものがありますが、保険会社によっては再発予防を目的として抗がん剤・ホルモン剤の投与や処方を受けた場合でも給付金を受け取れることがあります。ただし、すべての保険会社で受け取れるというわけではないので事前に確認することが必要です。
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また、診断給付金を多めに設定して再発予防の治療にも備えるという手も考えられます。診断給付金は治療法問わず受け取れる可能性が高く、使い道も指定されていないので幅広く備えることが可能です。ただし、診断給付金の額を大きくすると保険料も高くなることには注意が必要です。
そして入院中に予防治療も行うのであれば入院給付金、退院後に通院して予防治療を行うのであれば通院給付金という手も考えられます。通院給付金は一度入院することを条件としていることが多いので注意してください。
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5年経過していれば引受基準緩和型医療保険という手も
がん保険の多くはがんにかかる前に加入するもので、一度がんになってしまったら新規加入は難しいです。一部にがんを経験した方向けのがん保険もありますが、選択肢はかなり少ない状況です。
最後に治療を受けてから5年経っているのであれば引受基準緩和型医療保険という手も考えられます。一般の医療保険よりも健康状態に関する告知を緩くしている医療保険です。がんに特化していないので「細かいところまで手が届く」というわけにはいきませんが、がん治療のための入院・手術には入院給付金や手術給付金で備えられます。
持病や既往症がある方向けの医療保険なので通常の医療保険よりも保険料が高くなっているなどのデメリットもありますが、割と多くの保険会社で取り扱いがありますので、がん経験後にがんに対する何らかの備えが欲しくなったという場合には検討してみるとよいでしょう。
まとめ
がんは治療しきれずに再発する可能性があります。再発にも備えたいのであれば診断給付金を複数回受け取れるものなど再発にも対応できるがん保険を検討するようにしましょう。また、一度がんになってしまった後では加入できるがん保険はかなり少なくなってしまいます。引受基準緩和型医療保険にも手を広げて検討してみるのがよいでしょう。
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著者情報
堀田 健太
東京大学経済学部金融学科を卒業後、2015年にSBIホールディングス株式会社に入社、インズウェブ事業部に配属。以後、一貫して保険に関する業務にかかわる。年間で100本近くの保険に関するコンテンツを制作中。