終身保険のコラム

終身保険の払込期間とは?どのように設定するのがいい?

投稿日:2019年9月18日 更新日:

初めて保険に入るという場合、保険料払込期間や保険期間を混同してしまい、パンフレットなどを読んだりしているときに何が何だか分からなくなってしまうことがあります。払込期間と保険期間の違いの整理と払込期間はどのようにすればよいのかについて説明します。

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保険料払込期間と保険期間

同じ「期間」なので保険料払込期間と保険期間を混同してしまう人がいますが、この2つは別物です。漢字の通りではあるのですが、保険料払込期間は契約者が保険料を支払う義務がある期間のことです。終身保険の場合、10年や15年などの決まった期間、あるいは60歳までや65歳までのように一定の年齢までの期間、死亡するまでの期間などの選択肢があります。

一方で、保険期間とは保険契約が続く期間で、その保険の保障を受けられる期間です。保障期間と呼ばれることもあります。終身保険の場合は保険期間は一生涯で、解約しなければ死亡あるいは高度障害を負ったときに保険金が支払われます。つまりは終身保険に満期はありません。

保険料払込期間と保険期間を混同してしまう理由としては、保障を受けられるのは保険料を支払っている期間だという意識があるからでしょう。確かにそのような保険も多いのですが、終身保険や終身型の医療保険・がん保険などのように、払込期間の選択によっては払込期間と保険期間にずれが出ることがあります。例えば保険料払込期間が60歳満了の終身保険の場合、60歳まで保険料を支払い続ければ、以後は解約しない限り保険料を支払わなくても死亡保障を受けられます。

保険料払込期間はどのように決めればいい?

終身保険の保険料の払込期間には、契約から10年間や15年間などの一定期間払い込むタイプ、あるいは60歳までや65歳までなどのように一定の年齢まで払い込むタイプの短期払いと一生涯保険料を払い続ける終身払いとがあります。短期払いと終身払いのメリット・デメリットについて表にまとめると以下の通りです。

短期払い 終身払い
メリット
  • 払込期間終了後は保険料の支払が不要になる。
  • 貯蓄目的なら解約返戻金の返戻率が高くなる。
  • 月々の保険料が短期払いと比べて安い。
デメリット
  • 月々の保険料が高め。
  • 早期解約した場合の損失が大きい。
  • 長生きすると短期払いよりも保険料払込総額が高くなる。
  • 定年退職後も保険料を支払い続ける必要がある。

短期払いにも終身払いにもそれぞれメリットとデメリットがあります。終身保険に加入する目的や家計の状況に応じて選択する必要があります。

貯蓄を重視する場合

貯蓄を目的として終身保険に加入する場合は短期払いの中から払込期間を選択するのがよいでしょう。一般に保険料払込期間が短い方が保険会社が運用できる金額が早期に積みあがるので、解約返戻金の返戻率も高くなる傾向にあります。ただし、払込期間が短くなるほど毎月の保険料も高くなるので、保険料の支払が苦しくなって短期間で解約してしまわないように注意が必要です。

短期払いの中でどのような期間を選べばよいかは、貯蓄が必要となる時期を基準として選べばよいでしょう。教育資金を目的として契約する場合は10年や15年など多くの費用がかかる大学の入学年に間に合うように設定する、老後資金が目的であれば老後資金が必要な時期に十分な解約返戻金が得られるように60歳払込満了や65歳払込満了などで設定する、といった具合です。ただし、保険料が払えずに早期解約してしまったら意味がないので、資金が必要となる時期の返戻率と毎月の保険料のバランスを考えて払込期間を決めるとよいでしょう。

死亡保障目的の場合

終身保険を解約せずに一生涯の死亡保障を得るために契約するという場合は契約時の年齢や家計の状況によって判断が分かれる場合があります。長生きした場合の保険料払込総額や定年退職後の保険料の支払を考えると短期払いの方が有利となることが多いです。しかし、終身払いの方が毎月の保険料負担は軽いので途中解約してしまうリスクも小さくなります。

平均寿命が延びていることと毎月の保険料の支払を考えると、定年退職をする年齢に合わせて60歳満了や65歳満了などの短期払いで契約するのがよさそうです。しかし、その保険料払込期間の設定での保険料は支払い続ける自信がないという場合は毎月の保険料がより安い終身払いも検討するのがよいでしょう。

まとめ

保険料払込期間とは契約者が保険料の支払の義務がある期間です。保障を受けられる期間である保険期間と混同しないように注意しましょう。

終身保険の保険料払込期間には10年などの一定期間や60歳までの一定年齢までの期間の間保険料を支払う短期払いと一生涯保険料を支払う終身払いがあります。保険料払込期間が短くなるほど毎月の保険料が高くなりますが、解約返戻金の返戻率も高くなる傾向があります。また、長生きした場合の保険料払込総額は短期払いの方が終身払いよりも安くなることがあります。

終身保険を貯蓄目的で契約する場合は短期払いで資金が必要となるタイミングで十分な解約返戻金が得られるような期間で設定し、死亡保障目的で契約する場合は短期払いを基本としつつ毎月の保険料負担を軽くしたいのであれば終身払いも検討するのがよいでしょう。


堀田健太

著者情報

堀田 健太
東京大学経済学部金融学科を卒業後、2015年にSBIホールディングス株式会社に入社、インズウェブ事業部に配属。以後、一貫して保険に関する業務にかかわる。年間で100本近くの保険に関するコンテンツを制作中。

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