学資保険の満期は大きく分けて子供が18歳になる年と22歳になる年の2パターンがあります。この2つのどちらがよいのかは保険金をいつ、どれくらい受け取りたいかによって変わります。それぞれの特徴とどちらのパターンにするのがよいのかについて紹介します。
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18歳満期と22歳満期
学資保険は子供の教育資金を貯めるために毎月や毎年など保険料を積み立てていって、満期に契約時に定めた満期保険金を受け取ることができる保険です。この学資保険の満期時期には大きく分けて子供が18歳になる年のパターンと22歳になる年のパターンとがあります。早生まれの場合などだと実際に18歳、22歳になるまで待っていたら必要な時期に保険金を受け取れないことがあるので、誕生日によって17歳満期や21歳満期を選択できることもありますが、本質的にはそれぞれ18歳満期と22歳満期と同じです。
18歳満期のパターンと22歳満期のパターンのそれぞれの特徴を紹介します。
18歳満期の特徴
18歳満期の学資保険は子供の教育費の中で最もお金がかかるとされる大学入学時の費用を重視したパターンです。大学の受験費用や入学費用、授業料などと1年の間に大きなお金が必要となります。受験方式によっては高校3年の秋には受験費用や入学金が必要となることもあるので誕生日によっては17歳満期を選択できる商品を選ぶとよいでしょう。入学時に使いきらなかったお金はその後の費用として自由に使うことができます。
- 最もお金が必要となる大学入学時にフォーカスしている
- 入学時に使いきらなかったお金は自由に使える
- 大学在学中、毎年かかる授業料や施設利用費などは別途用意する必要がある
22歳満期の特徴
22歳満期の学資保険は授業料など大学在学中の4年間に必要なお金を用意するためのパターンです。18歳から21歳までは毎年祝い金として保険金を受け取れ、22歳に満期保険金を受け取ります。例えば、学資保険で総額200万円受け取るとしたら、18歳満期では18歳時点で200万円受け取るのに対して、22歳満期では18歳から5年間40万円ずつ受け取るようなイメージです。保険会社の方で運用する期間が長くなるので返戻率が高くなる傾向にありますが、最も費用がかかる大学入学時は他の手段も併せて工面する必要があります。
- 大学進学後に必要な費用の準備ができる
- 返戻率が高くなる傾向にある
- 大学入学時に必要な費用には足らないことが多く、別途用意が必要
受取時の税金に注意
実は、18歳満期か22歳満期かで税金のかかり方が変わることがあります。契約者と保険金受取人が同一の場合、受け取った保険金による利益(受け取った保険金-支払った保険料)は所得税の対象となりますが、18歳のときに一度に受け取る場合は一時所得となり、22歳満期で18歳から22歳まで毎年年金形式で受け取る場合は雑所得となるのです。一時所得となるか雑所得となるかで課税対象となる金額の計算方法に違いが出ます。
一時所得の場合
一時所得の場合、特別控除が50万円あるので、その年の一時所得が学資保険だけであれば、「保険金-保険料」の額が50万円以内であれば課税対象とはなりません。50万円を超えた場合は超えた金額について1/2にして、他の所得と合算して所得税が計算されます。
<ケース1:保険料総額:285万円、保険金:300万円>
300万円-285万円-50万円<0
より、所得税はかからない。
<ケース2:保険料総額:540万円、保険金:600万円>
600万円-540万円-50万円=10万円
10万円×1/2=5万円を他の所得と合算して所得税額を計算します。
雑所得の場合
雑所得の場合、一時所得のような特別控除はないので利益となった額がすべて課税対象となります。ただし、年末調整により所得が確定したサラリーマンなどの給与所得者であれば、雑所得が20万円以下の場合は所得税について確定申告は不要です。
<ケース3:保険料総額:285万円、保険金総額:300万円、この年の保険金受取額:60万円>
必要経費:60万円×285万円÷300万円=57万円
課税対象:60万円-57万円=3万円
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返戻率だけで選んではいけない
学資保険を検討する際、「返戻率がどれくらいなのか」ということは気にする部分だと思います。もちろん返戻率は非常に重要なのですが、返戻率だけで選ばないようには注意が必要です。
同じ保険会社の学資保険で18歳満期と22歳満期とを比べると、22歳満期の方が返戻率が高い傾向にあります。保険会社が資金を運用する期間を長くできるからです。そのため、返戻率だけに着目して他の条件を無視すると22歳満期の商品を選んでしまいがちになります。
しかし、22歳満期の商品は大学入学時にかかる大きなお金を学資保険で対応しようと思っている人には向きません。足りない分は何らかのほかの手段で用意しなければならなくなります。返戻率だけで選ぶのではなく、自分が学資保険に加入する目的に沿っているのかということが大切です。
まとめ
学資保険の満期は大きく分けて子供が18歳になる年と22歳になる年の2パターンがあります。18歳満期の学資保険は大学入学時に必要な大きな費用を賄うのに向いていて、22歳満期の学資保険は大学在学中4年間に必要な教育費を賄うのに向いています。自分が学資保険に加入する目的に合わせて選ぶようにしましょう。
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著者情報
堀田 健太
東京大学経済学部金融学科を卒業後、2015年にSBIホールディングス株式会社に入社、インズウェブ事業部に配属。以後、一貫して保険に関する業務にかかわる。年間で100本近くの保険に関するコンテンツを制作中。