大腸ポリープは自覚症状がないことも多く、健康診断や人間ドッグで急に見つかって驚いたという人も多いのではないでしょうか。大腸ポリープの場合、見つかったら切除するということが多いですが、ポリープを切除した場合、その後医療保険に加入することはできるのでしょうか。
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良性ポリープでの医療保険への加入は?
大腸ポリープが見つかった場合、術後検査の内容や経過により部位不担保等の条件付きで通常の医療保険に加入できる場合があります。部位不担保の条件が付いた場合、保険会社から提示された期間は指定された部位の病気やケガで入院や手術をしても保険金を受け取ることはできません。他の部位の場合は通常通り保険金を受け取れます。
加入の基準は保険会社により異なりますので、切除したポリープの個数や大きさ、残っているポリープの有無、病理組織診断結果等の情報を正しく保険会社へ伝えましょう。
悪性だった場合は?
ポリープの検査の結果、良性ではなく悪性だった場合もあります。悪性だった場合、入院・手術の必要性が高まるため、通常の医療保険への加入は非常に厳しくなります。しかし、治療後5年経過していれば次に紹介する引受基準緩和型医療保険に加入できる可能性はあります。
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引受基準緩和型なら加入しやすい
通常の医療保険への加入は断られてしまったという場合でも引受基準緩和型医療保険であれば加入できる場合があります。広告などで「持病があっても入りやすい」などと宣伝している医療保険です。
引受基準緩和型医療保険では健康状態に関する告知が3~5項目程度の「はい」か「いいえ」で答えられる質問になっていて、その質問にすべて「いいえ」と答えることができれば申し込みが可能となっています(健康状態に関すること以外で契約できない場合もあります)。告知項目は以下のようなイメージです。
- 現在入院中ですか?
- 過去3か月以内に入院や手術、検査をすすめられたことはありますか?
- 過去2年以内に病気やケガで入院したことや手術をしたことはありますか?
- 過去5年以内にがん(悪性新生物)で入院または手術をしたことはありますか?
※あくまでもイメージです。告知項目は保険会社によって異なります。
引受基準緩和型といっても入院や手術をしてすぐには加入できません。しかし、そうでなければ通常の医療保険に加入できなかった方でも加入できる可能性は十分にあります。保険会社によって告知項目は異なるので、何社か比較してみるとよいでしょう。
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引受基準緩和型にデメリットはある?
引受基準緩和型医療保険は持病があっても入りやすいというメリットがありますが、いくつかのデメリットもあります。どのようなデメリットがあるのか紹介します。
保険料が割高
引受基準緩和型医療保険は通常の医療保険と比べて保険料が高くなっています。持病がある方は健康な方と比べて入院・手術をする確率が高く、したがって、保険金を請求する確率も高くなります。通常よりも多くの保険金が請求されるのに保険料が同じでは保険を継続して運営していくことができません。そのため、引受基準緩和型医療保険は通常の医療保険と比べて保険料が高くなっているのです。
一定期間は保障が半分になる商品が多い
加入後1年間など一定期間内は入院給付金や手術給付金などの給付額が50%に削減される商品が多くなっています。持病と関係がない病気・ケガによる入院や手術であっても保障額が減らされてしまいます。契約を引き受ける基準を緩和しているので、保険会社側のリスクを低減させるためにこうした設計となっているのです。しかし最近ではこの保障が削減される期間がない商品も出てきています。
特約のバリエーションが少ないこともある
引受基準緩和型医療保険では選択できる特約の種類が同じ保険会社の通常の医療保険と比べて少なくなっていることがあります。入院や手術以外にも様々なことに備えたいと思っていても該当する特約がなく、保障をあきらめざるを得なかったり別の保険を探さなければいけなかったりすることもあるのです。また、特約が用意されていても通常の医療保険のものよりも保険料が高く設定されていることもあります。
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ポリープ切除を告知しないと契約解除や保険金が出ない可能性も
ポリープ切除を告知すると医療保険に入りづらくなるからといって告知せずに加入するのはいけません。加入後、入院や手術などをして保険金を請求した際の審査でポリープ切除を告知していなかったことが分かると、告知義務違反として保険金が支払われなかったり契約を解除されたりする可能性があります。
医療保険に加入するのは保険会社にお金を払うためではなく、入院や手術をしたときに保険金を受け取って金銭的な負担を軽減するためだと思います。しかし、加入する際に嘘をつくと、肝心な保険金を受け取れないばかりか、契約も解除されて今まで支払ってきた保険料が無駄になってしまう可能性もあります。告知事項については嘘をつかずに正確に告知するようにしましょう。
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まとめ
大腸ポリープを削除した場合でも通常の医療保険に加入できる可能性はあります。部位不担保などの条件が付く場合もありますが、まずは通常の医療保険にトライしてみるのがよいでしょう。通常の医療保険への加入を断られた場合は引受基準緩和型医療保険を検討してみましょう。通常の医療保険よりも保険料が高いなどのデメリットはありますが、持病や健康状態に不安がある方でも加入しやすくなっています。保険会社によって引受基準は異なるので、A社で断られてもB社では加入できるということもあり得ます。複数の保険会社の商品を比較してみるのがよいでしょう。
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著者情報
堀田 健太
東京大学経済学部金融学科を卒業後、2015年にSBIホールディングス株式会社に入社、インズウェブ事業部に配属。以後、一貫して保険に関する業務にかかわる。年間で100本近くの保険に関するコンテンツを制作中。