学資保険は10年や15年、18年と保険料を支払い続けるので、保険料の支払いが難しくなったなどの理由で学資保険の解約を検討しなければならない事態に陥ることもあります。しかし、学資保険の解約にはいくつかデメリットがあります。解約でのデメリットと解約を避けるための手段を紹介します。
目次
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学資保険を解約するデメリット
学資保険の解約にはいくつかのデメリットがあります。解約をしてしまう前にデメリットについて確認しておきましょう。
元本割れの可能性がある
学資保険を解約すると解約返戻金が戻ってきますが、この解約返戻金が払い込んだ保険料の総額よりも少なくなる可能性があります。特に、契約してからの期間が短いほど解約返戻金として戻ってくる割合が小さく、元本割れの可能性が高まります。
最近の学資保険は、低金利の影響で満期まで契約していても元本割れや返戻率が100%を少し上回る程度という商品が多いです。途中解約した場合の解約返戻金で元を取るのはかなり難しい状況といえるでしょう。
解約返戻金が実際にどれくらい戻ってくるかは保険証券等で確認することができますが、分からなければ保険会社に確認してみましょう。
再加入時には年齢制限に引っかかる可能性がある
学資保険は加入できる年齢に制限があります。一度解約して経済的な余裕ができたら再加入しようと思っていても、年齢制限に引っかかって再加入できない可能性があります。学資保険の年齢制限は商品によって異なりますが、早いものでは3歳、多くの商品では6歳~7歳が加入できる上限です。
また、再加入できたとしても、同じ保険金額の学資保険でも保険料が高くなってしまいます。同じ金額を積み立てる場合、0歳から積み立てるのと5歳から積み立てるのでは1カ月に必要な金額が5歳からの方が多いことからも分かると思います。
契約者に万が一のことがあった場合の保障がなくなる
学資保険はお金を貯める部分のみにフォーカスがあてられがちですが、契約者である親が死亡したり高度障害を負ったりした場合に保険料払込免除を受けられ、祝い金や満期保険金も通常通り受け取れる保障がついたものが多いです。
学資保険を解約してしまうと教育資金の貯蓄だけでなく保障もなくなってしまいます。他の生命保険などで備えているのであれば問題ありませんが、そうでなければ親が死亡時の教育資金の当てについても考える必要があります。
解約を避けるための手段
学資保険の解約には上で紹介してきたようなデメリットがあります。そうはいってもこれ以上保険料を支払い続けるのは難しい…という場合もあると思います。そのような場合に取ることができる解約を避けるための手段を紹介します。解約前にこれから紹介する手段を検討してみてください。
契約者貸付制度で一時的にお金を借りる
契約者貸付制度とは、解約返戻金を担保として保険会社からお金を借りることができる制度です。一時的に現金が必要な場合や短期的に保険料の支払いが難しいという場合は契約者貸付制度がおすすめです。
借りられる金額は保険会社によって異なりますが、解約返戻金の70%~90%程です。解約返戻金を担保とするのでお金を借りやすいです。
ただし、保険会社にお金を借りることとなるので利子が発生することに注意が必要です。また、満期や祝い金の受取時に返済が終わっていない場合は受取額から返済額が差し引かれてしまいます。返済の目途がついたら早めに返してしまいましょう。
減額(一部解約)する
学資保険の一部のみを解約して保険料の支払額を下げることも検討してみましょう。契約の全部を解約するよりは損失を抑えることができます。
解約した分については解約返戻金を受け取ることができます。また、解約した分だけ受け取れる金額も少なくなってしまいます。
保険料の支払額が今よりも減れば払込期間満了まで保険料を払っていけるという場合におすすめの方法です。
特約を解約する
学資保険に医療保障などの特約が付いていて、その部分のみを解約できるのであれば特約の解約を考えてみましょう。大きくは減らせませんが、保険料の負担を抑えることができます。ただし、一度特約を解約してしまったらそのあとの保障はなくなってしまうので注意しましょう。
払い済み保険にする
保険料を払えなくなった場合、払い済み保険にすれば、以後の保険料の払い込みを中止して、その時点までに積み立てた金額の割合に応じて満期保険金を受け取ることができます。
保険料の支払いをやめても契約を継続させることができますが、将来受け取れる金額が減り、特約が消滅して主契約しか残らないという注意点もあります。また、学資保険では払い済み保険にできない場合もありますので、保険会社に確認するようにしてください。
まとめ
学資保険を途中で解約すると様々なデメリットがあります。解約を避けるために取れる手段はないかよく検討してみましょう。どうしても避けられない場合は解約のタイミングを遅らせられないかも考えてみましょう。契約してからの年数が長いほど解約返戻金の返戻率は高くなります。
ただ、一番良いのは解約せずに保険料を支払い続けられることです。契約するときに今後保険料を支払い続けられるのかよく検討するようにしましょう。
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著者情報
堀田 健太
東京大学経済学部金融学科を卒業後、2015年にSBIホールディングス株式会社に入社、インズウェブ事業部に配属。以後、一貫して保険に関する業務にかかわる。年間で100本近くの保険に関するコンテンツを制作中。