一般的に健康な人しか契約することができないイメージがある医療保険ですが、ヘルニア持ちでも入れる医療保険はあるのでしょうか?解説していきます。
目次
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椎間板ヘルニアとは
椎間板ヘルニアとは背骨の骨と骨の間でクッションの役割を果たしている椎間板の中身である髄核が飛び出すことをいいます。飛び出した髄核が神経を圧迫して腰や足に激しい痛みやしびれなどの症状が起こります。症状が重かったり長引いたりする場合は入院・手術をすることになります。
椎間板ヘルニアでも医療保険に入れる?
ヘルニアの人は健康な人よりも入院・手術をする可能性が高いので医療保険には入りづらくなります。加入できたとしても一定の期間は特定部位不担保の条件が付くことが多いでしょう。特定部位不担保とは、指定された部位について保障の対象外となることをいいます。椎間板ヘルニアの場合は一定期間(5年間など)は腰部について保障の対象外とするというような条件となります。
一方、がん保険や死亡保険については問題なく加入できることも多いです。椎間板ヘルニアになったからといってがんになるリスクが高くなったり死亡するリスクが高くなったりするわけではないからです。
症状や経過年数などによって全く医療保険に入れないというわけではないので、加入できないのか問い合わせてみるのがよいでしょう。
ヘルニアでも保険に加入するには?
1.引受基準緩和型医療保険
引受基準緩和型医療保険とは、漢字の通り保険会社が契約を引き受ける基準を緩和している医療保険です。具体的には、健康状態に関する告知が緩くなっていて、3~5個の健康状態に関する質問に「いいえ」と答えることができれば申し込むことができます。告知項目が限定されていることから限定告知型として売り出されている場合もあります。
告知項目は保険会社によって異なりますが、イメージとしては以下のような形です。
- 現在入院中ですか?
- 過去3か月以内に入院や手術、検査をすすめられたことはありますか?
- 過去2年以内に病気やケガで入院したことや手術をしたことはありますか?
- 過去5年以内にがん(悪性新生物)で入院または手術をしたことはありますか?
※あくまでもイメージです。告知項目は保険会社によって異なります。
通常の医療保険でもいえることですが、契約を引き受ける基準は保険会社によって異なります。A社では入れなかったけどB社では加入できたということも起こり得ます。医療保険に入りたいという場合は保障内容を比べるという意味でも複数の会社を比較してみることが大切です。
2.無選択型保険
引受基準緩和型保険より加入条件が厳しくない保険に、無選択型保険があります。無選択型保険では加入のための審査はなく、加入時の傷病歴や健康状態の告知もないため誰でも加入することができます。しかし、引受基準緩和型保険と同様に、通常の生命保険に比べて補償内容は薄く、保険料が高額である場合が多いです。
したがって、ヘルニアがある場合に生命保険への加入を考えているときは、まず通常の生命保険への加入を検討し、通常の生命保険に加入できないとわかったら、引受基準緩和型保険や無選択型保険への加入を検討すると良いでしょう。
一般的な医療保険との違いは?
それぞれの特徴!
項目 | 一般的な保険 | 引受基準緩和型医療保険 | 無選択型保険 |
---|---|---|---|
保険料 |
安い |
割高 | 高い |
告知 | 必要 | 限定的 (項目が少ない) |
不要 |
保障内容 | 広い | やや限定的 | 限定的 |
引受基準緩和型医療保険は持病があっても入りやすい、持病の悪化・再発も保障される(責任開始時前にすでに医師にすすめられていた入院・手術などの場合は対象外)といったメリットがありますが、いくつかのデメリットもあります。どのようなデメリットがあるのか紹介します。
保険料が割高
引受基準緩和型医療保険は通常の医療保険と比べて保険料が高く設定されています。健康な人よりも入院・手術をする可能性が高い人が加入する保険なので、保険金請求の可能性も高く、通常の医療保険の保険料と同じでは保険として続けていくことができません。そのため、保険料が高く設定されているのです。
一定期間内は保障が半減される商品が多い
加入後1年間など一定期間内は入院給付金や手術給付金などの給付額が50%に削減される商品も多いです。椎間板ヘルニア以外の病気・ケガでも給付額が削減されてしまいます。ただし、最近は保障1年目から給付金が全額受け取れるような商品も出てきています。
特約のバリエーションが少ない
引受基準緩和型医療保険では選択できる特約の種類が同じ保険会社の通常の医療保険と比べて少なくなっていることがあります。また、特約が用意されていても通常の医療保険のものよりも保険料が高く設定されていることもあります。
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ヘルニアを隠すのはNG
通常の医療保険に入りたいからといって椎間板ヘルニアであることを隠して医療保険に申し込んではいけません。仮にそれで加入できたとしても、入院や手術をして給付金の請求を行ったときに改めて診断した医療機関や医師への問い合わせ、健康保険の利用履歴の照合などの調査が入ります。
調査で椎間板ヘルニアであることを隠していることが分かった場合、給付金が支払われなかったり契約が解除されたりします。給付金請求の事由と告知義務違反(この場合では椎間板ヘルニアを隠していたこと)との間に因果関係がなければ給付金は支払われることになっていますが、椎間板ヘルニアの悪化で入院・手術をしたというような場合は給付金は受け取れません。契約の解除は保険会社の判断によりますが、意図的に隠すのは悪質と判断されて契約解除される可能性が高いでしょう。契約を解除されても保険料は返還されません。
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通院保障は基本的に入院が必要
通常の医療保険も含めて、医療保険は基本的に入院・手術に対しての保障なので通院治療は保障の対象外です。特約で通院保障を付けられる医療保険も多くありますが、基本的に保障対象は退院後の通院となっています。さらに手厚く入院前の通院も保障対象とする保険商品もありますが、これも入院がキーとなっていて、入院せずに通院だけしていた場合は保障対象外です。入院を伴わない通院が保障対象となる医療保険はほぼありません。椎間板ヘルニアは手術をせずに保存療法のみで良くなることも期待できるので、通院保障は基本的に入院がキーとなっていることは覚えておく必要があります。
まとめ
椎間板ヘルニアの場合、通常の医療保険には入りづらくなります。加入できる場合でも一定期間の特定部位不担保が条件となることも多いです。通常の医療保険に加入できない場合や特定部位不担保がつくのを嫌う場合は引受基準緩和型医療保険を検討しましょう。健康状態に関する告知項目が限定されているので持病があっても入りやすくなっています。引受基準は保険会社によって異なるので、医療保険に入りたいという場合は複数の会社を比較してみるのがよいでしょう。
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著者情報
堀田 健太
東京大学経済学部金融学科を卒業後、2015年にSBIホールディングス株式会社に入社、インズウェブ事業部に配属。以後、一貫して保険に関する業務にかかわる。年間で100本近くの保険に関するコンテンツを制作中。