厚生労働省の令和2年患者調査によると、喘息は総患者数が推計で179.6万人と身近な病気の一つです。一般に、持病がある方はない方と比べて医療保険への加入が難しくなりますが、喘息でも医療保険に入ることはできるのでしょうか。
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喘息でも医療保険に入れる可能性はある
持病がある方は医療保険に入ることが難しくなりますが、喘息だからといって一律で医療保険への加入を断られるということもありません。症状の程度や治療の内容などにより医療保険に加入できることもありますので、加入したい医療保険がありましたら喘息であることを告知したうえで申し込みをしてみましょう。また、保険会社によって契約を引き受ける基準が違いますので、1社に断られてもそれであきらめるのではなく、他の会社を試してみるのもよいでしょう。
条件が付くことも
喘息の告知をして医療保険に申し込んだ場合、契約することができたとしても割増保険料や特定部位不担保などの条件が付くことがあります。喘息の患者の場合、医療保険の給付金が支払われる可能性が健康な人と比べて高いと考えられるので、契約者間の公平性を保つためにこうした条件が付くのです。
割増保険料の条件が付いた場合はその名の通り、通常よりも保険料を上乗せして契約することになります。
特定部位不担保の場合は、気管など指定された部位に関して給付金の支払事由に該当しても保険会社の指定の期間内は給付金が支払われません。喘息による入院を心配して医療保険に加入しても指定期間内は給付金を受け取ることができないので、どのような条件になっているのかはよく確認するようにしましょう。
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一括資料請求スタート加入を断られた場合は引受基準緩和型も検討しよう
残念ながら症状などによっては通常の医療保険には加入できないこともあります。しかし、その場合でも引受基準緩和型の医療保険であれば加入できる可能性があります。
引受基準緩和型医療保険とは、その名の通り、保険会社が契約を引き受ける基準を緩和している医療保険です。具体的には、健康状態に関する告知が3~5項目程度の「はい」か「いいえ」で答えられる質問になっていて、その質問にすべて「いいえ」と答えることができれば申し込みが可能となっています。告知が限定されていることから保険会社によっては「限定告知型」として販売していることもあります。
告知項目のイメージとしては以下の通りです。
- 現在入院中ですか?
- 過去3か月以内に入院や手術、検査をすすめられたことはありますか?
- 過去2年以内に病気やケガで入院したことや手術をしたことはありますか?
- 過去5年以内にがん(悪性新生物)で入院または手術をしたことはありますか?
※あくまでもイメージです。告知項目は保険会社によって異なります。
引受基準緩和型医療保険は持病のある方や健康状態に不安がある方でも入りやすくなっています。喘息で通常の医療保険への加入を断られたけど、どうしても医療保険に入りたいという場合には引受基準緩和型医療保険も検討してみましょう。
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緩和型医療保険の資料請求へデメリットはある?
喘息など持病があっても入りやすい引受基準緩和型医療保険ですが、通常の医療保険と比べてデメリットといえる部分もあります。どのようなデメリットがあるのか紹介します。
保険料が割高
引受基準緩和型医療保険は通常の医療保険と比べて保険料が高くなっています。持病がある方は健康な方と比べて入院・手術をする確率が高く、したがって、保険金を請求する確率も高くなります。通常よりも多くの保険金が請求されるのに保険料が同じでは保険を継続して運営していくことができません。そのため、引受基準緩和型医療保険は通常の医療保険と比べて保険料が高くなっているのです。
一定期間は保障が半分になる商品が多い
加入後1年間など一定期間内は入院給付金や手術給付金などの給付額が50%に削減される商品が多くなっています。持病と関係がない病気・ケガによる入院や手術であっても保障額が減らされてしまいます。契約を引き受ける基準を緩和しているので、保険会社側のリスクを低減させるためにこうした設計となっているのです。しかし最近ではこの保障が削減される期間がない商品も出てきています。
特約のバリエーションが少ないこともある
引受基準緩和型医療保険では選択できる特約の種類が同じ保険会社の通常の医療保険と比べて少なくなっていることがあります。入院や手術以外にも様々なことに備えたいと思っていても該当する特約がなく、保障をあきらめざるを得なかったり別の保険を探さなければいけなかったりすることもあるのです。また、特約が用意されていても通常の医療保険のものよりも保険料が高く設定されていることもあります。
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喘息の通院で保険はおりる?
通院保障ありでも入院無しの通院は対象外
通院保障がついていない医療保険は通院は保障対象外となっています。また、通院保障は入院後の通院を対象としていることが多いため、入院無しで通院治療のみを行った場合は基本的に保険金や給付金の支払い対象外となります。
告知は隠さず正確に
どうしても医療保険に加入したいという気持ちから喘息であることを隠して医療保険に入ろうとする人もいます。しかし、喘息のことを隠して医療保険に加入できたとしても、入院などをして給付金の申請を行う際に審査が入り、そこで喘息を隠していたことが分かると、給付金が支払われなかったり契約自体を解除されてしまったりします。
医療保険に加入するのは入院や手術をしたときの金銭的な負担を軽減するためだと思います。しかし、加入するときに嘘をつくと、肝心な給付金を受け取れないばかりか、契約も解除されて今まで支払ってきた保険料が無駄になってしまう可能性もあります。告知事項については嘘をつかずに正確に告知するようにしましょう。
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まとめ
一般に、持病があると医療保険の加入が難しくなりますが、持病があったら絶対に医療保険に加入できないということはありません。喘息の場合も、医療保険に加入できない場合ももちろんありますが、問題なく加入できる場合もあります。医療保険に加入したいという場合はまずは通常の医療保険に申し込んでみるとよいでしょう。
そして、そのうえで特定部位不担保などの条件が付いてその条件を許容できない場合や契約を断られてしまった場合などでは引受基準緩和型医療保険を検討してみましょう。健康状態に関する告知が限定されているので持病がある方でも加入しやすくなっています。通常の医療保険にも言えることですが、保険会社によって引受基準は異なるので、保障内容を比較する意味でも、複数の保険会社の医療保険を比較・検討するようにしましょう。
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著者情報
堀田 健太
東京大学経済学部金融学科を卒業後、2015年にSBIホールディングス株式会社に入社、インズウェブ事業部に配属。以後、一貫して保険に関する業務にかかわる。年間で100本近くの保険に関するコンテンツを制作中。