介護保険のコラム

認知症にはなぜなるの?認知症になってしまった時のために準備できることは?

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認知症は病名ではなく、脳の障害や病気など、様々な原因によって認知機能が低下し日常生活を送る上で支障が出てくる状態を総称した言葉です。そのため、認知症と一言でいっても実際には原因別に細かく種類が分かれており、症状や特徴が少しずつ異なります。

現在健康に過ごしている人でも、今後どれだけ健康に気をつけても、将来絶対に認知症にはならないと断言することはできません。しかし、認知症をできるだけ予防するために努力をしたり、認知症になってしまった後でも自分や家族のために準備をしておくことは可能です。

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認知症の原因とは?

認知症は様々な原因で発症します。脳に外傷を受けることで発症したり、腫瘍や感染症が原因となることもあります。以下に紹介する認知症は、患者数が特に多く三大認知症と言われるものとなります。

アルツハイマー型認知症

アルツハイマー型認知症は、一般的にアルツハイマー病と呼ばれるものと同様の状態を指します。脳にタンパク質が異常に溜まってしまうことで脳細胞、特に記憶や空間学習能力に関わる大脳辺縁系の海馬が損傷し、神経伝達物質が次第に衰えて減少してしまい脳が全体的に萎縮して引き起こされると考えられています。

主な症状は記憶障害で、数分から数時間程度前に起きた事や、過去の自分の体験や出来事に関する記憶等が早期から阻害されてしまいます。記憶障害とは例えば昨日の夕食に何を食べたのか覚えてない(部分的な物忘れ)のではなく、そもそも昨日夕食を食べたこと自体を忘れてしまうという状態です。そのため夕食を一日に何度も作ってしまったり、逆に食べ忘れたまま過ごしてしまうこともあります。

また、日時や場所、人物の顔などがわからなくなる他にも、集中力や問題解決能力が衰えてしまい、進行するにつれ徐々に日常生活に支障が出ます。アルツハイマー型の認知症の場合、忘れてしまったりできなくなったことを人のせいにする傾向があり、例えばお財布が見つからなくなってしまったのは家族が盗んだからだと思い込んだり、片付けられないのは家族に止められているからだと認識して周囲にもそう説明してしまいます。

アルツハイマー型認知症は認知症の中でも最も患者数が多く、男性よりも女性の患者が多い傾向にあります。

脳血管性認知症

脳血管性認知症は、脳の血管障害で起きる脳梗塞や脳出血、くも膜下出血等により起きる認知症です。脳の血管が詰まることで脳の一部に血が流れなくなり、酸素や栄養が行き渡らず、その結果脳細胞が死滅してしまい認知症が発症することがあります。

症状は他の認知症と同様に、物忘れ等の記憶障害、時間や場所、人物の認識ができなくなったり、物事を計画立てて順序よくこなすことが困難になります。その一方で、できることとできないことの差が大きく、更にその時の体調によりできなかったことができるようになる等、他の認知症では見られない特徴があります。

脳血管性認知症は本人が症状に対して自覚が強いため、自分でもできないことを歯がゆく感じます。脳の損傷により認知症状だけでなく運動麻痺や言語障害といった症状も伴う他に、感情のコントロールが利きにくくなるため、できないことに対して強い怒りを表したり、抑うつ状態になりやすいのも特徴です。

レビー小体型認知症

レビー小体型認知症は、脳の神経細胞にレビー小体という特異なタンパク質のかたまりができ、神経細胞を傷つけ壊してしまう病気です。記憶や聴覚、嗅覚、言語理解を司る側頭葉と情報処理をする後頭葉が萎縮するため、記憶障害の他に幻視や幻聴、幻嗅を伴うと言われています。

他の認知症と同様に物忘れ等の記憶障害や、理解力が低下していきます。しかし他の認知症と異なり、認知機能のレベルが一日のうちでも良い時と悪い時とで振り幅があり、良い時はしっかりしているため周囲に病気だと気づかれないこともあります。

レビー小体型認知症は発症初期から様々な幻覚を伴うのが特徴で、部屋に知らない人や虫がいるように見えたり、静止している物が動いているように見えたりします。また、パーキンソン病に似た運動障害を起こし、動作が緩慢になったり、筋肉の強張りが原因で物をよく落としたり、転倒しやすくなったりします。こういったことから、レビー小体型認知症を発症した患者はパーキンソン病だと誤解されることもあります。

男性の方が女性の約2倍発症しやすく、他の認知症よりも進行が早いのが特徴です。

代表的な認知症を3種類紹介しましたが、各認知症の特徴はあくまでも症状の一例にすぎません。症状は個人によってかなり差があるため、症状をだけ見てアルツハイマー型だ、レビー小体型だと判断してしまうと治療方法やケアを誤り、病状を悪化させてしまう危険があります。話の内容や日常における動作から違和感を覚えたら、神経内科や脳外科等を受診するか、「物忘れ外来」や「メモリークリニック」といった医療機関を受診してみると良いでしょう。

認知症になりやすい人は?

どんな人が認知症になりやすいのか見てみましょう。

ストレスが溜まりやすい

人は心身にストレスを受けるとコルチゾールというストレスホルモンが分泌されます。現代人は仕事や普段の生活で長期的にストレスを受け続けることが多く、それに伴いストレスホルモンも長時間分泌され続けることになります。このストレスホルモンが全身の血管を収縮してしまうことで血流が悪化し、脳の神経細胞が活動するのに必要な酸素や栄養が届きにくくなり、脳の海馬が萎縮しやすくなってしまうと考えられています。

コルチゾールは海馬を損傷させてしまう他にも、不安やうつ、頭痛、睡眠障害といった症状の原因にもなると考えられています。

短気で怒りっぽい・協調性がない

短気で怒りっぽい人や協調性がない人は他人と円満なコミュニケーションを取ることが難しく、孤立してしまう傾向にあります。人と交流しないと他人から新しい情報や知識を得る機会が減り、脳が刺激を受けなくなるため脳の老化が早まり認知症になりやすいと言われています。

生活習慣が乱れている・生活習慣病患者

歯周病

歯周病が進行すると歯を失ってしまうことがあります。歯を失うと噛む力が弱くなり、食事中に噛むことにより脳の中枢神経に与えていた刺激がなくなってしまい認知症のリスクが高まります。また、歯周病菌は脳の海馬を破壊するため、アルツハイマー型認知症の原因となります。

糖尿病

糖尿病患者や健康な人に比べてアルツハイマー型認知症に約1.5倍なりやすく、脳血管性認知症に2.5倍なりやすいと言われています。更に糖尿病は糖の毒性によって蛋白が糖化しやすくなり、その結果生じる酸化ストレスが神経細胞の変性を来たし脳血管性やアルツハイマー型の認知症に繋がる可能性があると言われています。

参考 老年医学の展望 「糖尿病合併症としてのアルツハイマー病」

怒っている男性
認知症になりやすい人はどんな人?
できることなら認知症にはならずに生きていきたいという気持ちは皆さん持っているのではないでしょうか。残念ながら認知症を完全に予防する方法はないのが現状ですが、認知 ...

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認知症は予防できる?

認知症は完全には予防できない

現代の医療では認知症を完全に予防することはできません。しかし、日頃から生活に気をつけることで認知症になりにくくすることは可能です。認知症以外にも言えることですが、

  • 健康的な食生活
  • 定期的な運動習慣
  • 日頃から脳を使うように心がける

といった行動が認知症予防にも良いとされています。

ほとんどの認知症は一度発症したら完治はできない

アルツハイマー型認知症、血管性認知症、レビー小体型認知症のいずれも一度発症すると完治は困難とされています。これらの認知症は時間の経過とともに進行していくため、とにかく早期発見・早期治療が大切です。早期発見・早期治療により進行を緩やかにすることも可能です。

種類によって完治する認知症もある

現在の医療では殆どの認知症は完治できませんが、ごく一部の認知症は症状の劇的な改善や完治が可能です。

正常圧水頭症

水頭症は脳と脳髄の表面に存在する脳脊髄液が過剰に脳に溜まってしまい脳を圧迫してしまう病態を指します。脳が圧迫されることで認知症とよく似た症状が発生します。水頭症は脳に溜まった髄液を出せば治療可能です。

ただし患者によってどの程度改善するのか個人差があり、完治する場合もあればあまり改善しなかったり、再発してしまう場合もあります。

慢性硬膜下血腫

慢性硬化膜血腫は頭をぶつけるなどして軽微な頭部外傷を負った後に、1~2ヶ月かけて頭蓋骨の下にある硬膜と脳の間に少しずつ血が溜まっていくことで血腫ができる病気です。この血腫が脳を圧迫することで、認知症とよく似た症状が発生します。

長期間放置をしなければ、簡単な外科手術でほぼ完治する予後の良い病気とされています。たまに頭をぶつけていなくても血腫ができてしまうケースもあるため、認知症のような症状が現れた場合は必ず病院でCTやMRI検査を受けるようにしましょう。

認知症になってしまった時のために準備できること

認知症が発症すると認識能力や判断能力が衰え、お金の計算や管理が難しくなります。それに伴い、必要な生活費を使い込んでしまったり、預金を下ろして必要ない高額商品を買ってしまったり、実際は減っていないのに財布の中のお金が減っていると思い込んだりと、金銭に関するトラブルが発生してしまうことも。

資産管理の確認

銀行は本人以外からの預金引き出しには原則的に応じません。本人の入院や介護が必要になった時でもすぐにお金を引き出せず、他の家族が立て替えなければならなくなり、立て替えたお金が戻ってくるまでに長期間かかってしまうこともあります。更に、銀行預金以外にも貯蓄がある場合、誰も存在を知らないまま何年も放置してしまう可能性もあり得るのです。

認知症を発症する前に、現在どれぐらいの資産があるのか確認した上で、信託銀行に資産継承委託(家族信託)をしたり、遺言書を作成しておく等、自分や遺された家族のために資産管理の確認をしておきましょう。

成年後見制度

親が認知症になり本人の判断能力が衰えてしまった場合、原則的に家庭裁判所に申し立てて成年後見人を選定してもらい、成年後見人が財産の管理を行うことになります。

成年後見人になるために特別な資格は不要ですが、未成年者や破産者、行方不明者、被後見人(この場合は認知症になった親を指します)に対して訴訟をしている人などはなれません。家族がなることもありますが、弁護士や司法書士など、家族以外が選定されることもあります。その場合の報酬は後払いで、後見人が家庭裁判所に申し立てることで報酬額が算定され、被後見人の財産から支払われます。

認知症を発症する前の元気なうちに「もしも」に備えて後見人を選ぶ「任意後見制度」もあり、そちらは本人が後見人を選ぶことが可能です。

認知症保険

認知症の症状が進行すると患者本人だけで生活することが難しくなります。そのため、在宅介護やデイサービス等で本人の生活をサポートする必要が生じます。介護生活になると、介護用のベッドやおむつが必要になったり家の中に手すりを増設したり車椅子で移動できるように改築したりと、元気な時には必要なかった様々な消耗品や設備が必要になります。そうした出費は公的介護保険制度を利用することである程度カバーできますが、カバーしきれない自己負担分も発生してしまうのが実情です。

認知症保険は、認知症と診断されると一時金が貰える保険です。長い介護生活の自己負担額を少しでも軽減したいという方は加入を検討してみてはいかがでしょうか。

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