子どもが生まれると予想以上に出費があり、何かとお金がかかりますよね。2人目、3人目を考えたいけれど金銭面が不安で中々踏み切れない…というご家庭もいるかもしれません。どの位の収入があれば子ども2人を育てていけるのでしょうか?また、子育て世帯の年収はどの位なのでしょうか?
目次
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子育て世帯の年収は?
厚生労働省の調査によると、子育て世帯の平均年収は812.6万円、中央値は731万円です。税金や保険料を差し引いた後の手取り金額にすると平均約622万円、中央値約550万円となります。ボーナスがない場合、月の手取りでは約45万~50万円になるでしょう。
中央値とは?
中央値というのは、データを小さい順に並べたときに真ん中にあたる数字のことです。例えば、「1、2、3、4、105」という5つの数字の場合、小さい方から3番目の3が中央値です。極端に大きい数値(105)があることから、平均値は23と大きくなってしまいます。そのため、中央値の方が実態に合っている数値ともいえるでしょう。
子ども2人の家庭は年収860万円
子どもの人数によっても1世帯あたりの平均年収は異なります。子どもが1人いる世帯の場合は765.7万円、子どもが2人いる世帯の場合は862.7万円と100万円近く年収が高くなっています。子どもが増えるとその分生活費や教育費もかかることから収入も必要になると考えられます。
児童の数 | 1世帯あたりの平均所得 |
---|---|
1人 | 765.7万円 |
2人 | 862.7万円 |
3人以上 | 842.7万円 |
児童のいない世帯 | 473.3万円 |
しかし、子どもが3人以上になると子どもが2人いる世帯と年収があまり変わりません。これは、多子世帯になると第3子以降は児童手当が増額となったり、0~2歳の保育料も無償化になったりすることも影響しているでしょう。自治体によっては3人目以降の子どもが生まれた場合の給付金や商品券等を支給する等の支援もあるため、国や自治体の制度を上手く活用して経済的負担を減らしていける家庭もあるようです。
2人分の子育て費用は?
子育てには様々な費用がかかりますが、「生活費」と「教育費」に大きく分けて費用をみていきましょう。
生活費
- 食費
- 衣類
- 医療費など
家族が1人増えるごとに生活費は増えていくものですが、2人子どもがいるからといって2倍の生活費になる訳ではありません。2人目以降では、衣類やおもちゃ等のおさがりを活用すれば第1子の8割ほどの生活費になることが多いようです。
乳幼児のうちは食費がそこまでかかりませんが、中学生、高校生になり食べ盛りになると大人よりも食費がかかりやすいです。物価高でダイレクトに影響を受けやすい項目でもあります。
教育費
- 学校教育費(授業料や制服、通学費、文房具代等)
- 学校給食費
- 学校外活動費(学習塾やスポーツ等の習い事等)
教育費には授業料以外にも給食費や塾や習い事の費用も含まれています。幼稚園から高校まですべて公立の場合は1人あたり約577万円、すべて私立の場合は1840万円必要になります。
生活費とは違い、教育費は子どもの人数分だけ必要になります。ランドセル等も子どもの分を用意する必要がありますし、中学受験や高校受験でそれぞれ違う学校に進学する場合や性別が違う場合は制服のおさがりもできません。
また、子どもの年齢差にも注意しましょう。特に3歳差の場合は中学入学と高校入学が同じタイミングになります。私立の学校に進学する場合はさらにまとまった金額が必要になることが予想されますので、その時期に向けても費用を準備しなければなりません。あらかじめ必要になる時期や金額を確認しておくことが重要です。
▼幼稚園から高校まで
公立 | 私立 | |
---|---|---|
幼稚園(3年間) | 495,378円 | 926,727円 |
小学校(6年間) | 2,115,396円 | 10,001,694円 |
中学校(3年間) | 1,616,397円 | 4,309,059円 |
高校(3年間/全日制) | 1,538,913円 | 3,163,332円 |
▼大学
国立 | 私立文系 | 私立理系 | 私立医歯系 | |
---|---|---|---|---|
4年間 (6年間) |
2,425,200円 (3,496,800円) |
4,079,014円 | 5,511,961円 | 23,961,844円 |
※医歯系は6年間として計算
出典 文部科学省「子供の学習費調査」(令和3年度)
国立:国立大学等の授業料その他の費用に関する省令、私立:文部科学省「令和5年度 私立大学入学者に係る初年度学生納付金 平均額(定員1人当たり)の調査結果について」
特に大学進学する場合は入学金と授業料としてまとまった金額を用意しておく必要があります。国公立か私立か、文系か理系かによっても変わりますが、4年制の国立大学に通った場合は1人あたり約240万円、私立大学の場合は約400万円~550万円ほどかかるようです。特に医歯系の私立大学は6年間とはいえ約2400万円とかなりの金額となっています。下宿して下宿して仕送りが必要になれば更にお金がかかります。
大学の授業料は半期ごとに納入するため、毎月のやりくりだけで捻出するのは難しいでしょう。そこで、子どもが小さいうちから教育費を貯めていくことが大事になります。
今の時点から進路に合わせてどのくらい教育費が必要になることをシミュレーションしたうえで、毎月どの程度教育費を用意するべきか把握しておきましょう。例えば、大学進学の費用として誕生から18歳までに400万円貯めたい場合には月約2万円、子ども2人の場合には800万円として月約4万円の貯金が必要です。
進路別 教育費シミュレーション
年収1000万円あれば余裕?
共働き世帯が増加し世帯年収も年々増加している中、子育て世帯の平均年収は約765万円、子どもが2人いる家庭は約860万円でした。年収1000万円もあれば、2人の子どもがいてもお金に余裕を持って生活ができそうな気がしますよね。しかし、実際は教育費等の負担が多いのが現実です。
共働きは出費も多い
共働きで年収が増えたとしても、家事や育児における出費も増える可能性があります。共働きの場合、家事に時間をかけることが難しくなります。料理代行や掃除代行などの家事代行サービスや外食の利用、食洗器や乾燥機付き洗濯機、お掃除ロボット等の時短家電にお金をかける家庭もあるでしょう。保育園や習い事の送迎をベビーシッターに依頼したり、病気の時は病児保育を利用したりする事もあるかもしれません。そのため、共働きで収入は増えたものの出費も増えてしまうことが考えられます。
さらに大都市などに住む場合は住宅価格や家賃の高さも問題です。夫婦と子ども2人で住める家を求めるとそれなりの広さが必要になります。都心に近づくにつれ住宅費もかかるため家計を圧迫する要因になります。
保育料が高い
認可保育園の保育料は所得に応じて決められています。世帯年収が高くなると保育料も高くなり、自治体にもよりますが年収1000万円を超えると月5万円以上かかることも少なくありません。保育料無償化により第2子の保育料は半額、第3子以降は無料となり負担は軽減されるものの、第1子の分と合わせると家計への影響は大きいでしょう。
また、保育園の入園選考にあたり、同じ点数だと世帯年収が低い(所得税額が低い)家庭が優先される自治体もあります。第1子の入園などで点数の差が付きにくく待機児童が多い地域に住んでいる場合は年収の差で入園が決まることもありえます。希望の認可保育園に入れない時は認可外保育園等に通うことになるため、さらに高額な保育料を支払う可能性もあるでしょう。
授業料無償化の対象外に
公立高校や私立高校に進学する場合は授業料無償化制度があり、家族構成や所得によって「高等学校等就学支援金」が受けられます。しかし、年収が1000万円を超えると支給の対象外になるケースがあります。
例として、両親共働き(収入は同額)で高校生1人、中学生1人の子どもがいる4人家族では、年収約660万円未満は39万6000円まで、年収約1,030万円未満の場合は11万8800円が支給されます。
上記の例では年収1,030万円を超えると授業料の支援金は受けられず、全て支払う必要があります。特に私立高校は入学金や授業料が高額のため、しっかり費用を準備していく必要があるでしょう。
奨学金が対象外になるケースも
大学に進学する場合に奨学金の利用を考える場合も年収に注意しなければなりません。例えば、日本学生支援機構の奨学金は世帯収入による選考基準があります。返済必要の給付型奨学金や利息なしの第一種奨学金は年収1000万円では対象外になることがほとんどです。有利子の第二種奨学金でも、家族構成等によって年収1100万~1300万円を超えると利用できないケースがあります。
子どもが大学に進学する頃には親も40代、50代になり、今よりも収入がアップしていることでしょう。奨学金によっては収入の条件があるため、いざ利用しようとしたら対象外になってしまったとならないように事前に調べておきましょう。
教育費はどうやって準備する?
年収1000万円あっても授業料無償化や奨学金の対象外になることがあり、教育費の負担がダイレクトにかかってきます。子どもが2人いると2人分の教育費が必要になるため、小さいうちから計画的に準備していくことが大事になります。ここでは、教育費を準備する方法を紹介します。
学資保険
学資保険は契約時に決めた保険料を支払い、子どもが一定の年齢になるとお祝い金や満期金を受け取れる貯蓄型の保険です。「18歳になった時に200万円が受け取れる」等と受取時期と金額があらかじめ分かっているため、大学の入学金や授業料を用意するのに向いています。
また、親に万が一のことがあっても確実に教育資金を確保できるというメリットがあります。契約者である親が亡くなったり所定の高度障害状態になったりした場合は以降の払い込みが免除され、満期保険金を満額で受け取れます。
共働きで子どもが2人いる場合は、夫が上の子の学資保険、妻が下の子の学資保険を契約することでそれぞれ生命保険料控除を受けられるため節税にもなります。
ただ、途中で解約すると支払った保険料よりも少ない金額しか戻ってこないことがほとんどですので注意しましょう。無理なく支払っていけるような保険料に設定するのがポイントです。
教育費の準備を「保険」で始めよう
終身保険
終身保険は死亡保障が一生涯続く保険のため、万が一の事があった場合に遺族に大きな金額を残すことができます。保険料の払い込み期間が終わった後は支払った保険料よりも多くの解約返戻金が受け取れるため、教育費を貯める方法として使われています。解約返戻金を受け取った後は死亡保障がなくなってしまいますが、払込期間を10年払済や15年払済に設定して、教育資金が必要になったタイミングで解約することで解約返戻金を教育資金に充てることができます。
他の方法で教育資金を十分用意できた場合はそのまま解約せずに置いておいて、子供の結婚費用や住宅購入費用、自分の老後資金など他の用途に使うこともできます。
しかし、保険料を払い終わる前に解約すると学資保険以上に元本割れしてしまいます。早期に解約することがないように、保険料が高くなり過ぎないようにしましょう。
「死亡保障」と「貯蓄」の両方を重視するなら
NISA
投資を活用して教育費を準備するならNISAがおすすめです。投資の運用で得られる利益には通常約20%の税金がかかりますが、NISAであれば1800万円まで非課税となります。夫婦それぞれでNISAを利用すれば非課税枠も2人分活用することができます。
また、運用した資産は好きなタイミングで売却できます。習い事や塾など、進学以外で出費が増えた場合でもお金を用意でき、更に売却した分は翌年に枠を再利用できるので、柔軟に資産を活用することができます。
なお、投資では運用の結果損失が出る可能性もあるので注意しましょう。まとまった金額が必要な大学進学時にリーマンショックやコロナショックのような事が起こると、利益がマイナスとなってしまい資金が足りなくなってしまうこともあり得ます。NISAだけで教育費を準備するのではなく、貯金や保険と合わせて備えることが大事になります。
まとめ
年収1000万円を超えると授業料無償化や奨学金の対象外になる可能性があり、教育費の負担が大きくなります。子どもが2人いる場合は教育費も2人分かかります。家族が増えると家や車の購入などで大きな出費が増えることもありますので、年収1000万円でも家計が苦しくなる可能性があります。
子どもが小さいうちはお金もかかりづらく、教育資金を準備するチャンスでもあります。学資保険やNISAなどを活用して備えていきましょう。