子供が生まれるのであれば子供の教育資金について考える必要があります。子供の教育資金を貯めるというと学資保険が思い浮かびますが、学資保険に加入するのとその分貯金をするのとではどちらがおすすめなのでしょうか。それぞれのメリット・デメリットについて紹介します。
目次
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学資保険のメリット・デメリット
まずは学資保険のメリット・デメリットについて紹介します。
学資保険のメリット
半強制的にお金が貯められる
学資保険は毎月保険料として自動的にお金が引き落とされるので、お金が口座にあると使ってしまうという人でも半強制的にお金を貯めていくことができます。また、保険料の支払で積み立てられたお金も満期になるか解約しないと手元に入らないので、教育資金として貯めたお金を別の用途で使ってしまうということが貯金と比べて起こりにくいです。
貯金よりお金が増えることが期待できる
返戻率が高い学資保険に加入すれば、ただ貯金するよりもお金が増えることが期待できます。現在の金利水準下では銀行に預金してもほぼお金は増えません。学資保険では加入する保険にもよりますが銀行預金よりは増えることが期待できます。
税制的に有利
学資保険は、保険料を払っている期間では生命保険料控除で所得税額を少なくすることができ、保険金を受け取るときも契約形態によりますが税金がかかりにくい受け取り方ができます。一方で貯金は、貯めている期間の税制優遇は特になく、ただでさえ少ない銀行預金の利息にも約20%の税金がかかっています。
万が一のときには払込免除
学資保険は契約者の死亡時、あるいは契約者が高度障害を負ったとき、その後の保険料の支払が免除されて満期時に予定通りの保険金を受け取れる特約を付けることができます。契約者に万が一のことがあった場合にも学資保険で用意する予定だった金額は確保することができるのです。
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学資保険のデメリット
途中解約すると元本割れする可能性も
学資保険を途中解約した場合、支払った保険料よりも戻ってくる解約返戻金の方が少なくなる場合があります。特に契約してからの年数が短いほど元本割れの可能性が高まります。契約時には保険料が今後支払い続けることができる水準なのかよく検討するようにしましょう。
インフレに弱い
学資保険は契約時の利率で固定されてしまいます。今後物価が上がった場合でも満期時にもらえる金額は変わりません。インフレで足りなくなった分については別で用意する必要があります。
満期時でも元本割れするものもある
学資保険の中には貯蓄性を重視したものと保障を重視したものがあります。子供の医療保障など保障を重視した学資保険では保障のための保険料が多く必要で、満期時の返戻率が100%を超えないものも珍しくありません。学資保険に何を期待するのかにもよりますが、貯蓄性を重視するのであればしっかりと返戻率を確認する必要があります。
保険会社倒産時に全額保護されない
銀行預金の場合、自分が預金している銀行が破たんしたとしても預金保険制度によって元本1000万円までとその利息等は全額保護の対象となります。学資保険の場合も生命保険契約者保護機構によって一定の保護を受けることができますが、全額ではありません。生命保険契約者保護機構によって保護されるのは責任準備金の90%までです。最終的にどれだけ保護されるかは破たんした保険会社の状況によりますが、最悪の場合は責任準備金が10%失われます。また、破たんした保険会社から契約を引き継いだ保険会社によって予定利率が引き下げられることもあります。その場合、満期で受け取れる保険金や解約時の返戻金が当初よりも少なくなります。
貯金のメリット・デメリット
次に貯金のメリット・デメリットを紹介します。
貯金のメリット
流動性が高い
急な出費は必要になったとき、解約などの手間なくお金を用意することができます。子供が生まれてから大学に入学するまでの18年間で急に大きな費用が必要となることもあると思います。そのような場合でも貯金をしていれば比較的容易に対応することができます。ただし、後で補てんするのを忘れないようにする必要はあります。
元本割れしない
学資保険は途中解約などで元本割れの可能性がありますが、貯金の場合は元本割れは起こりません。積み立てていった分は確実に貯まっていきます。ただし手数料には注意が必要です。マイナス金利が続く中、銀行は預金を抱えるのも大変になってきています。実質的な口座維持費として様々な名目で手数料を取り始める可能性があります。銀行に支払う手数料については敏感になっておきましょう。
インフレにもある程度は対応可能
銀行の普通預金は変動金利なので物価が上昇すればある程度は上昇することが見込まれます。物価上昇率とイコールにはなりませんが、物価上昇局面においては固定金利の学資保険よりも有利になりやすいです。
貯金のデメリット
教育資金の確実な計算がしにくい
学資保険であれば毎月決まった保険料を支払い、満期時に決まった保険金を受け取るので教育資金を貯めていくうえでの計画を立てやすいです。しかし、貯金は毎月の貯金額に変動があって最終的にいくら貯められるかも変わります。特に意志が弱い人は計画通りに教育資金を貯められない可能性があります。貯金で教育資金を貯めていくのであれば先取り貯金で決まった額は確実に貯金していくようにしましょう。
親が死亡した場合の保障がない
万が一親が死亡してしまった場合、学資保険であれば保険料の払い込みが免除されて満期保険金は計画通り受け取ることができますが、貯金の場合はその後も同じペースで貯金し続けていく必要があります。貯金の場合は一家の大黒柱が亡くなってしまった場合にどのように教育資金を確保するのかをより真剣に考えておく必要があります。
金利が低い
銀行の預金金利は非常に低い状況が続いています。現在の金利水準では銀行に預けておいてもお金はほぼ増えません。金利で増えることは考えずに、教育資金で必要な額は全額貯めていく必要があります。学資保険であれば多少は自分で用意する必要がある金額は減ります。例えば、300万円を貯めるのに返戻率が105%の学資保険であれば約286万円の保険料の支払となります。
学資保険と貯金、どっちがおすすめ?
学資保険と貯金のメリット・デメリットを紹介してきましたが、結局のところどちらがおすすめなのでしょうか。
学資保険がおすすめな人
まず、学資保険がおすすめなのは、貯金が苦手な人、保険料を支払い続ける見通しがある人です。学資保険は保険料を支払い続けられるのであれば、契約者死亡時の保障や節税など貯金にはないメリットを持っています。また、保険料として半強制的に貯蓄ができるので貯金が苦手な人でも教育資金を貯めていきやすいです。ただし、将来必要な教育資金が上がった場合に備えて他の手段などでもいくらか余裕をもって資金を用意していく必要があります。
貯金がおすすめな人
次に貯金がおすすめなのは、途中で解約してしまいそうな人や既に教育資金の目途が立っている人です。学資保険は途中で解約してしまうと元本割れする可能性があります。保険料を支払い続けていくことができそうにないのであれば柔軟に資金を使える貯金で教育資金を貯めていく方がよいでしょう。ただし、必要な教育資金は用意できるように考えておく必要はあります。
また、既に教育資金の目途が立っているのであれば学資保険に加入するよりも貯金の方がよいでしょう。使ってしまわないように学資保険として置いておくという考え方もできますが、学資保険は保険会社が破たんしてしまった場合に全額保護されない可能性があります。教育資金用に口座を開設して分けておく、貯金とは異なりますが個人向け国債を購入するというような方法の方がよいでしょう。
いずれにしても早めの準備を
学資保険と貯金、どちらにもメリットとデメリットがあります。ですが、どちらで教育資金を貯めていくにしても早くから準備することが大切です。子供の教育費を支払うタイミングは決まっています。そのため、教育資金の準備が遅くなるほど1カ月あたりに必要な金額は増えていきます。妊娠中から加入できる学資保険もありますので、できるだけ早く検討して教育資金の準備をしていきましょう。
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著者情報
堀田 健太
東京大学経済学部金融学科を卒業後、2015年にSBIホールディングス株式会社に入社、インズウェブ事業部に配属。以後、一貫して保険に関する業務にかかわる。年間で100本近くの保険に関するコンテンツを制作中。