最近、いくつかの保険会社から「認知症保険」が販売されています。「認知症保険というからには認知症になったら保障を受けられるのだろうな」、ということは何となくわかるかと思いますが、実際のところどのような保険なのでしょうか。
どんな保険が必要か、いくらの保障が必要なのか分からない方へ
簡単な質問に答えるだけで、あなたに必要な備えと保障金額がすぐにわかります。
最短1分、無料でご利用可能ですので、ぜひお試しください!
\自分に必要な保障がわかる!/
認知症保険とは
認知症保険とは認知症になったときにかかる経済的負担に対して備える保険です。認知症で所定の状態になった場合に一時金や年金を受け取ることができます。認知症になった後だけでなく、認知症にならないための予防にも力を入れている保険もあります。
どんな場合に保障を受けられる?
認知症保険は認知症と診断され、保険会社が定める所定の状態に該当した場合に保険金の給付を受けることができます。保険会社によって「所定の状態」は異なり、単に認知症の診断が確定しただけでは保険金を受け取ることができないものもあります。所定の状態の具体例としては、公的介護保険の要介護1以上と認定される、器質性認知症と診断されてその状態が一定以上続いている、器質性認知症になり、見当識障害があると診断確定されるといったものがあります。
なお、器質性とは機能性と対をなす言葉で、症状や疾患が臓器・組織の形態的異常に基づいて生じている状態です。機能性は器質的な病変がなくて症状を起こす状態です。また、見当識障害とは時間、場所、人、周囲の状況といった自分が今置かれている状況を理解できなくなる障害で、認知症の中核症状の一つです。外出して家に戻れなくなる、夜なのに朝食を催促する、親戚や友人を認識できないなどの症状が起こります。
将来の介護のお金の悩みを保険で解決!
加入条件は?
認知症保険は医療保険などと同じように健康な方が入れるものと持病などがあっても入りやすい引受基準緩和型のものがあります。引受基準緩和型のものは健康に不安がある方でも簡単な告知で加入できるので、持病や既往症がある方でも認知症保険への加入をあきらめる必要はありません。保険会社によって告知事項に違いがある部分もあるので、各社の商品の資料請求をしてみて、自分の状況に合った保険を探すことが大切です。
認知症になったらいくらかかる?
認知症になってしまった場合、医療費や介護費としていくら必要となるのでしょうか。2015年に慶應義塾大学医学部精神・神経科学教室の佐渡充洋助教(職位は当時のもの)と厚生労働科学研究の共同研究グループが推計したデータでは次のようになっています。
- 医療費
- 1人あたりの入院医療費:34万4,300円/月
- 外来医療費:39,600円/月
- 介護費
- 介護サービス利用者1人あたりの在宅介護費:219万円/年
- 施設介護費:353万円/年
また、インフォーマルケア(家族等が無償で実施する介護)についても要した時間から費用が推計されています。この推計によると、要介護者1人あたりのインフォーマルケア時間は24.97時間/週でインフォーマルケアコストは382万円/年です。
公的医療保険や公的介護保険があるのでこれらの費用を全て自己負担するわけではありませんが、認知症のケアのためには多くの費用が必要となることがわかるかと思います。
▼一括資料請求で保険会社を比較するワケ
▼一括資料請求で保険会社を比較するワケ
- ネットで簡単に資料請求!時間がない方にピッタリ
- 各社保障が違う商品から自分に合った保険を選べる
- 大切な資料を手元に残せる
認知症保険に入る際の注意点
認知症保険に入る場合にどのような点に注意して加入すればよいのか紹介します。
まず1点目としては、保険金の給付条件です。認知症保険とひとくくりで呼ばれますが、各保険会社で保険金が給付される条件は異なります。認知症の診断が確定したので保険金の請求をしたら、給付条件に満たずに保険金が支払われなかった、というようなことがないように、認知症保険に加入する前に給付条件はよくチェックしておきましょう。
2点目としては、保険金が一時金タイプか年金タイプかということです。治療費や介護の初期費用に充てたいのであれば一時金タイプ、継続した介護費用などに充てたいのであれば年金タイプのものを選ぶとよいでしょう。
最後の3点目は、保障内容の重複に気を付けることです。認知症保険は認知症に関する保障の他に転倒で骨折するのに備えるなど医療保障がついてきたり、死亡保障がついてきたりするものがあります。他の保険の保障と重複していて必要以上の保障となっていないのか注意するようにしましょう。
介護費用の自己負担に備える
まとめ
認知症保険は認知症で所定の状態になった時に保障を受けられる保険です。まだ新しい保険であるので保険商品によって保険金が給付される条件などにばらつきがあります。認知症になると医療費や介護費として多くの費用がかかるので、貯蓄が十分にない場合は認知症保険に加入して費用負担に備えておくのもよいでしょう。
-
著者情報
堀田 健太
東京大学経済学部金融学科を卒業後、2015年にSBIホールディングス株式会社に入社、インズウェブ事業部に配属。以後、一貫して保険に関する業務にかかわる。年間で100本近くの保険に関するコンテンツを制作中。