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個人年金保険のコラム

個人年金保険でいくら節税できる?節税効果やシミュレーションを解説

投稿日:2021年4月2日 更新日:

個人年金保険に加入すると個人年金保険料控除を受けられ、節税につながるメリットがあります。所得や保険料によってどのくらい節税できるのかは変わりますので、実際にシミュレーションをしながら確認してみましょう。また、個人年金保険料控除を受けるには条件があるため、注意点等も解説します。

記事の要約
  • 個人年金保険では、条件を満たせば「個人年金保険料控除」を受けられ所得税や住民税を節税できる。
  • 節税額は所得や保険料によって変わり、長く続けるほど累計の節税効果が大きくなる。
  • iDeCoの方が節税額は大きいものの、60歳まで引き出せないなどの制約もある。節税額だけでなく、使いやすさやリスクも含めて比較して選ぶことが大切。

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個人年金保険料控除とは?

個人年金保険料控除とは、一定の条件を満たした個人年金保険の保険料を支払うと、1年間に支払った保険料総額に応じて所得控除を受けられ、所得税・住民税が安くなる制度です。
生命保険料控除には3種類あり、一般生命保険料控除、介護医療保険料控除、そして個人年金保険料控除があります。終身保険や医療保険とは別の枠となっているため、既に他の保険に加入している場合でも控除を受けやすいというメリットがあります。

種類 対象の保険
一般生命保険料控除 終身保険、定期保険、学資保険等
介護医療保険料控除 医療保険、がん保険、介護保険等
個人年金保険料控除 個人年金保険

個人年金保険料控除の活用率は低い

保険料控除には年末調整や確定申告で毎年申請が必要となりますが、どのくらいの人が利用しているのでしょうか。国税庁の「令和6年分 民間給与実態統計調査」によると、個人年金保険料控除の利用率は14.7%となっており、一般生命保険料控除の63.1%や介護医療保険料控除の53.5%と比べると利用率が非常に低いことが分かります。
そもそも個人年金保険の加入率が低く、控除の対象になるには一定の条件を満たす必要があることからも利用率は低いことが考えられます。個人年金保険に加入していて保険料控除を受けていない場合は節税に繋げるチャンスといえるでしょう。

個人年金保険料控除でいくら節税できる?

個人年金保険料控除でいくら節税できるかは、その人の所得や保険料支払額によって変わってきます。
例えば所得税・住民税の税率が10%で年間の保険料が8万円以上の場合、1年間で6800円の税負担が軽減されます。意外と少ないと思われるかもしれませんが、個人年金保険は長い期間保険料を積み立てていくケースが多いため、毎年保険料控除を受けることができます。20年加入していれば13万6000円、30年加入していれば24万4800円も税金が安くなるので、加入期間が長いほど節税効果も高くなるのです。

個人年金保険料控除を受けるには?

個人年金保険料控除を受けるためには、個人年金保険に「個人年金保険料税制適格特約」をつける必要があります。この特約は無料でつけられますが、以下のような条件を満たす必要があります。

  • 年金受取人が契約者またはその配偶者であること
  • 年金受取人が被保険者と同一人であること
  • 保険料の払込期間が10年以上であること
  • 年金の種類が確定年金や有期年金の場合、年金受取開始が60歳以降であり、かつ年金の受取期間が10年以上であること

例えば、親が保険料を支払って子どもが個人年金を受け取る場合や、保険料を一括で支払う場合などは税制適格特約をつけられないため注意しましょう。特約がないと個人年金保険料控除は対象になりませんが、一般生命保険料控除の枠が使えます。ただし、枠の上限が年間保険料8万円までとなっているため、終身保険や学資保険などにも加入していると上限額まで枠を使い切ってしまい控除を受けられない可能性があります。
節税目的で個人年金保険に加入する前には、税制適格特約をつけられるように契約内容を事前に確認しておくことが大切です。

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個人年金保険料控除の計算方法

個人年金保険料控除は所得税と住民税で控除を受けられる金額が異なります。それぞれの控除額に税率をかけた金額が実際の軽減額となりますので、節税額の計算方法を解説します。

控除額を計算する

まずは個人年金保険料の控除額が必要になります。1年間に支払った保険料によって所得税と住民税の控除額が変わってきますので、以下の通り計算します。

所得税 住民税
年間払込保険料額 控除金額 年間払込保険料額 控除金額
2万円以下 全額 1万2千円以下 全額
2万円超~4万円以下 (払込保険料×1/2)+1万円 1万2千円超~3万2千円以下 (払込保険料×1/2)+6千円
4万円超~8万円以下 (払込保険料×1/4)+2万円 3万2千円超~5万6千円以下 (払込保険料×1/4)+1万4千円
8万円超 一律4万円 5万6千円超 一律2万8千円

※2012年1月1日以降の契約分

例えば、月5,000円(年間6万円)の個人年金に加入している場合の所得税と住民税の控除額は以下の通りとなります。
所得税の控除額:60,000円×1/4+20,000円=35,000円
住民税の控除額:28,000円

軽減額を計算する

上記の控除額がそのまま節税できる金額というわけではありません。個人年金保険料控除は所得税額や住民税額を計算するための所得を減らすものなので、実際に安くなる金額は控除額に税率をかけた金額となります。
住民税の税率は地域によって微妙に差異があるものの全国的にほぼ10%ですが、所得税の税率は課税所得によって異なります。

課税所得とは


年収から基礎控除や給与所得控除、社会保険料控除などを差し引いた後の金額です。年収そのままの金額ではないため注意しましょう。

なお、所得税額の速算表は以下の通りです。
40歳未満・配偶者なし・ボーナスによる収入がない場合の目安としては、年収が約450万円以下で税率5%、年収が約660万円以下で税率10%、年収が約1075万円以下で税率20%、年収が約1295万円以下で税率23%となります。

課税所得金額 税率 控除額
195万円以下 5% 0円
195万円超 330万円以下 10% 97,500円
330万円超 695万円以下 20% 427,500円
695万円超 900万円以下 23% 636,000円
900万円超 1800万円以下 33% 1,536,000円
1800万円超 4000万円以下 40% 2,796,000円
4000万円超 45% 4,796,000円

※平成27年分以降の税率
参考:国税庁

個人年金保険料控除のシミュレーション

ここで、以下のような条件で個人年金保険に加入している場合、個人年金保険料控除でどのくらいの節税額になるかを計算してみましょう。

  • 独身の会社員
  • 年収500万円(所得税率10%)
  • 住民税率10%
  • 個人年金保険の保険料月10,000円(年間12万円)
1.年間保険料から所得税と住民税の控除額を求める

年間の保険料が8万円以上のため、所得税と住民税の控除額は以下の通りとなります。
所得税の控除額:40,000円
住民税の控除額:28,000円

2.それぞれの控除額に税率をかける

給与以外に所得がない場合、所得税率と住民税率は10%となります。
所得税の軽減額:40,000円×10%=4,000円
住民税の軽減額:28,000円×10%=2,800円
所得税と住民税を合計すると年間6,800円節税できることになります。

個人年金保険料控除の節税額早見表

個人年金保険料控除によって、所得税・住民税がどれだけ安くなるか計算したものが以下の表となります。なお、年間の払込保険料が8万円以上の場合で、住民税の税率は一律で10%としています。

課税所得 所得税軽減額 住民税軽減額 合計軽減額
195万円以下 2,000円 2,800円 4,800円
195万円超 330万円以下 4,000円 2,800円 6,800円
330万円超 695万円以下 8,000円 2,800円 10,800円
695万円超 900万円以下 9,200円 2,800円 12,000円
900万円超 1800万円以下 13,200円 2,800円 16,000円
1800万円超 4000万円以下 16,000円 2,800円 18,800円
4000万円超 18,000円 2,800円 20,800円

※復興特別所得税は計算に含めていません。復興特別所得税の税額は、所得税額の2.1%です。

あまり大きな金額ではないと感じる方もいるかもしれませんが、10年、20年と保険料を払い続けていくと意外と大きな金額になります。また、年齢が上がって給与も高くなると所得税率も高くなるため、より節税効果が得られる可能性があります。

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よくある質問

個人年金保険は節税にならないって本当?

すべての個人年金保険が個人年金保険料控除の対象になる訳ではなく、「税制適格特約」を付けた場合に適用することができます。個人年金保険料控除の対象にならない例としては一時払の個人年金や変額タイプの個人年金がありますが、一般生命保険料控除の枠を利用できます。ただし他の保険で枠の上限まで使い切った場合は控除できず節税には繋がらないため注意しましょう。

個人年金保険料控除を受ける手続きは?

個人年金保険料控除を受けるためには、毎年の年末調整や確定申告で申請が必要です。申請には保険会社が発行する「生命保険料控除証明書」が必要になるため、保険会社から郵送されてきたら申請まで大切に保管しておきましょう。
年末調整の場合は保険料控除申告書を記入し、生命保険料控除証明書と合わせて勤務先に提出します。

途中で契約内容を変更できる?

個人年金保険料控除のために税制適格特約をつけると、控除の条件から外れるような契約条件の変更ができなくなります
個人年金の受取人を子供に変更したい、10年経っていない時点で保険料の残りを一時払で支払いたいというようなものは、個人年金保険料控除の対象外となるため契約内容の変更はできません。また一時払に変えることができないので、加入して10年未満のうちは払済保険への変更も行えないため注意しましょう。

iDeCoと個人年金保険、どちらの方が節税できる?

老後資金を貯める方法としてiDeCo(個人型確定拠出年金)がありますが、個人年金保険料控除よりもiDeCoによる所得控除の額の方が大きいです。
iDeCoでは掛金が全額所得控除となるため、企業年金がある会社員では掛金の上限(月2万円)を拠出すると年間24万円の所得控除が受けられます。所得税率が10%の場合は1年間で2万4,000円の税負担が軽減されるため、個人年金保険料控除よりも節税効果が高くなります。
ただし、iDeCoは原則として60歳までは引き出せず、投資信託などで運用する場合は元本割れするリスクもあります。節税額のみで選ぶのではなく、iDeCoのデメリットも確認したうえで選ぶようにしましょう。

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まとめ

個人年金保険のメリットの一つとして個人年金保険料控除で所得税・住民税を安くできることがあります。年間の保険料が8万円超の場合で所得税率・住民税率が10%の場合だと所得税と住民税を合わせて6,800円の節税となります。1年だけだと大したことがない金額だと思うかもしれませんが、解約しない限り少なくとも10年は支払うものなので、合計するとちょっとした金額にはなります。個人年金保険料控除を受けるためには税制適格特約が必要なので、条件や制約を含めて確認しておきましょう。


堀田健太

著者情報

堀田 健太
東京大学経済学部金融学科を卒業後、2015年にSBIホールディングス株式会社に入社、インズウェブ事業部に配属。以後、一貫して保険に関する業務にかかわる。年間で100本近くの保険に関するコンテンツを制作中。

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