健康じゃなくても入れる保険を探していると、既往症や既往歴という言葉を見かけるかもしれません。それぞれどういう意味で、持病とは何が違うのでしょうか? また、健康に不安がある場合、どこまで報告すべきでしょうか?
目次
どんな保険が必要か、いくらの保障が必要なのか分からない方へ
簡単な質問に答えるだけで、あなたに必要な備えと保障金額がすぐにわかります。
最短1分、無料でご利用可能ですので、ぜひお試しください!
\自分に必要な保障がわかる!/
既往症と持病の違いは?
既往症と持病の違いは?
既往症
過去にかかった病気のうち、すでに治癒した病気を指します。
持病
過去にかかった病気のうち、現在も治療中の病気を指します。特に治癒しづらく長期的・継続的な治療が必要な病気を指し、基礎疾患とも呼びます。
既往症、既往歴、病歴はほぼ同じ意味
これらの言葉は全てこれまでにかかった病気を指します。すでに治癒した病気が対象となるため、現在も治療中だったり、治癒していない場合は持病になります。
また、アレルギーや出産経験、交通事故での入院など日常的に病歴として扱わないようなものも生命保険の申込時には既往症に含まれる場合があるので認識の齟齬に注意しましょう。
現病歴とは?
現病歴は持病とほぼ同じ意味で使われ、既往歴=過去にかかっていた病気、現病歴=現在かかっている病気、と区別されます。
他にも、現在かかっている病気の症状の経緯(いつ発症したのか、どのような症状なのか)や、どのような治療を受けたのか等の情報を指して使われることもあります。
既往症や持病があっても保険に加入できる?
通常の保険の加入は断られる場合がある
通常の医療保険は基本的に健康な人が加入対象となっているため、持病がある人や既往症がある人の加入は断られる場合があることを念頭に置いておきましょう。
医療保険といっても保険会社によって加入条件は細かく異なります。また、症状によって一人ひとり状況が変わり持病や病歴の有無だけで必ずしも加入できる/できないと断言するのは難しいため、加入時に保険会社に相談してみると良いでしょう。
条件付きであれば加入できる場合もある
医療保険にそのまま加入できなくても、特定の条件や制限(特別条件)をつけることで加入できる場合もあります。
特別条件 | 内容 |
---|---|
特定部位不担保 | 保険会社が指定した特定の部位を一定期間保障の対象外とすること |
特定疾病不担保 | 保険会社が指定した特定の疾病を一定期間保障の対象外とすること |
特定障害不担保 | 保険会社が指定した特定の障害状態(視力障害、聴力障害など)になった場合でも高度障害保険金や保険料振込免除の対象外とすること |
保険料割増 | 保険会社が定めた基準に応じて通常の保険料に特別保険料を加算すること |
保険金・給付金削減 | 契約してから一定期間内に死亡や高度障害状態になった場合や入院した場合に、受け取れる保険金・給付金が削減されること |
保険会社は上記のような条件をつけることで、病歴や持病がある人(保険金を受取る可能性が高い人)と、健康で保険金を受け取る可能性が低い人のバランスを取っています。
引受基準緩和型の医療保険は比較的加入しやすい
もし既往症や持病を理由に通常の医療保険への加入を断られても、引受基準緩和型の医療保険なら加入できる可能性があります。
引受基準緩和型医療保険は、加入条件が通常の医療保険よりも緩やかになっており、例えば以下のような質問に対してすべて「いいえ」で答えることができれば加入できます。
- 現在入院中ですか?
- 過去3か月以内に入院や手術、検査をすすめられたことはありますか?
- 過去2年以内に病気やケガで入院したことや手術をしたことはありますか?
- 過去5年以内にがん(悪性新生物)で入院または手術をしたことはありますか?
※あくまでもイメージです。内容は保険会社によって異なります。
通常の医療保険は加入できなくてもできれば医療保険に加入しておきたいという方は、引受基準緩和型の医療保険を検討してみても良いかもしれません。
無選択保険は無条件で加入できるがデメリットも多い
無選択保険は健康状態に関係なく加入できる保険です。加入のハードルが非常に低い代わりに以下のようなデメリットもあります。
- 引受基準緩和型の保険よりも更に保険料が高い
- 保険金や給付金が通常の保険に比べて安い
- 加入できても保障範囲が狭い、免責事項が多い等、支払い条件が厳しい
引受基準緩和型の医療保険も加入を断られてしまい、それでもとにかく医療保険に加入したい特別な事情がある方以外にはあまりおすすめできません。
既往症や持病に関係なく入れる保険もある
生命保険には様々な種類があり、中には過去の病歴や現在の健康状態にかかわらず加入しやすい保険もあります。
がん保険
がん保険は過去にがんに罹患した人や、過去の病歴からがんに罹患する可能性が高い人は加入を断られる可能性が高い保険です。しかし、がんと関連性が無いと見なされる病歴や通院歴であれば加入しやすいでしょう。
積立保険
積立保険は基本的にケガや病気になっても保険金が支払われませんので、健康状態に関わらず加入しやすい保険です。お金を貯めることを重視したいという人におすすめの保険です。
保険に加入する時にどこまで申告すべき?
生命保険に加入する際に、どこまで細かく健康状態を報告すべきか迷ってしまうかもしれません。保険会社によって告知義務の範囲は異なりますが、加入に不利になりそうな病歴を隠したり、持病を軽く報告したりしないように気をつけましょう。
-
持病を隠して保険に加入するのはNG!隠すとどうなる?
持病や既往症がある場合、生命保険や医療保険には入りづらくなります。通常の保険を断られても引受基準緩和型の保険なら加入できる可能性はあるのですが、保険料が高いなど ...
病歴に含まれないが申告が必要なもの
入院や手術も不要な「ちょっとした治療」であれば申告は不要だと判断してしまうかもしれません。例えば以下のようなケースも申告が必要になるため、告知義務違反に抵触しないように可能な範囲で報告しましょう。
- 虫歯の治療
- 骨折の治療
- 眼科の通院
- アトピー治療のための通院
- 頭痛での通院歴
- 貧血の症状がある場合 等
もし告知を忘れてしまった場合は、気が付いた時点で保険会社に申し出ましょう。
まとめ
保険に加入するのであれば、可能な範囲で正確に細かく報告しましょう。既往症や持病を隠したり、症状を過少申告する等、虚偽の報告は絶対にやめましょう。もし健康状態を正確に伝えずに加入できたとしても、保険金請求時に既往症や持病を隠しているという告知義務違反が発覚すると最悪の場合は保険金が支払われず、保険契約も解除されてしまいます。
また、既往症や持病があるからといって、最初から保険料が高い引受基準緩和型の医療保険に加入する前に、まずは通常の保険に加入できるか確認してみると良いでしょう。現在の健康状態や既往症によっては、通常の医療保険に加入できる場合もあります。
更に、医療保険といっても保険会社によって加入条件は細かく異なります。最初から一社に絞って加入申し込みをするよりも、複数の保険を比較して加入条件や保障範囲を調べてみると良いでしょう。