緩和型医療保険のコラム

高齢者が夏に注意したい感染症は?

投稿日:2022年7月11日 更新日:

老化に伴い免疫系の機能が低下するため、高齢者は若い人に比べて感染症にかかりやすくなります。高齢者はどんな感染症にかかるのでしょうか。また、夏に特に注意したい感染症はどんなものがあるでしょうか。

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高齢者がかかりやすい感染症は?

高齢者は若い人に比べて免疫機能が低いため、季節を問わず様々な感染症に気をつける必要があります。その中でも特にかかりやすいとされている感染症を紹介します。

高齢者がかかりやすい感染症

肺炎

肺炎で亡くなる日本人の97.6%が65歳以上という結果が出ています。高齢者の死亡率が高い肺炎ですが、細菌やウイルスの他にマイコプラズマ、真菌(カビ)など肺炎を引き起こす原因は様々です。

参考 肺炎予防.jp

肺炎球菌による肺炎

肺炎球菌という細菌に感染することで発症します。成人がかかる肺炎の中で肺炎球菌が最も原因となりやすく、高齢者は特に感染しやすく、かつ重症化しやすいので注意が必要です。

誤嚥性肺炎

唾液や食べ物が気道に入ることにより口腔内の細菌が肺に入り込んで起こる肺炎です。食事中の他にも、睡眠中に唾液が肺に流れ込んでしまい誤嚥性肺炎を発症してしまうケースもあります。

インフルエンザ

インフルエンザはインフルエンザウイルスを病原とする感染症で、一般的な風邪とは異なる疾患です。毎年11月下旬~12月上旬頃に始まり、翌年1月~3月頃をピークとし、4月~5月に減少していきます。

インフルエンザウイルスに感染すると気道の表面の細胞が破壊されるほか、炎症を引き起こす物質が増加して全身で炎症が起こります。そのため、気管支炎や肺炎を併発しやすくなります。肺炎の原因として肺炎球菌の次に多いのがインフルエンザとなり、併発した場合、重症化すると心不全を起こすこともあります。

インフルエンザウイルスとインフルエンザ菌は完全に別物で、インフルエンザ菌は特に子どもがかかりやすく、中耳炎、髄膜炎、喉頭蓋炎等を引き起こします。

ノロウイルス

感染性胃腸炎の原因となるウイルスで、通常は毎年11月~翌年3月頃まで流行しますが、年々流行期間が拡大化し、最近は年間を通して全国的に報告されています。

吐き気・嘔吐等の症状があり、高齢者の場合は吐物を誤嚥することで誤嚥性肺炎を起こすこともあります。また、脱水、けいれん、肝機能異常、脳症等の合併症を起こすこともあり、高齢者は重症化する危険性があります。

結核

結核菌に感染した時点では免疫力によって抑えられますが、吸い込んだ菌が多すぎる場合や免疫機能が低下していると『結核症』に進みます。結核というと肺の病気というイメージが強いですが、実際に冒される臓器はリンパ節が最も多く、腎臓にも多く見られます。

国内で発病する結核患者のうち約70%が60歳以上となっています。

尿路感染症

大腸菌等の腸内の細菌が尿路の出口から侵入し、繁殖することで尿路感染症を発症します。繁殖する場所が膀胱内であれば膀胱炎、尿道であれば尿道炎、腎臓であれば腎盂腎炎といった病気になります。

帯状疱疹

水痘(水ぼうそう)にかかったあと、免疫状態が低下した時や加齢に伴い水痘・帯状疱疹ウイルスが再活性化することで発症します。また、帯状疱疹の患者の水ぶくれ液からの接触感染や唾液からの飛沫感染で発症したり、水痘にかかったことがない人に水痘・帯状疱疹ウイルスをうつすと水痘が発症したりもします。

軽症であれば2~3週間で自然治癒することもありますが、高齢者の場合は重症化することが多く、後遺症が残ったり全身状態が悪くなることもあります。重症化するといつまでも強い痛みが残ったり、深刻な皮膚潰瘍を患ったりといった後遺症を残すことになります。

帯状疱疹の見た目が落ち着いて3ヶ月以上経過しても強い痛みが続く場合、『帯状疱疹後神経痛』と呼ばれる状態になります。帯状疱疹後神経痛は高齢者によく見られ、痛みの殆どは1~3ヶ月で消えますが、中には10年以上痛みが続く人もいるそうです。

更に合併症としてライムゼイ・ハント症候群と呼ばれる耳の発疹や顔面麻痺、めまい、味覚障害等を引き起こす病気にかかることもあります。

参考 公益財団法人長寿科学振興財団 健康長寿ネット

MRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染症)

黄色ブドウ球菌は食中毒の原因となる他に、にきびや水虫等の化膿性疾患の原因となる代表的起因菌です。健康な人でものどや鼻の中に存在していることが多く、ホコリの中など身近にも存在しています。この菌が食べ物の中で増殖する際にエンテロトキシンという毒素を作り、この毒素と食品を一緒に食べることにより人に危害を及ぼします。

MRSAは抗菌薬であるメチシリンやオキサシリンに耐性がある黄色ブドウ球菌感染症を指し、院内感染の代表的な病原菌の一つとなっています。病院内では人工呼吸器を介した呼吸器感染症、心臓手術や人工関節置換術などによる手術後感染症、血管内に留置されたカテーテルによる菌血症、心内膜炎、骨髄炎、髄膜炎などを起こします。また、基礎疾患の有無にかかわらず新生児や乳児、高齢者は感染しやすいので注意が必要です。

疥癬(かいせん)

疥癬はヒゼンダニが皮膚に寄生することによる皮膚疾患で、腹部や胸部等に激しいかゆみを伴う感染症です。人から人へと感染し近年は高齢者施設、病院、療養施設で流行が散見されています。疥癬には『通常感染』と『角化型疥癬』の2種類あり、ヒゼンダニの数や感染力等で以下の表のような違いがあります。

通常疥癬 角化型疥癬
ヒゼンダニの数 数十匹以下 100万~200万匹
患者の免疫力 正常 低下している
感染力 弱い 強い
主な症状 丘疹(肌のぶつぶつ)、結節(丘疹よりもおおきいしこり) 角質増殖
かゆみ 強い 不定(全くない場合もある)
症状が出る部位 顔や頭を除く全身 全身

通常疥癬は長時間直接肌と肌が接触したり、まれに通常疥癬の患者が使用した寝具などを交換せずにすぐに他の人が使用することによって感染することもあります。一方で角化型疥癬は短時間の接触でも感染し、角化型疥癬患者の皮膚から剥がれ落ちたかさぶたや角層に接触するだけでも感染します。免疫力が低下している高齢者は重症型の疥癬に感染しやすいため注意が必要です。

疥癬は皮膚だけの病気なので内臓を侵すことはなく、治療すれば治る病気です。

参考 和歌山市感染症情報センター

新型コロナウィルス

インフルエンザや風邪に似た症状が見られる呼吸器感染症で、現在流行しているのは「新型コロナウイルス(病名:COVID-19、ウイルス名:SARS-CoV2)」です。

新型コロナウイルスに感染した患者のうち約80%は軽症で経過して治る例も多い一方で、14%は肺炎や息切れ等の重い症状、6%は呼吸困難や敗血症、多臓器不全等の命に関わる症状が見られています。また、WHOの報告によると60歳以上の高齢者や基礎疾患のある人は重症化する危険が高いと報告されています。

参考 公益財団法人長寿科学振興財団 健康長寿ネット

夏は大腸菌感染症などに注意

腸管出血性大腸菌感染症(o-157など)

o-157などの病原大腸菌による感染症で、夏から秋にかけて流行します。患者の約80%が15歳以下ですが、高齢者は重症化しやすいことが知られています。

腸管出血性大腸菌感染症は感染しても全く症状がないものから、重篤な合併症である溶血性尿毒症症候群(ようけつせいにょうどくしょうしょうこうぐん、HUS)や脳症を併発して死に至るものまで様々で、HUSを発症した患者の致死率は1~5%とされています。

レジオネラ肺炎

レジオネラ細菌を原因としたレジオネラ症に感染すると、主な病型としてレジオネラ肺炎またはポンティアック熱に分類されます。レジオネラ肺炎は重症化しやすく、致死率は概ね5~10%程度とされています。治療の遅れや加齢、合併症により致死率はさらに上昇します。

レジオネラ細菌は自然界に広く生息しており、加湿器や給湯設備でアメーバに寄生する形で増殖し、国内では温泉・入浴施設での集団発生事例もあります。また、病院内での免疫不全状態の患者や臓器移植を受けた患者、がん患者に感染しやすいとされています。

レジオネラ症は国内では例年7月を中心に増加する傾向にあります。

出典 日本感染症学会 感染症クイック・リファレンス「レジオネラ症」

夏は感染症以外にも注意

夏場に高齢者が気をつけなければいけないのは感染症だけではありません。

熱中症

高齢者は温度に対する感覚が弱くなるため、室内でも熱中症にかかりやすいと言われています。通常は脳が暑いと判断すると体が自律的に皮膚の血流量や汗の量を増やして体内の熱を逃がそうとしますが、老化が進むとこれらの増加の開始が遅れ、体温上昇に伴う増加の割合も小さくなります。そのため、高齢者は体の熱を放熱する能力が低く、深部体温が上昇しやすくなります。

脱水症

高齢者は体内に水分を蓄える筋肉が減っているため、夏は特に脱水に注意が必要です。水分不足で血液が濃くなると血栓が生じやすくなり、脳梗塞や心筋梗塞などの疾病につながることもあります。

感染症を予防するには?

感染症を予防するには、感染を成立させないことが重要です。

  1. 病原体があること
  2. 病原体が体に入る経路(感染経路)があること
  3. 宿主の免疫力が低いこと

この3つの要素が成立することにより、初めて感染症が成立します。つまり病原体(感染源)から離れること、感染源を取り除くこと、感染経路を遮断すること、高齢者自身が免疫力を高めることが感染症を予防につながるのです。

感染経路の遮断

感染症の感染経路は主に以下があります。

  • 接触感染(感染者に直接接触して感染)
  • 飛沫感染(せきやくしゃみで飛び散った飛沫を吸い込んで感染)
  • 空気感染(空気中を漂う微細な粒子を吸い込んで感染)
  • 媒介物感染(汚染された水、食品、血液、昆虫などを介して感染)

病原体の細菌やウイルスの多くは人の手に付着します。その手で鼻や口などに触れると病原体が体内に侵入して感染が成立してしまいます。また、細菌やウイルスが付着した手で様々な物に触れると、周りの人がそれらに触れて感染を拡大してしまいます。最も有効な予防策が手指の消毒(手洗い)になります。

また、予防接種も感染症予防として非常に有効です。ワクチンを接種することでその病原体に対して免疫を獲得すると該当の病原体が体内に侵入しても病気にならなかったり、軽症で済むようになります。

日常生活での予防

手洗いや予防接種の他にも、宿主の免疫力を上げるために規則正しい生活をしたり、感染拡大防止のためにマスクの着用、換気、消毒等も有効です。

  • 手洗い(手指衛生)、うがい
  • 予防接種
  • 歯磨きなど(口腔ケア)
  • 睡眠
  • 栄養
  • マスク
  • 換気
  • 消毒(調理器具、食器、環境、リネン類)

参考 高齢者感染症ナビ

高齢者は症状に気づきにくいケースに注意

高齢者は普段から多少の咳、痰、息切れ、動悸等を感じているため、肺炎や心不全になっても病気だと自覚できず、苦痛を訴えることがないため発覚が遅れてしまうケースがあります。また、症状が非典型的なために病識を持てなかったり、無症状の場合も多く、発見が遅れて重症化してしまうことも。感染症にかかってしまうと重症化するリスクが高いため、ちょっとした変化や症状でも見逃さないようにしましょう。

また、症状の原因が感染症ではない可能性もあるため、自己判断せずに医療機関を受診しましょう。

長引く入院に備えて医療保険を検討

感染症に限った話ではありませんが、高齢者は若い人に比べて入院期間が長期化する傾向にあります。

傷病別・年齢階級別平均在院日数

主な傷病 0~14歳 15~34歳 35~64歳 65歳以上 75歳以上
結核 3.2日 36.6日 38.7日 66.8日 66.0日
肺炎 7.0日 15.5日 21.9日 41.0日 42.1日
全体※ 8.9日 12.2日 24.4日 40.3日 41.7日

※注 結核と肺炎の他にウイルス性肝炎や糖尿病、統合失調症等の疾病を含む
参考 公益財団法人 生命保険文化センター「入院した場合、入院日数は何日ぐらい?」

若い人に比べて高齢者は免疫機能が低いため、感染症にかかると重症化リスクが高くなります。公的医療保険だけでは治療に伴う出費が不安だという方は、民間の医療保険を検討してみるのもいいかもしれません。

感染症にはかかっていないけれど現時点で健康に不安があるという方や、過去に入院歴や長期の通院・治療歴があるという方は、引受基準緩和型の医療保険も選択の一つとして検討してみてはいかがでしょうか。

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