
終身保険は60歳払込満了など、契約時に決めた年齢までに保険料を全て支払い終えることができます。しかし、その後の保障はどうなるのでしょうか?保障を継続する場合や解約する場合の注意点をわかりやすく解説します。
記事の要約
- 終身保険は払込満了後も解約しない限り死亡保障が一生涯続く。
- 解約すると解約返戻金を受け取れるが、解約返戻金に税金がかかる場合がある。
- 払込満了後に保障を続けるか解約するかは、相続対策・葬儀費用への備え・資金ニーズ・死亡保障の必要性などを踏まえて判断することが大切。
目次
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終身保険の「払込満了」とは?

終身保険の払込満了とは、「60歳まで」や「20年」など決まった年齢や期間で保険料の支払いを全て終えることをいいます。払込満了後は保険料の支払いはなく、解約しない限り保障は一生涯続きます。
払込満了後は保障継続か解約を選べる
終身保険の保険料を全て支払った後は、そのまま保障を続けるか、解約して解約返戻金を受け取るかを選ぶことができます。それぞれ注意点がありますので、確認したうえで自身に合っている方を選びましょう。
そのまま保障を継続する
終身保険では、被保険者が死亡したときや高度障害を負ったときに保険金を受け取ることができます。
60歳払込満了にした場合、60歳以降は保険料の支払いがなくなるため、年金生活に入った後の家計負担を軽減できます。
また、相続対策として活用したい場合は保障を継続した方がよいでしょう。終身保険の死亡保険金には相続税の非課税枠があり、「500万円×法定相続人の数」まで非課税となります。例えば夫が死亡し、法定相続人が3人(妻と子2人)だった場合は1500万円までの死亡保険金は非課税となり、家族により多くの財産を残すことができます。
特約の保障はどうなる?
終身保険には医療保障などの特約を付けられることがありますが、払込満了後も特約を希望する場合は特約分の保険料を支払う必要があります。医療保障の特約を付けた場合でも、原則80歳までの保障となるため注意しましょう。なお、一部の保険会社は特約も一生涯継続できるようです。
解約して解約返戻金を受け取る
解約返戻金とは、契約を解約した時に払い戻されるお金のことです。解約するタイミングによっては支払った保険料以上のお金が戻ってくるため、貯蓄目的で終身保険を活用することもできます。解約返戻金には3つのタイプがあり、保険商品によって異なります。契約前にはどのタイプにあたるか確認するようにしましょう。
解約返戻金の種類
| 種類 | 特徴 |
|---|---|
| 従来型 | 払い込んだ保険料が増えると解約返戻金も増えていきます。同じ保障内容の場合、3つの中で保険料が最も高くなりやすいです。 |
| 低解約返戻金型 | 保険料払込期間中の解約返戻金が低い分、払込満了後は解約返戻金が大きく増加します。 |
| 無解約返戻金型 | 解約返戻金は一切ない代わりに保険料は最も抑えられます。定期保険などのいわゆる掛け捨て型の保険となります。 |
終身保険を解約する時の注意点
終身保険を解約すると保障はなくなってしまいますが、解約返戻金を受け取ることができます。しかし、解約の前にはいくつか注意しておいた方がよいことがあります。どのようなことに注意が必要なのでしょうか?
解約返戻金に税金がかかる
解約返戻金を受け取る時には税金がかかる場合があります。契約者(保険料を支払っている人)と解約返戻金の受取人の関係や受け取り方によってかかる税金の種類は変わります。
契約者と解約返戻金の受取人が同じ場合は所得税の対象となります。一括で受け取る時は「一時所得」、年金形式で受け取る時は「雑所得」になります。
夫が保険料を支払って妻が受け取るというように、契約者と解約返戻金の受取人が別人の場合は贈与税の対象となります。他の贈与を含めて、1年間に受け取った金額が110万円以上になると贈与税がかかるため注意しましょう。
解約返戻率を確認する
返戻率とは、支払った保険料の総額に対して受け取れる返戻金の割合を表したものです。この返戻率が高いほど解約時に受け取れる金額が多くなります。例えば、保険料総額が500万円で解約返戻率が110%の場合に受け取れる解約返戻金は550万円となり、支払った保険料より多くの金額を受け取れることになります。
特に低解約返戻金型の終身保険では、払込期間中の返戻率は従来型の70%程度と低いものの、払込満了後は従来型と同程度に上がります。解約したのに思ったよりお金を受け取れなかった…とならないように、解約前には返戻率を確認しておきましょう。
終身保険に入り直すと保険料が高くなることが多い
解約返戻金を受け取ったものの、やはり死亡保障は必要だったというような場合、同じ保険金額の終身保険に入り直すと保険料は上がることが多いです。一般的に年齢が上がると死亡リスクも高くなるため、保険料も割高になってしまうからです。
また、持病など健康状態によっては同じ保険でも再加入が難しくなるケースがありますので注意しましょう。
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保障継続と解約のどっちがいい?

終身保険の払込満了を迎えたとき、「このまま保障を続けるべきか、それとも解約して資金を受け取るべきか」で悩む方もいるかもしれません。どちらがいいかは家族構成やライフプラン、そして契約している解約返戻金の状況によって変わります。ここでは、それぞれの選択が向いている人の特徴を紹介します。
保障継続が向いている人
相続対策として終身保険を利用したい人
葬儀費用などに備えたい人
健康状態に不安があり、今後新たな保険に入り直すのが難しい人
まず、相続対策として終身保険を活用したい人や万が一の時に家族にお金をのこしたい人は、払込満了後も契約を継続していくことがおすすめといえるでしょう。健康状態に不安があり新たな保険への加入が難しい人も、今ある保障を手放さない方が賢明です。一度解約すると、同じ条件・同じ保険料での再加入ができない可能性が高いからです。
解約が向いている人
まとまった資金が必要になった人
死亡保障の必要性が下がった人
自分で資産運用したい人
教育資金や住宅資金、老後資金などを貯める目的で終身保険に加入した人などで、まとまった資金が必要なタイミングが訪れた場合は解約がおすすめといえます。自分で資産を運用したい、他の金融商品にしたい人にとっても、解約返戻金は十分な資金源となるでしょう。また、子どもが独立した場合や住宅ローンを完済した場合など、大きな死亡保障が必要なくなった時も解約を検討してもよいでしょう。
よくある質問

- 終身保険に満期はある?
終身保険には定期保険のような「満期」はありません。
死亡保障がある定期保険では5年や10年の保険期間を設定できますが、保険期間が終わり満期を迎えた後は保障も終わります。契約を更新することもできますが、一般的に年齢に応じて保険料も割高になります。
一方で終身保険では満期はないため、60歳払込満了などですべての保険料を支払った後も保障は生きている限りずっと続きます。保険料は加入時から変わらず一定のままです。
- 払込満了後も終身保険の解約返戻金は増える?
保険料を支払い終えた後もそのまま据え置くことで解約返戻金は増えていきます。すぐにお金が必要でなければ、保障を継続して資金が必要になったタイミングで解約することも可能です。
- 払込満了前に解約したらどうなる?
払込満了前に解約しても解約返戻金が出ますが、払い込んだ保険料より少ない金額しか戻ってこないことがあります。特に契約してすぐに解約すると元本割れしてしまうため、保険料を支払い続けていけるかどうかを契約前に確認しておくことが大切です。
まとめ
終身保険は、払込満了後も解約しない限り保障が一生涯続き、相続対策や葬儀費用への備えとして活用できます。一方で、まとまった資金が必要な場合や死亡保障の必要性が下がった場合は、解約して解約返戻金を受け取る選択肢もあります。払込満了後に保障を継続するか解約するかは、家族構成やライフプラン、解約返戻率、税金の有無などを確認したうえで判断しましょう。
