
終身保険には満期がなく、解約しない限り死亡保障が一生涯続きます。ただし、保険料の払込満了を満期と勘違いしたり、満期保険金と解約返戻金を混同したりするケースも少なくありません。終身保険の満期についてよくある勘違いのケースや解約返戻金の仕組みや解約時の注意点を解説します。
記事の要約
- 終身保険に満期はなく、解約しない限り死亡保障が一生涯続く。
- 「満期」と勘違いされる場合、保険料の払込満了・養老保険の満期・定期保険部分の終了との混同しているケースが多い。
- 解約すると解約返戻金を受け取れるが死亡保障はなくなる。また早期に解約した場合は元本割れしやすい点に注意が必要。
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終身保険に満期はない!保障は一生涯続く
結論から言うと、終身保険に満期はありません。
満期とは「保険期間が終了する日」のことですが、終身保険は解約しない限り保障が一生涯続く保険です。そのため、保険期間が終わる日そのものが存在しないのです。
終身保険では、被保険者が亡くなったときや高度障害状態になったときに保険金を受け取れます。葬儀費用や相続への備えなど、「亡くなったときに必ず必要になるお金」を準備する目的でよく使われます。
また、終身保険には満期保険金はありませんが、お金が戻ってこないわけではありません。解約すると解約返戻金を受け取れるため、老後資金や教育資金など将来のための貯蓄目的で加入することもできます。
解約返戻金と満期保険金の違い
「解約返戻金」とは、保険を途中で解約したときに戻ってくるお金のことです。終身保険には満期がありませんが、自分で解約を決めたタイミングで解約返戻金を受け取ることができます。
一方で、「満期保険金」は保険が満期を迎えたときに支払われるお金になります。学資保険や養老保険、個人年金保険などの満期がある保険で満期保険金を受け取れます。
解約返戻金の金額は、契約内容や経過年数によって変わります。そのため、貯蓄目的で終身保険を検討する場合は、「いつ解約すると、いくら戻るのか」を把握しておくことが大切です。
解約返戻金はいくら戻る?
解約返戻金がどのくらい戻るかを見るときは「返戻率」をチェックしましょう。返戻率とは、払い込んだ保険料の総額に対して、解約返戻金がどのくらいの割合になるかを示す数字です。
返戻率(%)= 解約返戻金 ÷ 払込保険料の総額 × 100
たとえば、払い込んだ保険料の総額が300万円で返戻率が120%の場合、解約返戻金は360万円です。100%を超えると支払った保険料よりも多くのお金を受け取れることになります。なお、100%を下回っている状態を「元本割れ」といいます。
同じ終身保険でも、契約年齢や払込期間によって返戻率は大きく異なります。無料で複数の保険会社の資料請求ができる一括資料請求サイトなどを利用して、終身保険を比べながら検討していきましょう。
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解約返戻金を受け取るときの注意点

解約返戻金を受け取る際に注意しておきたい点を紹介します。
元本割れすることもある
加入してすぐに解約すると、払い込んだ保険料より解約返戻金が少なくなる場合がほとんどです。貯蓄目的で加入するなら長期間続けることを前提に考えましょう。
解約すると死亡保障がなくなる
解約返戻金を受け取ると契約は終了し、死亡保障もなくなります。年齢が上がってから保険に入り直そうとしても、健康状態によっては加入できなかったり、保険料が高くなったりします。
税金がかかる場合がある
終身保険の解約返戻金が払い込んだ保険料の総額を上回ると、その差額は所得税の「一時所得」として課税対象になる場合があります。一時所得には50万円の特別控除があり、控除後の金額の2分の1が課税対象となります。
解約返戻金にかかる税金は契約者(保険料を支払っている人)と保険金の受取人の関係や受け取り方によっても変わってきますので注意しましょう。
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「満期」と間違えやすいケース
「終身保険の満期が来た」という言葉の背景には、次のような勘違いがよくあります。
保険料の払込期間が終わった
保険料を支払う期間(払込期間)と、保障が続く期間(保険期間)は別のものです。終身保険では、60歳や65歳など決まった年齢まで、あるいは10年や15年といった決まった年数だけ保険料を払うこともできます。この払込期間が終わることを「満了」といいますが、誤って「満期」という言葉を使ってしまっているケースが考えられます。払込満了後も保険契約が終了するわけではなく、保障は一生涯続きます。
そもそも養老保険に加入している
養老保険は、保険期間内に亡くなった場合は死亡保険金、満期まで生存した場合は死亡保険金と同額の満期保険金を受け取れる保険です。満期があるため、終身保険と混同して「満期が来た」という言葉を使ってしまったケースも考えられるでしょう。
定期付終身保険の定期保険部分が終了した
定期付終身保険は、終身保険に定期保険を上乗せした商品です。上乗せ部分の定期保険は10年や15年などで更新があり、65歳などで終了します。そのため「保険料が上がった」「保障額が小さくなった」と感じたときに「満期が来た」と思われがちですが、満期を迎えたのは定期保険の部分で、ベースの終身保険は続きます。
満期のある保険ってどんな保険?

「満期にお金を受け取りたい」という場合は、満期のある保険も選択肢になります。代表的なものを紹介します。商品の内容は保険会社によって異なるため、比較してから選ぶことで自分に合った保険を見つけやすくなります。
養老保険
一定の保険期間内に亡くなった場合は死亡保険金、満期まで生存した場合は死亡保険金と同額の満期保険金を受け取れます。死亡保障と貯蓄の両方を備えていますが、そのぶん保険料は高くなります。
学資保険
子どもの教育資金を準備するための保険です。子どもが高校卒業や大学入学を迎える時期などに満期を設定し、満期保険金や祝金を受け取れます。多くの学資保険では、契約者(親)が亡くなった場合は以後の保険料の支払いが免除されます。
個人年金保険
老後資金を準備するための保険です。あらかじめ決めた年齢から、年金として毎年(毎月)お金を受け取ります。保険期間は、年金の受取開始までの払込期間を指すのが一般的です。
外貨建て保険
米ドルや豪ドルなどの外貨で保険料を払い込み、満期時に外貨で受け取る保険です。円建てより予定利率が高い傾向がありますが、為替変動によって、円換算した受取額が払込額を下回るリスクがあります。
よくある質問

- 終身保険の満期はいつですか?
終身保険に満期はありません。保障は解約しない限り一生涯続きます。
「満期」と呼ばれているものは、保険料の払込満了や養老保険の満期、定期付終身保険の定期部分の終了である可能性があります。
- 払込期間が終わったら、保険はどうなりますか?
終身保険の保険料を支払い終えても保障は一生涯続きます。
そのまま続けるほかに、解約して解約返戻金を受け取ることもできます。払込満了後は返戻率が高くなる傾向があるため、貯蓄目的ならこの時期から解約を検討するとよいでしょう。
- 解約返戻金は、払い込んだ金額より必ず多くなりますか?
必ずしも多くなるとは限りません。
加入から日が浅い時期に解約した場合や契約内容によっては、払い込んだ保険料の総額を下回る元本割れとなります。解約前にあらかじめ解約返戻金の推移を確認しておくことをおすすめします。
まとめ
終身保険に満期はなく、解約しない限り保障は一生涯続きます。「満期が来た」と感じた場合は、保険料の払込満了、養老保険への加入、定期付終身保険の定期部分の終了などを勘違いしている可能性があります。
終身保険に満期保険金はありませんが、途中で解約することで解約返戻金を受け取れます。ただし、加入から日が浅いうちは元本割れしやすく、解約すると死亡保障もなくなります。貯蓄目的で加入する場合は、返戻率や受け取りたい時期を確認したうえで、無理のない払込期間を設定しましょう。

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著者情報
堀田 健太
東京大学経済学部金融学科を卒業後、2015年にSBIホールディングス株式会社に入社、インズウェブ事業部に配属。以後、一貫して保険に関する業務にかかわる。年間で100本近くの保険に関するコンテンツを制作中。
