がん保険のコラム

がん保険の免責期間とは?どうして免責期間があるの?

投稿日:2020年1月10日 更新日:

がん保険には一般的に免責期間(待機期間)と呼ばれる保障の対象外となる期間が存在します。どうしてこのような期間が存在しているのでしょうか。また、何か注意点はあるのでしょうか。がん保険の免責期間について解説します。

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がん保険の免責期間とは

ほとんどのがん保険には契約後90日間(あるいは3カ月間)の免責期間が存在します。この期間内にがんと診断されても保障を受けることができません。免責期間は保険会社によって「待機期間」や「待ち期間」、「不担保期間」、「不てん補期間」などと呼ばれていることもあります。

生命保険等で保険会社が給付金の支払いなどの契約上の責任を開始する時期を責任開始日といいますが、一般的な生命保険では「申込み」、「告知・診査」、「初回保険料の払込」の3つがそろったときが責任開始日となります。しかし、ほとんどのがん保険ではそこからさらに90日経過した翌日が責任開始日となっているのです。

なお、診断給付金がない一部のがん保険においては90日間の免責期間の定めがないものもあります。

どうして免責期間がある?

がん保険に免責期間が設けられている理由はモラルリスクを排除するためです。がん保険の診断給付金はがんという診断が確定した場合に給付されます。そのため、免責期間がないとがんの自覚症状やがんか否かは別として体の不調を感じながらも医者にかかる前にがん保険の申し込みをし、責任開始日以後に診断確定を受けて診断一時金を受け取るということが可能になります。

また逆に、がんは罹患していても初期の内は自覚症状がない、あるいはがんが進行していて医者にかかっても本人には告知されないというケースがあります。こうした場合、がんに罹患しながらも申込時の健康状態に関する告知を告知義務違反なしに通過してしまう可能性があります。

90日間の免責期間を設けることでこうしたリスクを排除しやすくなり、健康な状態でがん保険に加入する人との公平性を保つことができるのです。

免責期間に関する注意点

がん保険には免責期間があることゆえの注意点があります。以下のようなことには注意してください。

免責期間中にがんになったら契約は無効

がん保険の免責期間中にがんと診断確定した場合、給付金が支払われないだけでなく保険の契約自体が無効となります。この場合、原則としてそれまでに支払った保険料は返金されることになります。ただし、がん保険の加入前にがんの診断が確定していて、その事実を契約者や被保険者が知っていた場合には保険料の返金はされません。

免責期間中も保険料の支払いは必要

免責期間中は保障を受けられないからといって保険料を支払わなくてもよいというわけではありません。保険料を支払わないでいると契約が失効することもあります。この期間の保険料も含めて契約者への給付金の原資となっているので無駄な保険料というわけではありません。きちんと保険料を支払うようにしましょう。

入り直す場合は空白期間に注意が必要

今までに加入していたがん保険を解約し、別のがん保険に入り直すというような場合は保障の空白期間に注意が必要です。新しいがん保険に加入後すぐに元のがん保険を解約してしまうと、新しいがん保険の免責期間内は保障がない状態となってしまいます。

保障の空白期間を作らないためには、保険料が一時的に二重にかかることになりますが、新しく契約するがん保険の免責期間が終了した後に元のがん保険を解約するとよいでしょう。

他に給付金を受け取れない場合

免責期間以外にも給付金を受け取れない場合があります。例えば以下のような場合では給付金を受け取ることができません。

  • 告知した病歴が事実と異なるなどの告知義務違反があった
  • 契約前にがんを発症していた
  • 診断給付金を受け取った後、一定の期間が経たないうちに新たにがんの診断を受けた
  • がんの治療を直接の目的としない入院をした(入院給付金)
  • 上皮内新生物の診断を受けたが、上皮内新生物は保障の対象外だった

どのような場合に給付金を受け取ることができないかは保険会社によって異なる部分があります。必ずパンフレットや約款などで「給付金が支払われない場合」といった項目を確認するようにしましょう。

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まとめ

がん保険には一般的に90日間の免責期間があります。この期間内にがんと診断された場合は契約自体が無効となります。免責期間があることで、がんを疑いながらも医者にかからずにがん保険に申し込んだり、自覚症状がないためにがんに罹患していることを気づかずにがん保険に申し込んだりして、健康な状態で申し込んだ人との公平性が崩れるのを防ぐことができます。また、免責期間以外にも給付金を受け取れない条件が設定されています。どのような場合には給付金を受け取れないのかパンフレットや約款などでしっかりと確認しておきましょう。


堀田健太

著者情報

堀田 健太
東京大学経済学部金融学科を卒業後、2015年にSBIホールディングス株式会社に入社、インズウェブ事業部に配属。以後、一貫して保険に関する業務にかかわる。年間で100本近くの保険に関するコンテンツを制作中。

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