緩和型医療保険のコラム

睡眠薬を服用していても医療保険には加入できる?

投稿日:2021年4月15日 更新日:

ストレスにあふれる現代社会、不眠症に悩んでいて医師から睡眠薬(睡眠導入剤)を処方してもらっているという方もいるのではないでしょうか。しかし、医療保険に加入する場合、睡眠薬を服用しているということがネックとなってしまいます。果たして睡眠薬を服用していても加入できる医療保険はあるのでしょうか?

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睡眠薬を服用していると通常の医療保険の加入は難しい

睡眠薬を服用していると通常の医療保険への加入が難しくなります。睡眠薬は主に不眠症などの睡眠障害の治療で処方されますが、不眠症は精神疾患の一種として判断されることが多いです。精神疾患は治療が難しく治療期間も長期化しやすいことから、保険加入の判断が厳しくなってしまうのです。
保険へ加入できなくなるからといって途中で断薬してしまうと症状が悪化してしまう可能性があるのでやめましょう。不眠が続くと生活習慣病やうつ病などのリスクが高まります。完治してある程度経過すれば保険に加入できる場合もありますので、投薬などで治療を進めて症状を改善することが大事になります。

睡眠薬を服用していても加入できるケースは?

睡眠薬を服用していても医療保険へ加入できるケースもありますので、確認していきましょう。

市販の睡眠薬やサプリを飲んでいる

ドラッグストアや薬局で販売されている睡眠薬(睡眠改善薬)やサプリメントを飲んでいる場合は、医療保険に加入できることが多いです。保険に加入する時に告知が必要なのは医師から処方された薬であり、市販の薬やサプリだけを飲んでいる場合は保険会社へ知らせなくても問題ありません。医師の診察を受けておらず、他に持病がなければ加入できる可能性が高くなります。

最後に処方を受けてから5年以上経過している

昔不眠症だった人でも医療保険に加入できるケースがあります。それは、不眠症が完治して5年以上経過し、その間睡眠薬を服用していない場合などです。多くの保険会社では過去5年以内の病歴や投薬などの有無を告知する必要がありますが、5年を経過すれば告知義務がなくなることがほとんどです。
しかし、服薬をしていなくても心療内科や精神科などへの通院が続いている場合は加入を断られることもあります。告知事項や既往歴の期間は保険会社によっても異なるため、加入前に確認しておくとよいでしょう。

睡眠薬の服用を隠すとどうなる?

医療保険に加入できなくなるのであれば、「睡眠薬を処方されて服用していることを黙っていよう」と考える人もいるかもしれません。しかし、睡眠薬を服用していることを隠して申し込むのは告知義務違反となります。医療保険に加入することができたとしても、入院や手術などをして保険金を請求した際に保険会社の調査で隠していたことがバレてしまいます。

告知義務違反をしていたことが分かると、保険金が支払われない場合や契約が解除される場合がありますので、絶対にやめましょう。契約が解除されるとこれまで払ってきた保険料も返ってきません。睡眠薬を服用しているという事実は隠さずに正直に告知するようにしましょう。

NG
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睡眠薬を服用していても加入できる保険は?

睡眠薬を服用していることを理由に通常の医療保険への加入を断られてしまったら、もう保険に加入することはできなくなるのでしょうか?まだ諦める必要はありません。加入条件が緩やかな引受基準緩和型医療保険などであれば加入できる可能性があります。

引受基準緩和型医療保険

通常の医療保険に比べて加入条件が緩やかになっているのが引受基準緩和型医療保険です。睡眠薬を服用している方や健康状態に不安がある方でも加入しやすくなっています。持病が悪化したり再発したりした場合でも保障されるのが特徴です。広告などで「持病があっても入りやすい」などと宣伝しているのを見聞きしたことがある人も多いのではないでしょうか。

引受基準緩和型医療保険では健康状態に関する告知が3~5問程度と少なく、以下のような質問にすべて「いいえ」と答えられたら申し込むことができます。

  • 現在入院中ですか?
  • 過去3か月以内に入院や手術、検査をすすめられたことはありますか?
  • 過去2年以内に病気やケガで入院したことや手術をしたことはありますか?
  • 過去5年以内にがん(悪性新生物)で入院または手術をしたことはありますか?

※あくまでもイメージです。告知項目は保険会社によって異なります。

契約を引き受ける基準は保険会社によって異なるので、ある会社に加入を断られたとしても、他の会社では加入できることもあります。複数の保険会社の商品を比べてみるのがよいでしょう。

睡眠薬を飲んでいても入れる保険を探してみる

引受基準緩和型のデメリット

睡眠薬を服用していても加入できる可能性のある引受基準緩和型医療保険ですが、入りやすいと言っても過去に保険料を払わずに契約が失効したなど健康状態以外の内容などで契約できない場合もあります。通常の医療保険と比べてどのようなデメリットがあるのかを踏まえた上で加入を検討していきましょう。

保険料が割高

通常の医療保険より入りやすくなっている分、引受基準緩和型医療保険は保険料が高くなっています。持病や既往症がある人は健康な人と比べて入院や手術をする可能性があるため、保険金も支払われることが多くなるといえます。保険を破綻せずに成り立たせるためには通常の医療保険よりも保険料を高くする必要があるのです。通常の医療保険に加入できる方が高い保険料を払って引受基準緩和型に入る必要はないので、先に通常の医療保険の加入を検討し、加入ができなかったら引受基準緩和型を考えるのがよいでしょう。

一定期間内は給付額が半額になる商品もある

商品によっては、加入後1年以内など一定期間内に支払事由に該当した場合の給付額が50%に削減されます。不眠症や睡眠薬を服用したこととは関係ない理由で病気やケガをした場合でも給付額は半額になります。健康状態に関する告知が少ないので、保険会社のリスクを減らすためにこのような制度をとっていることがあるのです。なお、最近ではこの保障が削減される期間がない保険商品も出てきているため、気になる方は複数の保険会社の商品を比べてみることをおすすめします。

特約が少ない

引受基準緩和型医療保険では特約の種類が通常の医療保険よりも少なくなっていることがあります。入院や手術以外にも様々なことに備えたいと思っていても該当する特約がなく、保障をあきらめざるを得なかったり別の保険を探さなければいけなかったりすることもあり得ます。また、特約が用意されていても告知項目が追加されたり、通常の医療保険のものよりも保険料が高く設定されていたりすることもあります。

無選択型生命保険

引受基準緩和型の医療保険に入れなかったがどうしても保険の備えが必要という方には無選択型の医療保険があります。無選択型保険は健康状態に関する告知や医師の診査がなくても加入できますが、引受基準緩和型医療保険よりも保険料がさらに割高です。さらにデメリットとして、受け取れる保険金や給付金の金額が少ないことや、免責事由の範囲が広く加入してから一定期間の間の病気は保障されないこともあります。加入を考える際には、高額な保険料に見合う保障があるかどうかを慎重に検討する必要があります。

がん保険

睡眠薬を服用していると医療保険には加入しづらくなるものの、がん保険であれば加入できる場合があります。なぜなら、がん保険で保険金を受け取れるのはがんに関することであり、告知項目もがんに関連する内容が多くなっているからです。不眠症であったり睡眠薬を服用していたりするとがんになりやすいという明確な因果関係があるわけではないため、睡眠薬を服用していてもがん保険であれば加入できる場合が多いのです。入院・手術の全般に備えられるわけではありませんが、治療によっては多額の費用が必要になり、精神的な負担も大きいがんには備えておきたいという場合はがん保険を検討してみるのもよいでしょう。

がん保険でがんのリスクに備える

まとめ

睡眠薬を服用していると通常の医療保険には加入しづらくなります。不眠症は精神疾患の一種と判断され、うつ病などと同様に加入に関して厳しく判断されるためです。しかし、通常の医療保険に加入できなくても引受基準緩和型医療保険であれば加入できる可能性があります。保険料が通常よりも割高などのデメリットはありますが、病気やケガによる入院・手術の費用に備えたいのであれば、引受基準緩和型医療保険を検討してみてはいかがでしょうか。
また、睡眠薬を飲んでいてもがん保険に加入できる可能性があります。通常の医療保険への加入が断られてしまった場合でも、がんへの備えをしておきたい方はがん保険への加入を考えてみましょう。


堀田健太

著者情報

堀田 健太
東京大学経済学部金融学科を卒業後、2015年にSBIホールディングス株式会社に入社、インズウェブ事業部に配属。以後、一貫して保険に関する業務にかかわる。年間で100本近くの保険に関するコンテンツを制作中。

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