緩和型医療保険のコラム

脳梗塞の経験後でも加入できる医療保険はある?

投稿日:2021年3月26日 更新日:

一般に、持病がある方や重い病気を経験したことがある方は健康な方と比べて医療保険に加入するのが難しくなります。脳梗塞もご多分に漏れず加入が難しくなるのですが、新規に医療保険に加入するのはあきらめるしかないのでしょうか?

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引受基準緩和型なら可能性あり

一度、脳梗塞を経験すると一般の医療保険に加入するのは非常に難しくなります。ただし、保険会社によって基準は異なる部分はあるので、初めからあきらめるのではなく一般の医療保険への申し込みを試してみるのもありでしょう。完治後5年など一定の年数が経過していて、現在の健康状態に問題がないのであれば可能性はあります。

もし、一般の医療保険に加入できなくても引受基準緩和型医療保険であれば加入できる可能性はあります。引受基準緩和型医療保険とは、保険会社が契約を引き受ける基準を緩和している医療保険で、「持病があっても入りやすい」などと宣伝されている保険です。引受基準緩和型医療保険では健康状態に関する告知が一般の医療保険と比べて簡単な内容となっていて、具体的には、以下のような「はい」か「いいえ」で答えられるような質問となっています。これらにすべて「いいえ」の場合に申し込みが可能です。

  • 現在入院中ですか?
  • 過去3か月以内に入院や手術、検査をすすめられたことはありますか?
  • 過去2年以内に病気やケガで入院したことや手術をしたことはありますか?
  • 過去5年以内にがん(悪性新生物)で入院または手術をしたことはありますか?

※あくまでもイメージです。告知項目は保険会社によって異なります。

入院・手術をして時間が経っていないうちは引受基準緩和型でも加入は難しいですが、一定の年数が経過していれば加入できる可能性は十分にあります。保険会社によって基準が異なるので、複数の保険会社の商品を比べてみるのがよいでしょう。

引受基準緩和型医療保険のメリット・デメリット

メリット

持病・既往症があっても入りやすい

一般の医療保険は持病・既往症があるとなかなか加入することが難しいですが、引受基準緩和型医療保険であれば、一般の医療保険の加入を断られた人や部位不担保となった人でも加入しやすくなっています。持病・既往症があっても医療保険に入りたいという人におすすめです。

持病や既往症の悪化・再発も保障される

引受基準緩和型医療保険では持病が悪化した場合や過去にかかっていた病気が再発した場合でも保障の対象となることが多いです。保障の対象とならないのは、保険の責任開始日前に医師から入院・手術を勧められていた場合などです。

デメリット

保険料が割高

引受基準緩和型医療保険は一般の医療保険と比べて保険料が高くなっています。持病や既往症がある人は健康な人と比べて入院や手術をする可能性が高いです。つまりは保険金が支払われる可能性が高く、保険を破綻せずに成り立たせるためには一般の医療保険よりも保険料を高くする必要があるのです。一般の医療保険に加入できる方が高い保険料を払って引受基準緩和型に入る必要はないので、先に一般の医療保険の加入を検討するのがよいでしょう。

一定期間内は給付額が半額(50%)になる商品も多い

多くの引受基準緩和型医療保険では、加入後1年以内など一定期間内に支払事由に該当した場合の給付額が50%に削減されます。持病や既往症とは関係ない理由で病気やケガをした場合でも給付額は半額になります。健康状態に関する告知が少ないので、保険会社のリスクを減らすためにこのような制度をとっている保険商品が多くあります。なお、最近ではこの保障が削減される期間がない商品も出てきています。

特約のバリエーションが少ない

引受基準緩和型医療保険では選択できる特約の種類が同じ保険会社の一般の医療保険と比べて少なくなっていることが多いです。入院や手術以外にも様々なことに備えたいと思っていても該当する特約がなく、保障をあきらめざるを得なかったり別の保険を探さなければいけなかったりすることもあり得ます。また、特約が用意されていても一般の医療保険のものよりも保険料が高く設定されていることもあります。

脳梗塞経験者だとどうして医療保険に加入しづらくなる?

脳梗塞を経験した人はどうして医療保険に加入しづらくなるのでしょうか。それは、端的に言えば健康な人よりも入院や手術をする可能性が高いからです。入院や手術の可能性が高いということは保険金が支払われる可能性が高いということでもあり、他の加入者との間で不公平が生じるために加入が制限されるのです。

脳梗塞の場合は手足の麻痺などの後遺症の危険性があり、また、再発率も高いため加入に対して厳しい判断が行われることが多いです。福岡県の久山町に住む40歳以上の全住民を対象に行われている久山町研究では、脳梗塞の発症後1年で10%、5年で34.1%、10年で49.7%が再発するというデータが示されました。再発を防ぐために継続的に治療の必要があり、仮に再発したとしたら入院が必要となるため、加入が非常に難しくなるのです。

Hata J, et al.:Ten year recurrence after first ever stroke in a Japanese community: the Hisayama study. J Neurol Neurosurg Psychiatry. 2005; 76(3): 368-72.

持病を隠すのはNG!

脳梗塞を経験すると保険に加入することが難しくなるため、加入時に脳梗塞の既往歴を隠してしまおうという気持ちが起こるかもしれません。しかし、脳梗塞を発症したことを隠して申し込むのは告知義務違反であり、保険金請求時の調査で発覚すると保険金が支払われなかったり契約が解除されたりします。

また、2年間隠せばそれ以後は問題ないという人もいますが、たとえ2年経っていても告知義務違反の内容が重大な場合には「詐欺および不法取得目的による無効」といった項目で保険契約を取り消すことができます。ちなみに、2年という年数がどこから出てきたのかというと、約款等に告知義務違反で保険契約を解除できない場合として「保険契約が、責任開始の日からその日を含めて2年をこえて有効に継続したとき」というような記載があるためだと考えられます。このような記載があるのは、告知しなかったことと保険金請求の事由との間の因果関係が証明しにくくなるからです。

脳梗塞を隠して契約できたとしてもそれが発覚すれば、告知義務違反として契約を解除される可能性が高いです。必要な告知はしっかりと行うようにしましょう。

NG
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脳梗塞の前兆

脳梗塞は再発率も高いので、前兆や原因・予防策を知っておきましょう。

そもそも脳梗塞とは、脳を栄養している動脈がつまって脳組織が壊死した状態が脳梗塞です。

脳梗塞の症状として、運動障害・感覚障害・失語症・めまいなどがありますが、同じ症状が生じ脳梗塞の前兆として発症する「一過性脳虚血発作」があります。

一過性脳虚血発作とは

一過性脳虚血発作とは、脳梗塞と同じ症状が生じ1時間以内に症状が消失する病態です。原因は脳梗塞と同じですが、症状が一時的であることから脳梗塞とは区別されています。
一過性のため後遺症は残さないですが、脳梗塞に発展する可能性が高く、脳梗塞の前兆と言われています。

そもそも脳梗塞は脳卒中のうちの1つで、脳梗塞はさらに①ラクナ梗塞 ②アテローム梗塞 ③心原性脳塞栓症 ④その他の4つの病型に分けられています。一過性脳虚血発作の位置づけは以下のとおりです。

症状

一過性脳虚血発作の症状は脳梗塞とほぼ同じですが、すぐに血流が再開されるため短時間の内に症状は消滅します。

・運動障害:顔面の脱力、麻痺、巧緻運動障害、構音障害
・感覚麻痺:一側上下肢または顔面の感覚低下、しびれ感、異常感覚
・視野障害:一過性脳虚血発作の場合、単眼の一過性視力障害があります。典型的な症例では「急に片方の目がカーテンが上から降りるように見えなくなった」などがあります。
・言語障害
・めまい、ふらつき

その他比較的少ない症状として、複視、単麻痺、記憶障害、不随意運動などがあります。

原因

脳梗塞の原因は病型によって異なりますが、主に動脈硬化、心房細動、脱水、低血圧です。
一過性脳虚血発作の原因もほぼ同じなので、以下のとおり危険因子も同じであり、これら生活習慣病があると発症リスクが高まります。

・高血圧
・糖尿病
・脂質異常症
・喫煙
・不整脈
・過度の飲酒
・肥満
・運動不足

予防策

脳梗塞ならびに一過性脳虚血発作の予防策として、生活習慣病の予防を心がけることが大切です。

【日常生活】

1.睡眠は十分にとりましょう。
2.有酸素運動を心がけましょう。
3.血圧のコントロールに気を付けましょう。
4.急激な寒さは大敵です。
5.アルコール(清酒にして1合以内)やコーヒーは控え目に。煙草はやめましょう。
6.入浴はできるだけ毎日しましょう。ただし、熱い湯と長い湯は発症リスクを高めます。
7.排便は規則正しい習慣をつけましょう。
8.知的刺激を積極的に取り入れましょう。

【食事療法】

1.食事は腹八分目にし肥満に注意しましょう。
2.動物性脂肪を控え、植物性脂質を取り入れましょう。
3.蛋白質(豆腐類、魚、肉、卵)は不足しないようにしましょう。
4.菓子類、嗜好飲料、果物のとりすぎには気を付けましょう。
5.繊維の多い野菜を十分にとりましょう。
6.塩分を取りすぎないようにしましょう。

治療法

脳梗塞の治療の原則は、安静、輸液、全身管理、抗浮腫薬、脳保護薬、血栓溶解薬、血液凝固阻害薬、リハビリテーションなどです。

一過性脳虚血発作の治療は、まずは脳血管形成を抑制するため、抗血小板投薬投与が一般的です。
抗血小板薬を投与しても反復する場合は、脳塞栓症を予防するため、抗凝固薬が投与されます。主幹動脈に明らかな狭窄がある場合は外科的治療も行われることがあります。
内科治療は両方とも再発防止に効果的ですが、外科治療の方が脳梗塞予防効果に優れています。

検査

一過性脳虚血発作は脳梗塞の前兆である危険な状態です。検査で原因を明らかにして、重症化や進行を予防することが大切です。

1.CT検査:脳梗塞も一過性脳虚血発作もCT検査ではすぐに梗塞巣が描出されないことが多いそうです。
2.MRI検査:脳の状態を調べます。
3.超音波検査:ベッドサイドで行えるのが特徴です。血流測定だけでなく血流を流れる微小塞栓子を観察することで、発症機序の測定や再発の予測が可能です。
4.心電図:心疾患の検索をします。

まとめ

脳梗塞を発症した後では一般の医療保険に加入することは難しくなります。しかし、一般の医療保険に加入できなかった場合でも引受基準緩和型医療保険であれば加入できる可能性はあります。引受基準は保険会社によって異なるので、保障内容を比較する意味も込めて、複数の保険会社を比較してみるのがよいでしょう。


堀田健太

著者情報

堀田 健太
東京大学経済学部金融学科を卒業後、2015年にSBIホールディングス株式会社に入社、インズウェブ事業部に配属。以後、一貫して保険に関する業務にかかわる。年間で100本近くの保険に関するコンテンツを制作中。

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