がん保険を検討・契約する上において、「上皮内新生物」という言葉をよく目にしますが、日常で使う言葉ではなく、どのようなものを指す言葉なのか理解している方は少ないのではないでしょうか。そこで、よくセットで使われる「悪性新生物」と合わせてどのようなものか説明します。
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上皮内新生物と悪性新生物
上皮内新生物と悪性新生物とは、すごく簡単に言えば「がん」のことです。一般にイメージする「がん」を悪性新生物、腫瘍が上皮(体表面の皮膚や消化管など粘膜の最表層部分)内にとどまっている場合を上皮内新生物といいます。上皮内新生物はがんの卵のようなイメージです。上皮内新生物は放置すれば悪性新生物(=「がん」)に進行する場合がありますが、この状態のうちでは周囲の臓器に広がっていったり(浸潤)、遠くの臓器に転移していったりしません。完全に切除すれば再発の可能性もほぼゼロです。早期治療すれば命の危険はまずないといってよいでしょう。
悪性新生物 | 上皮内新生物 | |
---|---|---|
浸潤・転移 | ある | ない(放置すれば悪性新生物へと進行する可能性あり) |
治療面 | 転移している可能性を含めて取りきる必要がある。取りきれなかった場合、再発の可能性がある。 | 転移の可能性はなく、病変部を切除すれば再発の可能性はない。良性新生物に準じた手術。 |
がん保険は上皮内新生物の扱いに注意
がん保険を検討する場合、上皮内新生物に対する保障がどのようになっているのかをよく確認する必要があります。なぜなら、上皮内新生物については保障がなかったり、保障額が小さかったりすることがあるからです。確認しておかないと、上皮内新生物の治療でがん保険の保険金の請求をしようとしたら対象外だったり思っていたよりも保険金がもらえなかったりします。
ただし、上皮内新生物に対する保障が少ない保険は悪い保険かというと決してそういうわけではありません。上皮内新生物の段階では命の危険性はほぼありませんし、大掛かりな手術も必要がないことが多く、治療費もあまり高額にはなりません。悪性新生物になるのとは背負うリスクが異なるので、必ずしも悪性新生物と同じレベルの保障は必要ないでしょう。
特に女性はよく確認
特に女性の場合は上皮内新生物に対する保障内容をよく確認した方が良いでしょう。部位別のがんの進展度分布をみると、子宮は44.0%、子宮頚部は65.1%と高い割合で上皮内新生物の間で見つかっています(国立がん研究センター「全国がん罹患モニタリング集計 2015年罹患数・率報告(平成31年4月)」)。また、乳房に腫瘍ができた場合、上皮内新生物であっても治療後に乳房再建術を受ける必要があることもあります。そのため、女性についてはがん保険を検討する際に上皮内新生物に対する保障についてもよく確認しておく方が良いでしょう。
まとめ
上皮内新生物とは腫瘍が皮膚や粘膜の最表層部分である上皮内にとどまっているもので、この段階では浸潤や転移を起こさず、切除すればほぼ再発の恐れもありません。多くの方がイメージする「がん」(=悪性新生物)の卵のようなイメージです。上皮内新生物による家計へのリスクは悪性新生物よりも小さく、がん保険では上皮内新生物に対する保障が小さくなっている場合があります。上皮内新生物であってもしっかりとした保障が欲しいと感じるのであれば、がん保険を検討する際は保障内容をよく確認するようにしましょう。
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著者情報
堀田 健太
東京大学経済学部金融学科を卒業後、2015年にSBIホールディングス株式会社に入社、インズウェブ事業部に配属。以後、一貫して保険に関する業務にかかわる。年間で100本近くの保険に関するコンテンツを制作中。