生きていくにはお金が欠かせません。結婚資金、子供の教育費、住宅購入費、介護費用、老後の生活費など人生の各イベントでお金が必要となります。お金を増やしていく方法としては「貯金」、「保険」、「投資(株式、投資信託など)」がパッと思いつくのではないでしょうか。これらでお金を増やしていくことのメリット・デメリットを紹介します。
目次
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お金を増やすには
「貯金」、「保険」、「投資」のメリット・デメリットの前に、その元手をどうするかを考えます。 「貯金」、「保険」、「投資」 はお金の置き場所の問題なので、そもそも置くお金がなければどうしようもありません。
お金を増やしていくには収入を増やすか支出を減らすかのどちらかあるいは両方が必要です。収入を増やしていくのも大切ですが、今すぐに収入を増やすというのはなかなかできません。そのため、すぐできることとしてまずは支出を減らせないかを考えていきましょう。
支出を減らすことの第一歩は何にお金を使っているのかを把握することです。スマホの家計簿アプリなどを利用すれば自分で細かい計算をする手間を減らすことができるでしょう。何にお金を使っているのか把握したら減らすことができるものはないか検討していきます。特に固定費を削減できればその後は何もしなくてもその分のお金のゆとりが生まれるので効果が大きいです。利用していない月額課金のサービスはないか、スマホ契約時につけた有料オプションで使っていないものはないか、格安SIMに変更できないか、電気やガスを地域の大手の会社からほかの安い会社に変更できないかといったことを確認してみましょう。
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削減して浮いたお金は使ってしまうのではなく、貯金や保険、投資などに回してお金を増やしていきましょう。以下ではお金の置き場として貯金、保険、投資のメリット・デメリットを紹介していきます。
貯金のメリット・デメリット
まずは誰もが少なからず行っているであろう貯金でお金を増やしていくことのメリット・デメリットを紹介します。
貯金のメリット
申し込み不要
貯金は保険や投資と違って申し込みをしなくてもすぐに始めることができます。生活費用の口座と貯金用の口座は分けた方が貯金を増やしていきやすいのですが、別に分けなくてもできないというわけではありません。どの商品にするか決めて申し込むという手間の途中で気力がなえて結局はもとのままということがありません。
必要なときにすぐに使える
病気にかかる、事故でケガをするなど思いがけずに大きな出費が必要となることもありえます。そうしたときに貯金としてまとまったお金があれば、そのまますぐに支払うことができます。保険や投資であれば解約や売却をして出金し、お金が銀行口座に入るのを待つ必要があります。また、そのときに評価額がプラスになっているとは限りません。急な出費に備えるという意味でもある程度の金は貯金としてもっておくとよいでしょう。
貯金のデメリット
増え方が小さい
銀行口座に預金していてもほとんど利息は付きません。貯金が増えるのは収入から貯金に回した分だけだと考えた方がよいでしょう。例えば、年間100万円を10年間続けて1000万円を貯蓄に回したとすると、年利0.001%の複利の場合は税引き後の合計で440円しか利息で増えません。
無駄遣いしやすい
メリットの部分で必要なときにすぐに使えると書きましたが、それは裏返すと無駄遣いしてしまいやすいということになります。銀行口座に残高があるとついついお金を使ってしまうという人の場合は、生活費用の口座と貯金用の口座を分けて貯金用の方は普段見ないようにする、貯金ではなく保険などお金を手にするのに解約などのひと手間が必要なもので貯めるといった工夫が必要となるでしょう。
保険のメリット・デメリット
貯蓄型の保険を使えば保障だけでなくお金を貯めていくこともできます。保険でお金を増やすことのメリット・デメリットを紹介します。
保険のメリット
保険料として自動的に貯めていける
保険料として口座から自動的にお金が引き落とされていくので、お金があるとついつい使ってしまう、自分で貯金をしていくのが苦手だという人でもお金を増やしていきやすいです。自分の銀行口座とは別のところに積み立てているので衝動的に使ってしまいづらいというのもメリットの一つです。
貯金より増やすことも可能
現在の金利状況下では銀行預金の金利は定期預金であっても0.01%などごくわずかです。そして、さらに約20%の税金が引かれます。貯蓄型の保険は商品によりますが、それよりも大きな利回りを得ることも可能です。長期間保有する必要がある、保障が大きい商品などでは定期預金よりも増えなかったり元本割れしたりするものもあるなど常に銀行預金よりもお得というわけではありませんが、少しでもお金を増やしたいのであれば貯金で貯めることも検討してみましょう。
税金面で有利
生命保険料控除により、所得税・住民税の金額が安くなります。例えば、所得税・住民税の税率がともに10%、年間の保険料が8万円以上の場合、所得税は4,000円、住民税は2,800円軽減されます。1年だけだと小さい金額だと思うかもしれませんが、保険料を支払う年は毎年控除を受けることができます。
保険のデメリット
早期解約で元本割れする
急に大きなお金が必要となるなどして貯蓄型の保険を早期に解約してしまうと、多くの場合で支払った保険料よりも少ない金額しか戻ってきません。解約するまでに受けていた保障をどう評価するにもよりますが、お金を増やすことのみを目的としていた場合は貯金をしていた方がお金を増やせたという結果になってしまいます。
低利率で固定される
一部の商品を除き、貯蓄型の保険は契約時の利率で固定されて将来受け取れる金額が決定されてしまいます。高金利の状況で固定されるのであればよいですが、現在は超低金利なのでこれが固定されてしまうのはデメリットといえます。これを避けるには、リスクを取って外貨建ての商品を契約する、保険料が高めの積立利率変動型の商品を契約するなどの方法がありますが、状況によっては円建ての固定利率のものの方が結果がよいこともあります。
保障にお金が回る
保険なので支払った保険料は死亡保障等の保障にも回されます。必要な保障ならばよいですが、不必要なものであればそこに回される保険料は無駄となってしまいます。お金を貯めるために貯蓄性の保険を多く契約した結果、無駄となるお金も増えてしまったということがないように気を付ける必要があります。
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投資のメリット・デメリット
最後に投資のメリット・デメリットを紹介します。なお、投資にもさまざまな種類がありますが、個別株式への投資や投資信託の購入を念頭に置いて話を進めます。
投資のメリット
大きく増える可能性がある
購入するものの選択次第ですが、貯金や保険よりも大きくお金を増やしていくことも可能です。例えば、過去5年間の日本株式(日経平均株価)の平均リターンは年率11.1%です。株価の上昇局面にあったので良い結果を残しています。リーマンショックを含む過去20年間で見た場合は年率6.1%となります。多少物足りないかもしれませんが、貯金よりも大きなリターンが得られる結果となっています。もちろん、損をしていた可能性もあることは忘れないようにする必要があります。
税金の優遇制度がある
投資で得た利益には通常約20%の税金がかかりますが、NISAやつみたてNISA、iDeCoの枠内での投資で得た利益にはこの税金がかかりません(iDeCoは受取時に退職所得あるいは雑所得として課税対象となります)。一定の枠内の投資に限られますが、増えた金額をそのまま手にすることができます。
株式であれば配当や株主優待がある
個別株式への投資であれば配当金を受け取れたり、保有している銘柄や保有数によっては有用な株主優待を受け取れたりします。受け取った配当金を再投資に回す、株主優待で受け取ったもので普段かかる生活費を削減するといった方法でお金を増やすペースを上げることも可能です。
投資のデメリット
マイナスになることもある
投資は常にプラスになるわけではありません。リターンがマイナスになることもあります。多少のマイナスであれば覚悟の上だと思いますが、リーマンショックのようなことがあると-40%や-50%のような大きなマイナスとなることもあります。普段の生活に必要な資金や支出する時期が決まっているお金については手を出さずに余裕資金で投資を行うことが大切です。
何に投資するか選ぶ必要がある
一口に投資といっても投資をする対象は非常に多くあり、その中から何に投資をするのか選ぶ必要があります。そして、そのためには多少なりとも勉強して知識を付ける必要があります。金融機関や専門家の推奨のまま買うということも可能ですが、手数料が高いものを勧められたり、相談を受けるのに手数料が必要だったりと知識があれば回避可能な費用がかかります。
値動きが気になる
自分のお金がかかっているのと株価は刻々と変化しているので、投資したものの値動きが気になって仕事や家事に手がつかなくなってしまうこともありえます。仕事でミスが増えて収入が減ったり昇進が遅れたりしたら本末転倒ですので、値動きが気にならない程度の金額や余裕資金で投資を行う必要があるでしょう。
複数の方法を組み合わせよう
上で見てきた通り、貯金、保険、投資にはそれぞれメリット・デメリットがあります。お金を増やしていくには複数の方法を組み合わせていくのが大切です。
貯金が全くない状態では急な出費に耐えられませんので、生活防衛資金として3か月分くらいの金額は貯金としてあるとよいでしょう。これがないうちは貯金を増やすことに注力し、貯まった後は貯金ではお金があまり増えていかないので保険や投資にも振り分けます。短期的に使う予定があるお金は貯金、使うのは10年以上先だけど使う時期や金額は決まっているというお金は保険と貯金、長期間使う予定のないお金は投資に回すなど目的に応じてお金を増やす手段を使い分けていくとよいでしょう。
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著者情報
堀田 健太
東京大学経済学部金融学科を卒業後、2015年にSBIホールディングス株式会社に入社、インズウェブ事業部に配属。以後、一貫して保険に関する業務にかかわる。年間で100本近くの保険に関するコンテンツを制作中。