相続のコラム

相続トラブルになる 10選

投稿日:

相続で揉めるのはいったいなぜなのでしょうか。
何年も会わずにいた両親やきょうだいと最後に食事をしたのは、いったいいつの事でしょう。
揉める原因の多くは、「それぞれが自分の立場で物事を主張しているから」なのではないでしょうか。
相続人同士の関係性はとても重要ですが、それぞれお互いの立場を尊重して各々の家族としての役割を見出していれば、そもそも揉め事は無かったのかもしれません。
そのなかでトラブルになる10選を選んでみました。皆さんに当てはまる事柄があるか確認してみましょう。

相続トラブルになる 10選

1.相続人の事達と疎遠である。きょうだいの仲が悪い。

疎遠であってもお住まいや連絡先が判るのであればいいのですが、行方不明に近いほど判らない場合は、まず遺産分割の手続きが出来ませんので即調べるようにしておくことです。
連絡が取れず遺産分割の相談すらできない事になります。生死さえ不明といった場合には、遺産分割協議が始められない事になります。

2.行方不明者がいる

連絡が取れず遺産分割の相談すらできない事になります。生死さえ不明といった場合には、遺産分割協議が始められない事になります。
事前に判っていれば早めに失踪宣告を出しておく事もできます。

裁判所に失踪宣告

不在者(従来の住所又は居所を去り,容易に戻る見込みのない者)につき,その生死が7年間明らかでないとき(普通失踪),又は戦争,船舶の沈没,震災などの死亡の原因となる危難に遭遇しその危難が去った後その生死が1年間明らかでないとき(危難失踪)は,家庭裁判所は,申立てにより,失踪宣告をすることができます。

3.前妻との間に子がいる

亡くなった後に、ご家族が相続手続きをすすめる際、戸籍を集めて初めて子の存在を知る事になった。という事は珍しくありません。
妻・夫(前夫・前妻)との間に子がいた場合、まずは連絡先、居場所を調べるところから始めます。
前夫・前妻との間の子も相続人の1人となりますので、しっかりとご家族に事前にお伝えしておく事が必要となります。

4.相続人に認知症の人、障がい者の人がいる

その方の判断能力の程度にもよりますが、任意後見制度、成年後見制度を利用することが必要になる場合もあります。例えば自宅を将来売却したい要望があった場合、持ち主であるお父さんが施設に入り自宅を売却するタイミングで意思能力がなければ、法定後見の申立てをするか、任意後見を事前にしておくか、家族信託で子どもを受託者としておくのかなど決めておく事も必要となります。

5.子がいない夫婦の争族

このようなケースで相続が発生した場合、妻だけでなく、被相続人の両親も法定相続人となります。
両親が死亡していればきょうだいが、さらにきょうだいが死亡していれば、甥、姪が法定相続人となります。

6.相続財産に不動産の占める割合が多い、若しくは不動産しかない

そもそも自宅しかなく現金も殆どない場合は、遺産が実家しかないのに相続人が複数いた場合、話し合いでうまく解決できれば問題ないのですが、相続人同士の関係性が大変重要になってきます。

  • 不動産の物件を誰がどれを取得するのか(収益物件の場合のどれだけ収益を生むのかなど)
  • 土地が被相続人名義で建物が相続人名義になっている場合。
  • 相続人と共有名義であった場合複数の相続人がいてその共有名義の土地を手放さないと遺留分が用意できない場合。
  • 先祖代々名義の変わっていない土地がある場合は、相続人を探して名義変更しなければいけません。過去に関わったすべての生存している相続人の戸籍謄本や印鑑証明書などが必要となります。

7.特定の相続人の介護負担の割合が多い

親の介護の負担が相続人で異なる場合、特にきょうだいのうちの1人が主となって被相続人の介護をしていた場合には、相続で揉めてしまう傾向にあります。
仕事も辞め、親の介護をしてきたのだから、その貢献を遺産分割で実現したいと考え、他のきょうだいよりも多く遺産を受け取りたいと考えられるケースとなります。
この不公平を解消する方法として、民法904条の2によって寄与分が認められています。
寄与分とは、被相続人の看護療養などを行った人がその貢献度に応じて、相続する財産を他の相続人よりも多くもらえる制度です。
この寄与分が認められるかどうかは、相続人間で協議を行う事になりますが、今までの相続人との付き合い方などにより、話がまとまらない場合には家庭裁判所での調停をすることになります。

(寄与分)
第九百四条の二 共同相続人中に、被相続人の事業に関する労務の提供又は財産上の給付、被相続人の療養看護その他の方法により被相続人の財産の維持又は増加について特別の寄与をした者があるときは、被相続人が相続開始の時において有した財産の価額から共同相続人の協議で定めたその者の寄与分を控除したものを相続財産とみなし、第九百条から第九百二条までの規定により算定した相続分に寄与分を加えた額をもってその者の相続分とする。
 前項の協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、家庭裁判所は、同項に規定する寄与を者定める。
 寄与分は、被相続人が相続開始の時において有した財産の価額から遺贈の価額を控除した残額を超えることができない。
 第二項の請求は、第九百七条第二項の規定による請求があった場合又は第九百十条に規定する場合にすることができる。

8.きょうだい一人だけ生前贈与があった

生前に高額な生前贈与が行われた場合にも相続発生後に判った場合などは特にトラブルにつながる事もあります。
相続人へ生前贈与が行われると、その相続人には「特別受益」が認められて遺産相続分を減らされる可能性があります。これを「特別受益の持ち戻し計算」といいます。
その計算をすでにしていたかどうかにもよりますが、意見が割れて揉めごとが発生する原因ともなりかねません。

9.偏った内容の遺言書発見

有効である遺言書が、特定の相続人に有利な内容であることによって無効となることはありません。
しかし、相続人の遺留分が侵害されていれば、遺留分侵害額請求を行うことができますから、なぜそうしたかったのかの付言事項を書いておくと揉め事も少しは緩和するのではないでしょうか。

10.遺言書で財産が相続人以外に

本来受け取るはずだった相続人の遺産が、全額「社会団体への寄付」や「愛人への遺贈」などが行われた場合、残された相続人は「遺留分減殺請求」を行い、最低限の遺産を取り戻すことが出来ますがこちらも揉め事の原因となります。

遺言書を書いて相続での揉め事は回避しよう

  • 家族で話し合いをする
  • 遺言書を作成することで争いを未然に防ぐ
  • 家族信託(民事信託)を利用
  • 任意後見人など後見制度の活用
  • 最終的に揉めた場合は弁護士に相談する

遺言書を作成する際のポイント

相続で揉める場合はどんな家庭でも起きる事です。
家族とのすれ違いであったり、コミュニケーションがうまく取れていなかったりと、様々な問題があります。
早すぎる事はない遺言書の作成をきっかけに、ご自身を振り返り見つめなおすことが必要ではないでしょうか。


昆 充芳(こん みよし)
笑顔相続サロン®新潟TUNAGUみんなの相続診断士事務所代表
MFC合同会社代表社員
CONEXEED株式会社代表取締役
HP:https://www.niigata-souzoku.mfc-m.com/

相続診断士・終活カウンセラー・ファイナンシャルプランナーなどの資格を持ち相続にまつわるお困り事を頼りになる各相続に関する専門士・士業達とチームを組み生前の贈与・遺言書から相続発生までワンストップでトータルにサポートしております。相続に関する相談を誰に頼んだら良いのか判らない時には是非ご相談ください。
生前整理から亡くなった後の事務手続きまでのご相談を受け付けております。
相続に関するお悩みを一手に解決!!

-相続のコラム

Copyright© SBI Holdings Inc. All Rights Reserved.