収入保障保険のコラム

家族のための死亡保障、収入保障保険と終身保険はどっちがいい?

投稿日:2019年11月19日 更新日:

自分に万が一のことがあったときに遺された人のために入る死亡保険ですが、保障される期間の違いから定期保険と終身保険に分けられます。定期保険の中でも収入保障保険と終身保険について、どのような人がどちらの保険に向いているのか紹介します。

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収入保障保険と終身保険はどんな保険?

収入保障保険とは

収入保障保険は死亡保険の中でも契約期間の定めがある定期保険の一種です。被保険者の死亡後あるいは高度障害を負った後、契約時に決めた年まで遺された家族などが毎月決められた額の保険金を受け取ることができます。一括で受け取ることができる商品もありますが、受け取れる総額は毎月受け取る方が多くなります。保険金を受け取れる終わりの年が固定で決まっているので、年を経るにつれて受け取れる保険金の総額が減少していくことになります。

収入保障保険の特徴

遺された家族が毎月一定額を受け取れる

収入保障保険は遺された家族が契約時に決めた年まで給料のように毎月一定額を受け取ることができます。大きな金額を一度に受け取ると余裕資金と勘違いして必要以上にお金を使ってしまったり資産運用で増やそうと考えたりしてしまいます。死亡保険金は今後の生活費となるお金ですから使い道を誤ると将来困ることになります。毎月一定額の受取であれば、そのような失敗もしにくくなるでしょう。

契約期間の経過とともに受取総額が減少していく

収入保障保険の最大の特徴といえるのが、契約期間の経過とともに保険金の受取総額が減少していくことです。保険金を受け取れる期間の終わりが固定で決まっていて、早く亡くなっても期間の終わり間近で亡くなっても月に受け取れる金額は変わらないため、受取総額はだんだんと減っていくことになります。

保障が減っていくと聞くと敬遠したくなりますが、必要な保障額は次第に減っていくものなので合理的な保険だともいえます。30歳で亡くなるのと50歳で亡くなるのとでは、30歳で亡くなる方が遺された家族が今後の人生で必要な生活費の総額は大きくなります。また、30歳と50歳では50歳の方が貯蓄ができているでしょう。それを考えると、家族の生活費を目的に死亡保険に加入する場合は常に一定額の保障である必要はないといえます。

掛け捨てで必要な保障に特化しているので保険料が安い

収入保障保険は掛け捨ての保険で高額な解約返戻金や満期保険金はありません。また、常に一定額の保障ではなく、次第に保障額が減少していきます。こうしたことから、貯蓄性がある終身保険や保障が一定額である定期保険よりも保険料を抑えることができます。

終身保険とは

終身保険は解約しない限り保障が一生涯続く死亡保険です。終身保険は保障が一生涯続くので、葬式費用目的や相続対策としてもよく利用されます。人はいつ死亡するのかは分からないので、期間の定めがある定期保険では備えにくいからです。また、解約時に解約返戻金を受け取ることができるので、老後資金や学資保険の代わりなど将来のための貯蓄目的で加入する人もいます。

終身保険の特徴

保障が一生涯続く

終身保険の保障は解約しない限り一生涯続きます。解約しなければ何歳で亡くなったとしても遺族が保険金を受け取ることができます。

解約返戻金がある

終身保険は解約返戻金があるので、保障が不必要になったときやまとまったお金が必要になったときに解約するといくらかお金が戻ってきます。契約内容などにもよりますが、一般に契約してからの期間が長くなるほど解約返戻金が多くなり、払込期間満了後は保険料の総払込額より解約返戻金の方が多くなるものもあります。

保険料が変わらない

終身保険は保障が一生涯続く保険であり、途中で契約の更新をするということはありません。そのため、終身保険の保険料は更新のたびに年齢が上がったからといって保険料増えるということはなく一定です。なお、収入保障保険も更新しないので保険料は上がりません。

収入保障保険と終身保険のどちらが向いている?

収入保障保険と終身保険について、それぞれどのような特徴の保険か紹介してきました。収入保障保険と終身保険でどちらの保険に入った方がよいか分からない、という場合はどのような目的で保険に入りたいのか整理して、その目的に合った保険に入るようにしましょう。

収入保障保険が向いているのは?

収入保障保険が向いているのは、自分が現役の間に万が一のことがあった場合の家族の生活費を確保したいという人です。収入保障保険で保障を受けられるのは60歳や65歳までなどの期間です。老後も葬祭費などのために死亡保障が欲しいという場合には向いていません。また、掛け捨てで保険料が割安なので貯蓄は保険に頼らないという人にもうれしいところです。

終身保険が向いているのは?

終身保険が向いているのは葬祭費用目的などで老後も死亡保障が欲しいという人や保険で貯蓄もしたいという人です。終身保険は解約しない限り一生涯の死亡保障を受けられ、解約した場合も解約返戻金を受け取れます。現役時を無事に過ごせたら解約して老後資金にしたいという場合や老後も死亡保障を残しておきたいという場合は終身保険が向いています。ただし、終身保険は保険料が高めです。最近はマイナス金利の影響で利率が下がっていることもあり、死亡保障も貯蓄もすべて終身保険で賄おうと思ったらかなり高額な保険料を覚悟しなければなりません。1つの保険で解決しようとするのではなく、死亡保障と貯蓄は分けて考えるのがよいかもしれません。

まとめ

収入保障保険は掛け捨ての死亡保険で現役時に万が一のことがあった場合に家族にお金を残せる保険です。年をとるにつれて今後に必要な生活費の合計額は減っていくので、それに合わせて収入保障保険の保障額の合計も減っていきます。保険料を抑えながらも死亡保障を確保することができます。

終身保険は一生涯の死亡保障がある保険で解約時に解約返戻金を受け取れる貯蓄性のある保険です。老後にも死亡保障が欲しいという場合や貯蓄も一緒に考えたいという場合に向いています。ただし、保険料は高めなので途中で保険料が払えなくなって解約してしまわないように注意する必要があります。

収入保障保険と終身保険は同じ死亡保険ではありますが、どのような人に向いているかは異なります。自分が何のために保険に入りたいのか整理して、その目的に合わせた保険を選ぶようにしましょう。


堀田健太

著者情報

堀田 健太
東京大学経済学部金融学科を卒業後、2015年にSBIホールディングス株式会社に入社、インズウェブ事業部に配属。以後、一貫して保険に関する業務にかかわる。年間で100本近くの保険に関するコンテンツを制作中。

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