学資保険のコラム

学資保険は乗り換えても大丈夫?損をしないためには?

投稿日:2020年4月9日 更新日:

学資保険は基本的に初めに契約したものを満期まで契約し続けるものです。しかし、契約したものよりも返戻率が高い学資保険を見つけたという場合などで学資保険を乗り換えたいと思うことがあるかもしれません。そうした場合、学資保険を乗り換えてしまっても大丈夫なのでしょうか?

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基本的にはお勧めしない

学資保険の乗り換えは基本的にはお勧めしません。それは、次の理由からです。

途中解約すると元本割れする

学資保険は途中解約すると基本的に元本割れします。支払った保険料の総額よりも少ない金額しか解約返戻金として受け取ることができません。そのため、乗り換え先の学資保険の返戻率が高くても解約することの損失を割り引いて考える必要があります。

乗り換え先に契約できるかわからない

乗り換えようと思った先の学資保険に加入できるかわかりません。健康状態の悪化などで加入を断られる可能性もあります。もし、先に学資保険を解約して新しい学資保険に加入できなかったとすると、それ以後は学資保険による保障がない状態になってしまいます。

乗り換えてもあまり条件が良くならない可能性もある

学資保険は子供や契約者の年齢が若いほど返戻率が高くなる傾向にあります。乗り換えるときには学資保険をはじめに契約したときよりも年齢を重ねているのであまり返戻率が高くならない可能性があります。

また、超低金利の状態が長く続いていることから学資保険の返戻率は昔と比べて下がっています。平均余命の延びというプラス要因もありますが、何年か前の情報を頼りに乗り換えようとするとあまり条件が良くならないかもしれません。

乗り換えずに返戻率を高める方法

学資保険の乗り換えをせずに返戻率を高くすることができる場合もあります。どのような方法をとれるのか紹介します。

医療保障などの特約を解約する

学資保険には子供の医療保障などがついているものがあります。当然ながらこの特約の部分にも保険料がかかるので、保険料が高く、つまりは返戻率が低くなる原因となります。自治体によっては子供の医療費はあまりかからないという場合もあるので、医療保障が不要で学資保険に医療保障がついている場合は解約するとよいでしょう。

保険料を年払にする

月払で保険料を払っているという場合、年払に変更することで保険料の合計額を安く、つまりは返戻率を高くすることができます。注意点としては、1回の保険料の支払額が大きくなることです。口座にお金があればあるだけ使ってしまうタイプの人は1年分の保険料を支払えずに解約せざるを得なくなる可能性もあるので注意が必要です。

それでも乗り換えたい場合は?

乗り換えのデメリットをいくつかあげましたが、それでも乗り換えをしたいという場合には今契約している学資保険を解約するのではなく払い済み保険にしましょう。払い済み保険にすることで、以後の保険料の払込みを中止して、その時点までに積み立てた金額の割合に応じて満期保険金を受け取ることができます。解約返戻金を次の保険などの原資に充てることはできませんが、その時点で解約するよりは多くの金額を受け取れます。

払い済み保険にすることの注意点としては、特約が消滅してしまうということと一度払い済み保険にしたら元に戻せないということです。払い済み保険にする場合は医療保障を使おうと思ったら消えていたということがないように注意が必要です。また、契約している学資保険によっては払い済み保険にすることができないこともあります。そうした場合は損を覚悟で解約することになるでしょう。

保険料の支払いが苦しいのであれば契約者貸付や一部解約も

学資保険の乗り換えを検討する理由が「返戻率を高めるため」ではなく「保険料の支払いが苦しいため」という場合は契約者貸付制度や減額(一部解約)も知っておきましょう。乗り換えをせずに済む可能性があります。

契約者貸付制度

契約者貸付制度とは、解約返戻金を担保として保険会社からお金を借りることができる制度です。一時的に現金が必要な場合や短期的に保険料の支払いが難しいという場合は契約者貸付制度がおすすめです。借りられる金額は保険会社によって異なりますが、解約返戻金の70%~90%程です。解約返戻金を担保とするのでお金を借りやすいです。

ただし、保険会社にお金を借りることとなるので利子が発生することに注意が必要です。また、満期や祝い金の受取時に返済が終わっていない場合は受取額から返済額が差し引かれてしまいます。返済の目途がついたら早めに返してしまいましょう。

減額(一部解約)

学資保険の一部のみを解約して保険料の支払額を下げることも検討してみましょう。契約の全部を解約するよりは損失を抑えることができます。解約した分については解約返戻金を受け取ることができます。また、解約した分だけ受け取れる金額も少なくなってしまいます。保険料の支払額が今よりも減れば払込期間満了まで保険料を払っていけるという場合におすすめの方法です。

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まとめ

学資保険は基本的には乗り換えはお勧めできません。しかし、それでも乗り換えをしたいという場合は乗り換え先を確保した後に今の契約を払い済み保険にしたり解約したりするようにしましょう。乗り換え先は再度後悔するということがないように、複数の会社のものを比較して決めるとよいでしょう。


堀田健太

著者情報

堀田 健太
東京大学経済学部金融学科を卒業後、2015年にSBIホールディングス株式会社に入社、インズウェブ事業部に配属。以後、一貫して保険に関する業務にかかわる。年間で100本近くの保険に関するコンテンツを制作中。

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