子どもが大学を卒業するまで1,000万円以上の教育費が必要と言われています。そして衣食住といった教育以外にかかる費用は、約2,000万円です。子ども一人につき約3,000万円ものお金を全額用意するとなると、大変な負担になってしまう家庭も多いでしょう。申請すればもらえる手当や助成制度を活用して、少しでも負担額を減らしたいものですよね。出産や子育てに関する『もらえるお金』について調べてみましょう。
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目次
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妊娠・出産でもらえるお金
誰でももらえる助成金と一時金について
妊婦健康診査費用の助成
住んでいる市区町村に妊娠の届け出を行うと、窓口で母子健康手帳と一緒に妊婦健康診査の受診券を受け取ります。妊娠中の定期検診(妊婦健康診査)にかかる費用は全額自己負担となりますが、全国の市区町村では検査費用の一部を助成する制度を実施しており、助成額の全国平均は約10.5万円になります。
出産育児一時金
妊娠4ヵ月(85日)以上の方が出産した場合、一児につき42万円(産科医療補償制度の対象外となる出産の場合は40.8万円(2021年12月31日以前の出産は40.4万円))の出産育児一時金が支給されます。
一時金は加入する健康保険から直接医療機関等へ支払われるため、医療機関等の窓口で出産にかかった高額な費用を支払う必要がありません。また、実際かかった出産費用が一時金よりも少ない場合、差額は被保険者等に支給されます。
健康保険に加入中の場合
出産手当金
出産のために会社を休み、その間に給与の支払いを受けなかった場合は出産の日以前42日~出産の翌日以降56日目までの範囲内で会社を休んだ期間を対象として出産手当金が支給されます。出産手当金で支給される金額は、過去12ヵ月の給料(標準報酬月額)を基準とした日給の3分の2に相当する額と定められています。
雇用保険に加入中の場合
育児休業給付金
子どもが生まれてから180日までは月給の67%が支給され、181日以降は月給の50%が給付されます。なお、支給される金額には上限があります。
- 67% 月額301,902円まで
- 50% 月額225,300円まで
また、2022年10月1日からは以下の変更があります。
- 育児休業の分割取得が可能
1歳未満の子どもがいる場合、原則2回の育児休業まで育児休業給付金を受給可能になります。 - 産後パパ育休(出生時育児休業)の創設
子の出生後8週間以内に4週間まで、産後パパ育休を取得できるようになります。給付金も受給されます。
更に、育児給付金は雇用保険に加入していても下記に該当するともらえない可能性があるため注意しましょう。
- 妊娠中に勤務先を退職する場合
- 育児休業開始の時点で育休後に会社を辞める予定がある人
- 育休を取らずに仕事に復帰する人
家族の病気やケガでもらえるお金
高額療養費制度
医療機関や薬局の窓口で支払った額がひと月あたりの上限額を超えた場合、超過分を支給する制度です。
医療費控除
一年でかかった家族全員の医療費が10万円を超えた場合、税務署に確定申告すると医療費控除を受けられる制度です。その年の総所得額が200万円未満の人は、総所得金額の5%を超えると医療費控除を受けられます。
健康保険に加入中の場合
子ども医療費助成
健康保険等に加入している0歳~15歳に達する日以降の最初の3月31日までの間にある児童の保険診療でかかった医療費の自己負担額を自治体が負担してくれる制度です。
傷病手当金
業務外の事由により病気やケガをしてしまい連続3日間会社を休んだ後の4日目以降から、仕事に就けなかった日に対して傷病手当金が支給されます。
休業期間中に給与が支払われる場合は傷病手当金は支給されませんが、給与の支払い額が傷病手当金額よりも少ない場合は差額を支給してもらえます。
その他
障害年金
病気やケガで生活や仕事が制限されてしまった場合、障害年金を受け取れます。
- 国民年金に加入していた場合 障害基礎年金
- 厚生年金保険に加入していた場合 障害厚生年金
子どもの扶養や育成でもらえるお金
児童手当
高校生年代まで(18歳の誕生日後の最初の3月31日まで)の児童を養育している人に手当が支給されます。1カ月あたり15,000円あるいは10,000円(第3子以降は30,000円)が給付となります。
支給対象児童 | 一人あたり月額 |
---|---|
3歳未満 | 15,000円 (第3子以降は30,000円) |
3歳以上高校生年代まで | 10,000円 (第3子以降は30,000円) |
ひとり親世帯は活用できる公的支援を把握しておこう
ひとり親家庭の場合、親が働きながら子育てや家事も全てこなさなければなりません。もらえるお金だけでなく、助成制度や給付金、減免・割引制度など、利用できる公的支援の存在を知っておくことが大切です。
児童扶養手当
死亡や離婚等により父または母がいない児童や一定以上の障害の状態にある児童が育成される家庭の養育者に支給されます。
全部支給 | 一部支給 | |
---|---|---|
月額 | 43,160円 | 10,180円~43,150円 |
加算額(児童2人目) | 10,190円 | 5,100円~10,180円 |
加算額(児童3人目以降1人につき) | 6,110円 | 3,060円~6,100円 |
児童育成手当
死亡や離婚等により父または母がいない、あるいは父または母に重度の障害がある児童を養育している人を対象に、児童一人につき月額13,500円を原則として支給する制度です。受給者の所得制限があります。
児童育成手当は東京都独自の制度になります。
高校生等奨学給付金
低所得者世帯を対象にした、授業料以外の教育費負担を軽減するために経費の一部を国が負担してくれます。
参考 シングルマザーは生命保険に入ったほうがいい?公的支援だけで充分?
休業・失業でもらえるお金
妊娠・出産にあわせて退職したものの夫が失業してしまい家庭の経済状況が悪化してしまったり、共働きを続けるつもりが親の介護が重なってしまい休業を余儀なくされてしまったりといった問題が発生した場合に受けられる支援制度もあります。
失業給付金
退職日以前の2年間に雇用保険加入期間が通算12ヶ月以上ある人は、働く意思がありハローワークに求職の申込みをする等特定の条件を満たすと失業後に失業給付金を受け取れます。
基本手当日額=賃金日額(退職前6ヶ月の賃金合計÷180日)×給付率(50%~80%)
介護休業給付金
家族の介護のために仕事を休業し、介護休業終了後に職場復帰をする前提の人は介護休業給付金を受け取れます。
給付額=賃金日額(休業開始時)×支給日数(最大93日)×67%
求職者支援制度
再就職、転職、スキルアップを目指す人が月10万円の生活支援の給付金を受給しながら無料の職業訓練を受講できる制度です。訓練開始前から終了後までハローワークが求職活動をサポートしてくれます。
教育訓練給付制度
受給条件を満たす人の能力開発やキャリア形成を支援してくれる制度です。受講費用の50%(年間上限40万円)が訓練受講中6か月ごとに支給される他、資格取得等をして訓練修了後一年以内に雇用保険の被保険者として雇用された場合は受講費用の20%(年間上限16万円)が追加で支給されます。
会社独自の福利厚生もチェック
企業によっては、福利厚生で育児支援をしていたり、企業独自のお祝金制度や支援制度があるケースも。
- 会員制福利厚生サービスでベビー用品のレンタル費用や購入価格が割引になる
- 出産祝い金制度
免除になるお金
もらえるお金だけでなく、支払いが免除されるお金もあります。
子ども医療費助成制度
健康保険等に加入している0歳~15歳に達する日以降の最初の3月31日までの間にある児童の保険診療でかかった医療費の自己負担額を自治体が負担してくれる制度です。都道府県では「就学前まで」、市区町村では「15歳年度末まで」とする地域が多く、所得によって全額負担~一部負担になる地域もあります。
社会保険料免除
産休中と育休中は、被保険者本人と企業負担分の社会保険料が免除になります。
育休後の社会保険料の特例
育休から復帰して3ヶ月間以上時短勤務で働く場合、社会保険料の標準報酬月額を時短勤務で下がってしまった給料をベースに引き下げてもらえます。社会保険料が下がった分手取りは増えるというメリットがありますが、将来の年金額の算定額が下がってしまう他、次の子どもの妊娠を予定している場合は出産手当金の金額も下がってしまう可能性があるといったデメリットもあります。
学資保険に加入すれば教育費を計画的に準備できる
出産前や育児中といった働けない期間は、会社の福利厚生制度や公的支援制度を活用して収入源を少しでもカバーすると良いでしょう。
その他にも、銀行に預けるよりも少しでもお金を増やしたいという場合は学資保険を活用して計画的に教育資金を用意することも可能です。子育てや教育費にかかるお金は、できるだけ早いうちに準備を始めましょう。