収入保障保険は被保険者が死亡あるいは高度障害を負ったときに、そこから満期まで年金形式で家族が保険金を受け取ることができる死亡保険です。保険金は年金形式ではなく一括で受け取ることもできます。それぞれの保険金の受け取り方の特徴と税負担の違いについて紹介します。
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年金形式と一括受取の特徴
年金形式
毎月10万円を満期まで受け取るというように年金形式で保険金を受け取る場合、一定額の定期的な収入となるので保険金を日々の生活費に充てやすいです。一度に入る保険金の金額は限られるので無駄遣いしてしまいにくく、また仮に無駄遣いしてしまったとしてもその悪影響は限られます。
一方で、一度に大きな金額が手に入るわけではないので、葬儀費用など一度に大きな金額がかかるものの当てにすることは難しいです。そもそも収入保障保険は保険金額が減少していくことと保険期間が一定期間で定められていることから葬儀費用目的で契約するには向いていないのですが、その他の一度に大きな金額が必要なものの支払にも使いづらいということは理解しておきましょう。
一括受取
収入保障保険では保険金を一度に受け取る一括受取も選ぶことができます。一括受取の場合、受け取れる保険金は年金形式の合計額よりも減少してしまいます。なぜ年金形式の総受取額よりも減ってしまうかというと、年金形式の保険金は保険金を支払え終えるまでの期間で保険会社が運用して増える分も考慮されているからです。一括受取では将来の運用で増える分が含まれないため、年金形式の総額よりも受け取れる保険金が減ってしまうのです。被保険者が死亡するのが子供の進学時期と重なってしまったなど、まとまったお金が必要な場合に検討するとよいでしょう。
なお、一括受取と年金形式を組み合わせて受け取れる場合もあります。その場合、まとまったお金として必要な分だけ一括で受け取り、残りの金額は年金形式で受け取るというようなことも可能です。
年金形式と一括受取で税金のかかり方が異なる
保険金を年金形式で受け取るのと一括で受け取るのでは保険金への税金のかかり方が異なります。どのような違いが生じるのか説明します。
※高度障害保険金には税金がかからないので、死亡保険金の場合で考えます。
年金形式の場合
保険金を年金形式で受け取る場合、被保険者が亡くなったときと年金を受け取ったときの2段階に分けて考える必要があります。
被保険者が亡くなったとき
被保険者死亡時には一時金相当額が年金受給権として相続税、あるいは贈与税の対象となります。
保険料負担者=被保険者≠保険金受取人の場合は相続税、保険料負担者≠被保険者≠保険金受取人の場合は贈与税の対象です。相続税の場合で、保険金受取人が法定相続人(相続を放棄した人や相続権を失った人は除く)の場合、「500万円×法定相続人の人数」の金額が非課税になります。また、贈与税の場合は110万円の基礎控除があります(暦年贈与の場合)。
年金を受け取ったとき
年金を受け取ったときには所得税(雑所得)・住民税の課税対象となります。なお、二重課税を避けるために、被保険者死亡時に相続税・贈与税の対象となった分については課税対象とはなりません。1年目は全額非課税で2年目から徐々に所得税・住民税の課税対象となる金額が増えていきます。
参考:国税庁(相続等により取得した年金受給権に係る生命保険契約等に基づく年金の課税関係)
保険金受取の事例別の税金の種類
保険料負担者 | 被保険者 | 保険金受取人 | 被保険者死亡時 | 年金受取時 |
---|---|---|---|---|
夫 | 夫 | 妻や子 | 相続税 (年金受給権評価額に対して) |
所得税(雑所得)・住民税 (相続税課税対象分は非課税) |
夫 | 妻 | 夫 | ‐ | 所得税(雑所得)・住民税 |
夫 | 妻 | 子 | 贈与税 (年金受給権評価額に対して) |
所得税(雑所得)・住民税 (贈与税課税対象分は除く) |
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一括受取の場合
一時金で受け取った場合、保険料負担者と被保険者と保険金受取人の関係によって相続税、所得税・住民税、贈与税のいずれかの課税対象となります。
相続税の対象となる場合
夫が自分を被保険者として収入保障保険を契約し、夫死亡時の保険金受取人が妻になっているなど、保険料負担者=被保険者≠保険金受取人の場合は相続税の対象となります。保険金受取人が相続人(相続を放棄した人や相続権を失った人は除く)の場合、「500万円×法定相続人の人数」の金額は非課税になります。
所得税・住民税の対象となる場合
夫が妻を被保険者として収入保障保険を契約し、妻死亡時の保険金受取人が夫になっているなど、保険料負担者=保険金受取人≠被保険者の場合は所得税・住民税の対象となります。受け取った保険金から払い込んだ保険料を差し引いた金額が一時所得となります。一時所得は特別控除50万円を引いた残りの金額の1/2が所得税の課税対象です。
贈与税の対象となる場合
夫が妻を被保険者として収入保障保険を契約し、妻死亡時の保険金受取人が子になっているなど、保険料負担者≠被保険者≠保険金受取人の場合は贈与税の対象です。暦年贈与の場合、110万円の基礎控除があります。
保険金受取の事例別の税金の種類
保険料負担者 | 被保険者 | 保険金受取人 | 税金の種類 |
---|---|---|---|
夫 | 夫 | 妻や子 | 相続税 |
夫 | 妻 | 夫 | 所得税・住民税 |
夫 | 妻 | 子 | 贈与税 |
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まとめ
収入保障保険は保険金を年金形式で受け取るのが一つの特徴の保険ですが、一括で保険金を受け取ることもできます。子供の進学時期に重なってしまったときなどまとまったお金が必要なときなどに活用できますが、年金形式で受け取れる総額よりは少ない額しか受け取れないことには注意しましょう。また、年金形式か一括受取かで保険金への税金のかかり方も異なってきます。契約時に受け取り方まで決める必要はないので、それぞれの受け取り方の特徴だけ理解しておき、万が一保険金を受け取ることになった場合に、そのときの経済状況や今後のお金のかかり方を鑑みて決めるとよいでしょう。
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著者情報
堀田 健太
東京大学経済学部金融学科を卒業後、2015年にSBIホールディングス株式会社に入社、インズウェブ事業部に配属。以後、一貫して保険に関する業務にかかわる。年間で100本近くの保険に関するコンテンツを制作中。