相続のコラム

おひとりさまが認知症になっても自宅で暮らす事前の準備とは…

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認知症になったら住み慣れた自宅でもう暮らせないと思っていませんか?
認知症になっても介護保険のサービスをうまく組み合わせながら住み慣れた自宅で暮らすことは可能です。

もし、ひとり暮らしで認知症の症状が出てきたら、どこでどんな風に暮らしたいかをイメージしておくこと…元気な今だからこそ考えてみましょう。

在宅か施設か…認知症になったら暮らしやすいのは?を考える

在宅か施設、それぞれメリット・デメリットがあります。

自宅でひとり暮らしを続けるのは不安もあるかもしれません。しかし、住み慣れた環境ですきなモノやなじみのモノに囲まれながら地域の支援を受けながら生活を続けることで認知症の進行も緩やかになる場合もあります。そのためには介護保険制度を味方につけておく必要があります。

一方、施設に入居した場合は、施設の中で介護専門スタッフに見守ってもらえる安心感の中で暮らすことが一番のメリットと言えます。

在宅と施設のメリット・デメリット

メリット デメリット
自宅 ・住み慣れた家や地域で生活ができるためストレスが少ない
・本人が安心して介護を受けられる
・自由度が高い
・必要なサービスを自分で選択できる
・施設に入るよりも費用がかからない
・体調の急変などの対応がすぐにできない
・家族にかかる負担が大きい
・介護度が上がると費用がかさむことも
・ひとり暮らしの場合、孤独死や孤立死の可能性がある
施設 ・介護の専門スタッフから介護を受けることができ安心感が得られる
・施設の中で仲間ができ会話が増えることで刺激になる
・家族の負担が軽減できる
・大きく環境がかわる
・なじむまで時間がかかることもある
・順応できなかった場合、症状が一気に進行する可能性がある
・自由度が低い
・施設費用がかかる
・施設のルールがある
・感染症のリスクが高い

メリット・デメリットを知り、認知症の症状が軽いうちから入居をするのか、ひとり暮らしが難しくなりギリギリまで自宅で暮らすのか、特に、ひとり暮らしの場合は早い時期から考えておくことが大切です。

介護保険制度はひとり暮らしを続けるために必要な制度です。

介護保険制度は、おひとりさまが認知症になっても在宅で暮らすためには必要な制度です。さまざまな介護サービスや福祉サービスがあり組み合わせをして利用することができます。

介護保険の申請のしかたを知っておく

実際にサービスを受けるには、まず住民票のある市区町村の窓口で要介護(要支援)認定の申請を行います。市区町村のホームページなどを確認するようにしましょう。また、市区町村の担当窓口で介護保険のことがわかる冊子なども発行しているので入手しておきましょう。地域包括支援センターが申請代行を行ってくれるので身体に自信がなくなってからの申請の場合は地域包括支援センターに相談をすることもできます。

困ったときに相談できる地域包括支援センター

地域包括支援センターは、地域で暮らす高齢者を介護、福祉、健康、医療の面から総合的にサポートするために市区町村から委託を受けて運営する公的な相談窓口となります。保健師(又は、地域保健等の経験のある看護師)・社会福祉士・主任ケアマネジャーの専門職員が各専門分野の視点から連携を行っています。

自分が住む地域で担当の地域包括支援センターが決まっているためわからないときは市区町村の窓口で聞くと教えてもらえます。また、市区町村のホームページにも掲載されているので確認をしておきましょう。

介護保険で利用できるおひとりさまを支えるサービスとは

要介護(要支援)認定申請を行うと、訪問調査員が自宅や病院に来て要介護(要支援)認定に必要な調査を行います。かかりつけ医の意見書が必要となるので、かかりつけ医を見つけておくことも大切になります。訪問調査員とかかりつけ医の意見書から介護認定審査会で、介護が必要かどうか、またどの程度の介護が必要かなどについて、保健・医療・福祉の専門家によって審査・判定がされます。

判定は「要支援1・2」「要介護1~5」の区分で示され、介護度に応じて支給限度額が決まり1割~3割の自己負担でサービスが受けられるようになります。

ケアマネジャーが、どのような介護サービスを受けるとよいかを本人や家族と相談しケアプラン(サービス計画)を立て、実際に介護サービスを行う施設や事業所に連絡・調整を行い介護サービスの利用を始めることができます。

自宅で生活を支えるサービス

訪問介護サービス

ホームヘルパーが自宅を訪問して、食事・入浴・排せつの介助など身体に直接触れる介護や、調理・掃除・洗濯・買い物など日常生活支援を行います。

訪問入浴介護

浴槽を積んだ入浴車で自宅を訪問し、介護職員と看護職員が入浴の介助を行います。

自宅で医師や看護師にみてもらうサービス

訪問看護

主治医の指示に基づいて、訪問看護ステーションや病院・診療所の看護師が自宅に訪問し、健康上のチェックや療養上の世話を行います。

居宅療養管理指導

医師・歯科医師・薬剤師・管理栄養士・歯科衛生士などが自宅に訪問し、療養上の管理や指導を行います。

自宅でリハビリテーションを受けるサービス

訪問リハビリテーション

理学療養士や作業療養士、言語療養士が自宅に訪問し、リハビリテーションを行い、身体機能の維持改善を行います。

福祉用具貸与

心身の機能が低下し、日常生活を送るのに支障がある場合に、自宅で過ごしやすくするために介護用ベッドや車いすなどの福祉用具をレンタルすることができます。

施設に通って受けるサービス

通所介護(デイサービス)

日帰りで通所介護施設に通い、食事・入浴・排せつなどの日常的な支援や機能訓練などを受けられ、レクレーションなども行われます。短時間の運動型のデイサービスや認知症の対応型など自分の心身の状態に合わせて利用することができます。

通所リハビリテーション(デイケア)

日帰りで介護老人保健施設や介護医療院、医療施設で機能訓練(リハビリテーション)を受けることができ、食事や入浴・排せつなどの日常的な支援も受けることができます。

財産管理や介護サービスなどの契約事務は事前に任意後見人に頼んでおこう

認知症の症状が進み判断能力が不十分になったときに、一番困るのは金銭管理ができなくなること、契約行為ができなくなることです。あらかじめ信頼できる人と委任契約と認知症が進行したときのために任意後見契約を締結しておきましょう。

健康で判断能力があるうちに契約を結んでおくことが重要です。

任意後見人を決める

だれを後見人とするかは本人が決定することができます。家族、友人、弁護士や司法書士などの士業、相続コンサルタントなど、自分が信頼できる人に依頼をしましょう。

契約内容を決める

「できるかぎり自宅で暮らしたい」
「ひとり暮らしができなくなったら、この施設に入居手続きをしてほしい」
「通帳を預かって金銭管理をしてほしい」
など契約内容は自分で決めることができます。契約内容に書かれていないことはできないので契約内容をしっかり確認をして作成しましょう。

公正証書で任意後見契約を結ぶ

公証役場で契約書を公正証書で作成しましょう。友人などと口約束などで契約を行っていても実際に必要となったときにできない場合もあります。公正証書で信頼できる経験のある人に依頼をしておくことがポイントです。

任意後見の開始

判断能力が低下したときに、任意後見監督人の申立てを家庭裁判所に行い任意後見監督人が選任されると任意後見契約が開始されます。任意後見契約は、判断能力が低下したときからの利用となるため、身体機能が低下したときから利用できる委任契約を一緒に締結しておくようにしましょう。

おわりに

認知症になったからといって、ひとり暮らしができなくなるわけではありません。家族が近くにいなくても医療や介護・福祉のサービスを組み合わせ地域の方の支援を受けて、ギリギリまでひとり暮らしを続けることができるのです。支援を受けたくない、孤独が好きなど人それぞれの思いはあると思います。しかし、孤独死・孤立死を避けるためには身体状況が悪化したときに備えて支援を受けることも必要なのです。自分らしい生活を送るためのポイントは早期に対応していくことです。住み慣れた自宅で暮らしたい…その思いに寄り添える支援ができれば幸いです。自分の老後に備えるために近くにいる相続診断士など相続に強い専門家に気軽に相談をしてみてください。


小笹 美和(おざさ みわ)
笑顔相続サロン®京都代表
株式会社ここはーと相続事務所 代表取締役
(一社)社会整理士育成協会 事務局長
全国相続診断士会事務局 京都相続診断士会会長

上級相続診断士、終活カウンセラー1級、介護支援専門員などの多数の資格を持ち、
終活・相続・介護を専門分野とする相続コンサルタント。
介護福祉業界に長年勤め、ケアマネジャーや訪問調査員などで高齢者との1,000件を超す面談実績を持つ。高齢者にわかりやすい説明とヒアリング力で介護にも強い相続診断士として相続や介護の相談を受けている。

連絡先:075-950-0397
メール:cocoheartoffice@gmail.com
ホームページ:https://cocohearto.com

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