相続のコラム

再婚夫婦のために知っておくべき相続の知識 ~子供たちと争わないために~

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婚姻の1/4は再婚

近年の離婚・再婚事情

再婚の夫婦はどのくらいいるのでしょうか?

近年の離婚・再婚の現状を確認してみましょう。

2020年の厚生労働省の調査では3組に1組が離婚していると言われています。

離婚後の再婚についてですが、厚生労働省の人口動態統計によると、婚姻数が減る中で、夫婦のどちらか、もしくは両方が再婚の夫婦の数は、横ばい状態が続いています。

つまり、割合としては増えていて、婚姻数におけるおよそ1/4が再婚ということになります。

再婚夫婦の相続人は誰?

法定相続人の順位と範囲

法定相続人とは、相続が発生した時、民法の定めに従って遺産を相続できる人のことを言います。

再婚した夫婦は、連れ子や再婚後の子がいるか、養子縁組をした子がいるか、また子のいない場合など、家族の形態により相続人の範囲が複雑で把握しづらいので、法定相続人の範囲や順位を正しく理解する必要があります。

故人の子・父母・きょうだいは法定相続人になる可能性があると言えます。

第一順位 子・孫

故人の配偶者がいて、子がいる場合、法定相続人は配偶者と子になります。
子がいない場合は、次の第二順位になります。

第二順位 父母・祖父母

故人の配偶者がいて、子がいない、父母が存命の場合、法定相続人は配偶者と父母になります。
子や孫がおらず、父母(祖父母)もいない場合は、次の第三順位になります。

第三順位 きょうだい

故人の配偶者も、子や孫も、父母(祖父母)も亡くなり、きょうだいだけが存命の場合は、法定相続人はきょうだいになります。

再婚前の子と再婚後の子

前の婚姻時の子と再婚後に生まれた子は、どちらも第一順位の相続人となり、相続分の差はありません。

また、父母の婚姻期間中に生まれた子(嫡出子)か、父母が婚姻しない状態で生まれた子(非嫡出子)かでは相続分に差はありません。

再婚相手の連れ子

再婚時に配偶者に子(連れ子)がいた場合、その子は法定相続人ではありません。

連れ子に法定相続人となる子と同じ第一順位の相続権を与えたいのなら、養子縁組をする必要があります。

また、故人が遺言書を作成して法定相続人ではない連れ子に財産を譲る、つまり遺贈すれば他の子と同様に財産を遺すことはできます。

ただしこの方法は、連れ子に遺留分はなく、また他の相続人の遺留分を侵害してはならないという制約があります。

しかし、養子縁組をしなくても連れ子に自分の意向に沿った財産を遺すことができるという点では、積極的に検討する価値があります。

ただ、税務上で養子による相続控除には一定の制限があり、「実子がいる場合は1人まで、実子がいない場合は2人まで」しか養子は基礎控除の計算に考慮されないのでご注意ください。

再婚夫婦の相続で想定される生じやすいトラブル事例

両親が離婚・再婚しても親子関係は消えない

  • 離婚後、父とは全く交流がなく、突然父の再婚相手から相続放棄を迫られた。
  • 離婚した配偶者との子に全財産を譲るという遺言をしたが、子の行方がわからず、相続人の遺留分侵害額請求が困難となった。
  • 再婚した配偶者の連れ子と再婚後に生まれた実子がいたが、連れ子を養子縁組していなかったので、相続人になれなかった。

前の配偶者との子や再婚後の配偶者との関係

  • 連れ子と再婚後の配偶者との関係が悪く相続財産について争いが起こっている。
  • 亡くなる直前の再婚で配偶者に相続権が発生し他の相続人と揉めている。

相続人の確定が難しい

  • 故人が離婚・再婚を繰り返していて、異父母の子が多数存在する場合
  • 子が死亡していて孫が多数いる、行方不明などの相続人がいる場合

再婚夫婦がしておくべき相続対策まとめ

再婚夫婦の場合、初婚の場合と違って家族の形態が複雑になります。

相続人が行方不明で相続手続きが困難になったり、親子の関係や子同士の関係により「争族」にならないように、あらかじめ生前対策をすることをおすすめします。

生前のうちに相続人の範囲を確認しておく

亡くなった際に真っ先にしなければならないことの1つが「相続人の確定」です。

これは誰が法定相続人となり遺産分割協議の当事者にあたるかということを確定する必要があるからです。

また、遺言書がある場合でも、遺留分侵害額請求をしてくる可能性のある相続人を把握する必要があります。

そのため、相続人となり得る人物の所在は明らかにしておかなければなりません。

その上で、自分の意に沿った財産の譲渡・承継ができるように考える必要があります。

遺言書の作成

相続人間の争いをなくしたい、また、養子縁組をしていない連れ子など法定相続人以外の人にも財産を譲渡・承継させたい場合、そして故人に対する法定の背信的行為が認められる場合には「相続廃除」という制度があるので、これらの対策のためには遺言書を作成しておくことが一番効果的です。

法的に有効な遺言書が作成されていると、その内容に従って相続財産は分配されるので、相続人全員で遺産分割協議を行う必要がなく、財産の分配について悩んだり、揉めたりすることは確実に減ります。

また、遺留分による制限はありますが、故人の自由な意思で財産を譲渡・承継させることができます。

そして、財産の相続手続きを行う責任者(遺言執行者)を指定することもできます。

最後に

離婚の割合が増えていくと、今後は再婚の割合はもっと増えていくと考えられます。

そして、相続人の範囲が分かりにくく、関係性も複雑になる再婚夫婦の相続についてのトラブルは増大する傾向にあります。

生前に相続トラブルのリスクをなくす対策を考えることは、残される家族のために必要なことです。

本記事がそのきっかけになれば幸いです。


【筆者プロフィール】

行政書士上田静香事務所 https://www.su-souzoku.com/
代表 上田静香(うえだ しずか)

2013年行政書士事務所を開所
一般社団法人相続診断士協会パートナー事務所 相続診断士
笑顔相続道正会員
カリン株式会社 代表取締役
「お一人様」を「おひとり様」のままにさせない、50歳以上の元気なお一人様の見守り事業 完全紹介制の会「Pono Club」の運営

1. 健康である今、何も対策をしないと相続が起きた時にどんなリスクが起きるのか?を明確にして対策をお伝えします
2. 難しい法律用語を使わずにわかり易い言葉でご説明します
3. 忙しいクライアント様の手間を最小限にします

家族が争うことなく大切な毎日を笑顔で送る生前対策を提案し
悲しみの中で慣れない相続手続きをする大変さや不安を解消します。

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