バセドウ病は甲状腺ホルモンが過剰に分泌され、甲状腺機能が亢進(こうしん:必要以上に活発になった状態)する病気です。よく見られる症状としては、疲れやすい、動悸、手の震え、暑がり、多汗、甲状腺のはれ、眼球突出などがあります。
一般に持病がある場合は医療保険に加入することが難しくなりますが、バセドウ病の方が入れる医療保険はあるのでしょうか。
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バセドウ病でも医療保険に入れる?
バセドウ病は若い年代の方がかかることも多く、バセドウ病の診断がついたときには医療保険に入っていなかった、真剣に考えていなかったという人もいるのではないでしょうか。しかし、一般に認識されている通り、持病があると健康な方よりも医療保険には入りづらくなります。
とはいえ、一度バセドウ病になったら医療保険に絶対に入れなくなるということはありません。契約できるかどうかの基準は保険会社によって異なりますが、寛解した後に一定の年数が経っていれば加入できる、甲状腺に関する病気は一定期間保障対象外とする条件で加入できるなど条件によっては医療保険に加入できる場合があります。
また、医療保険の加入を断られた、甲状腺を保障対象外とするのは避けたいという場合は、次に紹介する引受基準緩和型医療保険という手もあります。
引受基準緩和型医療保険とは
引受基準緩和型医療保険とは、漢字の通り保険会社が契約を引き受ける基準を緩和した医療保険です。CMなどで「持病があっても入りやすい」などと宣伝しているのを聞いたことがある人も多いと思います。
引受基準緩和型医療保険では、保険会社に知らせる健康状態に関する告知が「はい」か「いいえ」で答えられる3~5項目の質問となっています。内容は保険会社によって異なりますが、以下のようなイメージです。
- 現在入院中ですか?
- 過去3か月以内に入院や手術、検査をすすめられたことはありますか?
- 過去2年以内に病気やけがで入院したことや手術をしたことはありますか?
- 過去5年以内にがん(悪性新生物)で入院または手術をしたことはありますか?
※あくまでもイメージです。告知事項は保険会社によって異なります。
通常の医療保険にもいえることですが、契約を引き受ける基準は保険会社によって異なります。A社の医療保険には加入できなかったけどB社では加入できた、というようなことも起こります。医療保険への加入を希望する場合は複数社の商品を比較してみることが大切になります。
引受基準緩和型医療保険のメリットとデメリット
引受基準緩和型医療保険は通常の医療保険に入れない人の救世主のように思うかもしれませんがデメリットもあります。引受基準緩和型医療保険のメリット・デメリットについて紹介します。
メリット
持病があっても入りやすい
引受基準緩和型医療保険は持病がある方でも入りやすくなっています。バセドウ病と診断された後に医療保険に加入しようとして断られた、甲状腺に関する保障が一定期間不担保となったというような場合でも入りやすいというのが引受基準緩和型医療保険の特徴であり、メリットといえるでしょう。
持病の悪化・再発も保障される
引受基準緩和型医療保険に加入する前からかかっていた病気が悪化した、一度症状が治まっていた病気が再発したというような場合でも保障対象となることが多いです。医師から入院・手術を勧められた後にあわてて加入し、その入院・手術に対して保障を受けるということはできませんが、 バセドウ病は抗甲状腺薬を中止した後に再発することも多いので、持病の悪化・再発にも対応できるというのはうれしいところです。
デメリット
通常の医療保険より保険料が高い
引受基準緩和型医療保険は通常の医療保険に加入できない人が集まってきます。そうした人は健康な人よりも入院や手術をする確率が高いので給付金が支払われる確率も高くなります。保険料が通常の医療保険と同じでは保険として成り立たないのでどうしても保険料は高くなってしまいます。
一定期間内は給付額が半額(50%)になる
多くの引受基準緩和型医療保険では、1年以内に支払事由に該当した場合の給付額が50%に削減されます。バセドウ病と関係ない病気やケガでも給付金の額が半分となってしまいます。健康状態に関する告知が少ないので、保険会社のリスクを減らすためにこのような制度をとっている保険商品が多くあります。
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嘘をつくのはNG
ときどき通常の医療保険に入りたいがために保険会社に対して病気を隠す人がいます。しかし、保険会社に嘘をついて医療保険に加入するのはNGです。
仮にバセドウ病であることを隠して医療保険に加入できたとしても、給付金が支払われる段階で保険会社から調査が入ります。そこでバセドウ病であることを隠していたという告知義務違反が発覚した場合、給付金が支払われなかったり契約自体が解除されてしまったりする可能性があります。
給付金が支払われなかったり契約を解除されたりしてもそれまで支払っていた保険料は返ってきません。ただの保険料の無駄払いということになってしまいます。保険会社への告知は嘘をつこうとせずに正しく行うことが大切です。
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まとめ
持病があると通常の医療保険には入りづらくなります。しかし、絶対に加入できないというわけではありません。バセドウ病の診断後に不安になって医療保険への加入を検討するという場合はまずは通常の医療保険を検討してみましょう。通常の医療保険には入れなかったという場合や甲状腺に関する病気が不担保となったという場合は引受基準緩和型医療保険を検討するのがよいでしょう。保険料が割高などのデメリットはありますが、持病があっても入りやすくなっています。バセドウ病になったからといって医療保険をあきらめる必要はありません。各保険会社の医療保険を比較・検討して自分に合った保険を探しましょう。
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著者情報
堀田 健太
東京大学経済学部金融学科を卒業後、2015年にSBIホールディングス株式会社に入社、インズウェブ事業部に配属。以後、一貫して保険に関する業務にかかわる。年間で100本近くの保険に関するコンテンツを制作中。