個人年金保険のコラム

個人年金にデメリットは何かある?

投稿日:2020年5月22日 更新日:

老後資金への不安から個人年金保険への加入を考えている方もいるでしょう。しかし、個人年金保険は老後のために長い間お金を積み立てていくことになるので、何かデメリットがあるのであれば知っておきたいものです。個人年金保険にはどのようなデメリットがあるのでしょうか?

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個人年金保険はどういう保険?

個人年金保険とは老後の生活資金準備のための生命保険です。契約時に定めた保険料を支払っていき、一定の年齢になったら年金が受け取れる貯蓄型の保険です。何年間かけて積み立てるのか、5年や10年など年金を何年にわたって受け取るのかなど個人の事情に合わせて選ぶ事ができるのが一般的です。

個人年金保険のイメージ図

定年退職してから公的年金を受け取るまでのつなぎとして利用したり、公的年金では足りない分を補ったりする目的で活用されることが多いです。近年は低金利の影響から米ドルなどの外貨建ての個人年金保険にも注目が集まっています。

個人年金保険のデメリット

個人年金保険にはどのようなデメリットがあるのか紹介します。

利率が固定される

多くの個人年金保険では契約したときに利率が固定されてしまいます。高金利の状況下で固定されるのであればメリットとなるのですが、今現在は超低金利の状況です。この状況で固定されてしまうと、物価の上昇などで必要な金額が増えた場合に十分なお金を用意できないことになります。大きなインフレが起こらなかったとしても、財政赤字解消のために社会保障制度が削られて必要な老後資金が増える可能性もあります。そうした場合は追加で老後資金を準備していく必要が生じます。

あまり大きなリターンは期待できない

個人年金保険では株式投資などと比べて大きなリターンは望めません。その分リスクも小さいのですが、資金を大きく育てていくということはしにくいです。さらには、上で紹介した超低金利状況下で利率が固定されてしまうということも合わさるので、あまり大きなリターンは期待できないです。今の金利が続くのであれば銀行に預金するよりはマシという程度で考えておくのが良いでしょう。

途中解約すると元本割れする

個人年金保険は途中で解約すると支払った保険料の総額よりも戻ってくる解約返戻金の方が少なくなる可能性が高いです。個人年金保険は長期間保険料を支払っていくことになるので、その間に病気や事故などで保険料の支払いがきつくなってしまうことも考えられます。そうした場合は損を覚悟に解約してしまうか、年金額が減ることを承知して払済保険に変更して保険料の払込を中止するなどしなければならないかもしれません。また、より利率が良い商品が出てきたときに乗り換えづらくなるというのもデメリットとなるでしょう。

変額型や外貨建ては元本割れすることも

将来受け取る年金額が運用結果によって増減する変額個人年金や、保険料の支払や保険金・解約返戻金などの受取を外貨で行う外貨建て個人年金保険では途中解約しなくても運用結果や為替相場の状況によって元本割れすることもありえます。通常の個人年金保険よりも大きく増えることもありますが、どのようなリスクがあるのかはしっかりと把握しておく必要がある商品です。

保険会社が破綻しても全額保護されるわけではない

保険会社が破綻するというのも可能性としてはゼロではありません。仮にそうなってしまった場合、受け取れる年金額が削減されてしまう可能性があります。生命保険契約者保護機構による保護はありますが、保護されるのは責任準備金(保険会社が保険金の給付や解約返戻金の支払いに備えて積み立てておく必要があるお金)の90%までです。最終的にどれだけ保護されるかは倒産してしまった保険会社の状況によりますが、最悪の場合は責任準備金が10%失われます。また、契約を引き継いだ保険会社は予定利率を引き下げることを許されています。

メリットも確認!

個人年金保険に加入するメリットも確認しておきましょう。

貯金が苦手でも貯めていきやすい

口座にお金があるとついつい使ってしまってなかなか貯金していくことができないという人でも個人年金保険では老後に向けてお金を貯めていきやすいです。個人年金保険では毎月保険料という形で口座からお金が引き落とされていき、銀行口座とは別の場所に積み立てられていくので、老後のために残しておくべきお金を使ってしまうということを防いでくれます。自分ではお金を貯めていけないという人にはメリットが大きいでしょう。

個人年金保険料控除で所得税・住民税が安くなる

一定の条件の満たす個人年金保険の保険料を支払った年は、支払った額に応じて生命保険料控除の中の個人年金保険料控除を受けることができます。これにより、所得税や住民税が少し安くなります。例えば、年間の払込保険料が8万円以上で所得税率と住民税率がともに10%である場合、所得税と住民銭が合わせて6,800円安くなります。単年でみると大したことない金額ですが、保険料を支払い続ければこれが毎年続きます。個人年金保険は単独で控除の枠があるので、他の保険で控除の枠が埋まってしまっているということが少ないのが特徴です。

節税
個人年金保険料控除の仕組み
個人年金保険料控除は生命保険料控除の1つで、年間の保険料に応じて所得税と住民税の負担が軽減される制度です。年末調整か確定申告時に記載をする形になります。他の生命 ...

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まとめ

多くの個人年金保険では契約時に利率が固定されてしまうので、今のような超低金利の状況ではそれがデメリットとなります。また、途中解約すると元本割れしてしまうので注意する必要があります。しかし、貯金が苦手でも老後資金を貯めていきやすいという大きなメリットもあるので、デメリットとなる部分を理解したうえで資料請求などまずは一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。


堀田健太

著者情報

堀田 健太
東京大学経済学部金融学科を卒業後、2015年にSBIホールディングス株式会社に入社、インズウェブ事業部に配属。以後、一貫して保険に関する業務にかかわる。年間で100本近くの保険に関するコンテンツを制作中。

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