一般的に健康な人しか契約することができないイメージがある医療保険ですが、ヘルニア持ちでも入れる医療保険はあるのでしょうか?解説していきます。
目次
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椎間板ヘルニアとは
椎間板ヘルニアとは背骨の骨と骨の間でクッションの役割を果たしている椎間板の中身である髄核が飛び出すことをいいます。飛び出した髄核が神経を圧迫して腰や足に激しい痛みやしびれなどの症状が起こります。症状が重かったり長引いたりする場合は入院・手術をすることになります。
ヘルニアが完治していれば保険加入できる?!
ヘルニアにかかったことがあるからといって、医療保険に加入できないわけではありません。
ヘルニアの治療期間、治療内容(手術の有無)や現在の症状によって加入できるかどうかが変わってきます。 医療保険は入院・手術の保障がメインとなる為、保険加入後にそれらのリスクがあると判断されてしまうと、保険加入は難しくなります。
しかし、完治して暫くは問題ない、とそれらのリスクが低いと判断された場合には、保険加入できる可能性があります。
手術後2年以上経過している◎
手術後完治して2年以上経過している場合は、問題なく医療保険に加入できるでしょう。もし、特別条件付き加入となっても、保険会社によって加入基準が異なりますので、他の保険会社では加入できる可能性があります。他の保険会社にも申込んでみるとよいでしょう。
治療中or完治後間もない・手術なし△
ヘルニアで通院治療中、あるいは完治して間もない状態で、かつ手術の予定がない場合は、腰・脊柱が一定期間保障対象外になる特別条件付き加入になる可能性があります。
保存加療中で症状が安定しており手術の予定がない場合などは、問題なく加入できる可能性があります。
治療中・手術あり✕
ヘルニアで通院治療中で手術の予定がある場合は、お断わりされてしまう可能性があります。手術して完治してから加入申込することをお勧めします。
ヘルニア治療で医療保険はおりる?!
医療保険では、ヘルニアが原因で治療を目的とした入院・手術・通院が対象になります。ヘルニア治療が対象になる3パターンを紹介します。
①入院のみ
ヘルニア治療は、まずは手術を行わずに薬物療法、温熱療法やリハビリなどの保存療法が行われます。保存療法は基本的に通院治療となりますが、入院を必要とする場合もあります。
その場合、保存療法を目的とした入院が、入院給付金の対象になります。
受け取れる給付金
契約している医療保険に入院一時金の付帯もあれば、入院一時金の対象となります。
- 入院給付金日額×入院日数
- 入院一時金
②手術+入院
保存療法で症状が改善しない場合や症状が悪化し手術をした場合には、手術給付金が支払われます。診療明細書に手術料として算定されている手術が手術給付金の対象となります。
なお、手術給付金でも支払対象外の手術とされている術式には、給付金は支払われません。
手術給付金の対象になるヘルニア手術の例
・椎間板摘出術
・内視鏡下椎間板摘出術
・脊柱固定術
また、これらの手術には、数日間の入院が必要になります。この手術に伴う入院についても、入院給付金の対象になります。
受け取れる給付金
手術給付金倍率は、ほとんどの医療保険では入院中の手術は10倍、通院中は5倍と設定されています。
したがって、入院ありのヘルニア手術を受けた場合、入院給付金日額×10倍の手術給付金を受け取ることができます。
- 入院給付金日額×入院日数
- 入院一時金
- 入院給付金日額×手術給付金倍率
③手術+入院+通院
手術と入院をして、退院後リハビリや経過観察のなどの為に通院した際には、通院給付金の対象になります。
また、入院・手術と同じ原因となった疾病の治療を目的とした通院が対象となります。
受け取れる給付金
通院給付金は、限度日数や支払対象期間が、保険商品ごとに設定されています。また、対象となる通院は退院後あるいは、入院前の通院も対象としている商品もありますので、保障範囲を確認しておくと良いでしょう。
- 入院給付金日額×入院日数
- 入院一時金
- 入院給付金日額×手術給付金倍率
- 通院給付金×通院日数
ヘルニアの通院治療は保障される?!
ヘルニアで通院治療を行った際には、入院を伴う通院であれば基本的に保障されます。入院がなく通院治療のみの場合や、治療を目的としない通院の場合は対象外となります。
なお、保険会社によっては、入院がなくとも通院が保障される商品もありますので、いくつか比較してみると良いでしょう。
通院が保障されるポイント
・通院保障がついている。
・入院後の通院
・入院の原因となった疾病の治療を目的とした通院
・支払い対象期間内の通院
通院給付金がおりないケース
通院のみ(入院なし)
ほとんどの医療保険では、入院が伴わない通院治療は給付金の対象外となっています。
ヘルニア治療において、まずは、薬物療法、神経ブロック注射や理学療法・運動療法などの「保存療法」が行われます。痛みが強くなったり改善がみられない場合に「手術療法」に移行します。
この保存療法が通院のみであった場合、医療保険では対象外になります。
なお、通院保障特約の中には入院がなくても、通院治療が対象になる通院治療特約もあります。
マッサージや疲労回復のための整骨院通院
通院給付金が対象になるのは、基本的に‟入院の原因となった疾病の治療を目的とする通院”となります。
したがって、マッサージや疲労回復のみが目的の通院は対象外になります。
なお、主治医により入院と同じ疾患が原因で、マッサージが必要であると診断を受けた際には対象になります。
例えば、ヘルニアで入院し、その後‟ヘルニアの痛みを和らげる為に整骨院でのマッサージが必要”と主治医より診察を受けた際には、マッサージでの通院が支払い対象となるケースもあります。
ヘルニアでも加入できる?!保険3選
がん保険
がん保険はがんになった時、がんの治療を目的とした入院・手術・通院などが支払われる保険です。
ヘルニアはがん化することがなく、がん保険加入後でもがんによる入院や手術のリスクがありません。
したがって、ヘルニア治療中や過去にヘルニアを患っていても、がん保険には問題なく加入出来るでしょう。
死亡保険
死亡保険は万一自分が亡くなった時に、遺された家族に死亡保険金が支払われる保険です。
ヘルニアには死亡保険加入後にヘルニアが直接的な理由となって死亡するリスクは低いことから、ヘルニアでも死亡保険に問題なく加入できることが多いです。
就業不能保険
怪我や病気が原因で働けない状態になった際に、就業不能給付金としてまとまった給付金を受け取れる保険です。
ヘルニア治療中の場合、症状や治療状況によりますが特別条件付き加入になる可能性があります。ヘルニアを抱えていると、保険加入後もヘルニアが原因で働けなくなる可能性が少なからずあるためです。
医療保険に加入できなかった場合は?
通常の医療保険やがん保険への加入は断られてしまったという場合や、治療中のヘルニアの保障にも備えておきたい場合には、「引受基準緩和型医療保険」を検討してみましょう。
引受基準緩和型医療保険では健康状態に関する告知が3~5項目程度で、その質問にすべて「いいえ」と答えることができれば申し込みが可能となっています。告知項目は以下のようなイメージです。
- 現在入院中ですか?
- 過去3か月以内に入院や手術、検査をすすめられたことはありますか?
- 過去2年以内に病気やケガで入院したことや手術をしたことはありますか?
- 過去5年以内にがん(悪性新生物)で入院または手術をしたことはありますか?
※あくまでもイメージです。告知項目は保険会社によって異なります。
引受基準が緩くなっているとはいえ、入院や手術をしてすぐには加入できませんが、術後数年経過していれば加入できる可能性はあります。保険会社によって告知項目は異なるため、何社か比較してみることをおすすめします。
引受基準緩和型医療保険では、持病の悪化や再発も保障されるため、ヘルニアの悪化にも備えることができます。通常の医療保険で特定部位不担保の条件付きとなったが、再発や悪化に備えたい方は検討してみるとよいでしょう。
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引受基準緩和型のデメリットは?
引受基準緩和型医療保険は持病があっても入りやすいというメリットがありますが、いくつかのデメリットもあります。
- 保険料が割高
引受基準緩和型医療保険は通常の医療保険と比べて保険料が高くなっています。 - 特約が少ない
特約の種類が通常の医療保険と比べて少なくなっていることがあります。 - 一定期間は保障が半分になる商品もある
加入後1年間など一定期間内は入院給付金や手術給付金などの給付額が50%に削減される商品もあります。しかし最近では保障が削減される期間がない商品も出てきているため、加入直後から満額の保障を受けたい場合には複数の商品を比べてみるのがよいでしょう。
ヘルニア治療後でも入れる保険を探してみる
ヘルニア通院を隠すと告知義務違反?!
ヘルニアの手術・入院に備えておきたいために医療保険に椎間板ヘルニアで通院していることを隠して申し込むと、告知義務違反になります。
仮に加入できたとしても、給付金請求時には保険会社からの調査によってバレてしまいます。
告知義務違反になった場合、給付金が支払われなかったり契約が解除されたりします。給付金請求の事由と告知義務違反(この場合では椎間板ヘルニアを隠していたこと)との間に因果関係がなければ給付金は支払われることになっていますが、椎間板ヘルニアの悪化で入院・手術をしたというような場合は給付金は受け取れません。契約を解除されても保険料は返還されません。
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まとめ
椎間板ヘルニアの場合、通常の医療保険には入りづらくなります。加入できる場合でも一定期間の特定部位不担保が条件となることも多いです。通常の医療保険に加入できない場合や特定部位不担保がつくのを嫌う場合は引受基準緩和型医療保険を検討しましょう。健康状態に関する告知項目が限定されているので持病があっても入りやすくなっています。引受基準は保険会社によって異なるので、医療保険に入りたいという場合は複数の会社を比較してみるのがよいでしょう。

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著者情報
堀田 健太
東京大学経済学部金融学科を卒業後、2015年にSBIホールディングス株式会社に入社、インズウェブ事業部に配属。以後、一貫して保険に関する業務にかかわる。年間で100本近くの保険に関するコンテンツを制作中。
