学資保険のコラム

学資保険も生命保険料控除を受けられる?

投稿日:2019年6月12日 更新日:

生命保険は支払った年間の保険料の額に応じて所得から控除を受けられます。学資保険は子供の教育資金を貯めるための貯蓄方法の一つのような扱いを受けていますが生命保険の一種であり、学資保険も生命保険料控除の対象です。生命保険料控除によってどれくらいお得になるのでしょうか。

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学資保険は生命保険料控除の対象

学資保険は子供の教育資金を貯める手段の一つとして生命保険というイメージはあまりないかもしれませんが、学資保険は生存時には満期保険金が支払われ、契約者の死亡時には保険料が払い込み免除となって満期時に保険金を受け取れるなど生命保険としての性質もきちんと持っています。

生命保険料控除は「一般生命保険料控除」、「介護医療保険料控除」、「個人年金保険料控除」に分かれますが、学資保険はこのうちの一般生命保険料控除に該当します。なお、医療保障特約が付いた学資保険の場合は介護医療保険料控除の対象となる場合もあります。どちらの対象になるかは名称とは関係なく保障内容によります。保険会社から送られてくる「生命保険料控除証明書」に保障内容に応じて保険料が分類して記載されているので、それに合わせて申告するようにしましょう。

生命保険料控除による控除額

生命保険料控除によって所得から以下の表の額が控除されます。

所得税
年間の支払保険料等 控除額
20,000円以下 支払保険料等の全額
20,000円超 
40,000円以下
支払保険料等×1/2+10,000円
40,000円超 
80,000円以下
支払保険料等×1/4+20,000円
80,000円超 一律40,000円
住民税
年間の支払保険料等 控除額
12,000円以下 支払保険料等の全額
12,000円超 
32,000円以下
支払保険料等×1/2+6,000円
32,000円超 
56,000円以下
支払保険料等×1/4+14,000円
56,000円超 一律28,000円

なお、時々勘違いをしている人がいますが、上の控除額がそのまま所得税・住民税の額から引かれるわけではありません。所得税・住民税を計算する所得から控除されるのです。

実際にいくらお得になる?

学資保険による生命保険料控除で実際にいくらの還付が受けられるのでしょうか。なお、他の生命保険で控除の枠を使っていないと想定します。また、年間の保険料を80,000円以上と仮定して、所得税の控除額を40,000円、住民税の控除額を28,000円とします。

このケースでいくらの還付が受けられるかはその人の所得によって変わります。具体的には控除額に税率をかけた額が還付されます。所得税率が10%となる場合は40,000×10%=4,000円、20%となる場合は40,000×20%=8,000円です。また、住民税の税率は10%なので、28,000×10%=2,800円です。

所得税の税率別に還付される金額を計算したのが以下の表です。

課税される所得金額 所得税率 所得税 住民税
195万円以下 5% 2,000円 2,800円
195万円超 
330万円以下
10% 4,000円 2,800円
330万円超 
695万円以下
20% 8,000円 2,800円
695万円超 
900万円以下
23% 9,200円 2,800円
900万円超 
1800万円以下
33% 13,200円 2,800円
1800万円超 
4000万円以下
40% 16,000円 2,800円
4000万円超 45% 18,000円 2,800円

なお、自分の年収をそのまま課税される所得金額に当てはめないように注意してください。基礎控除38万円(2020年から48万円、合計所得2400万円超の場合は減額)や給与所得控除、配偶者控除などを除いた金額が課税される所得金額です。

控除を受けるには?

生命保険料控除を受けるには、保険会社から送られてくる生命保険料控除証明書に沿って年末調整や確定申告で申告する必要があります。生命保険料控除証明書が送られて来たらなくさないように保存しておきましょう。会社員の方で年末調整の時に申請を忘れてしまった場合は確定申告で、確定申告もできなかった場合は還付申告での申告が可能です。

まとめ

学資保険は生命保険料控除の対象です。一般生命保険料控除の枠である場合が多いですが、医療保障の特約が付いている場合は介護医療保険料控除に振り分けられる分がある場合もあります。控除を受けるには年末調整や確定申告をする必要があるので、保険会社から送られてくる生命保険料控除証明書をなくさないように保存し、しっかりと手続きを行うようにしましょう。


堀田健太

著者情報

堀田 健太
東京大学経済学部金融学科を卒業後、2015年にSBIホールディングス株式会社に入社、インズウェブ事業部に配属。以後、一貫して保険に関する業務にかかわる。年間で100本近くの保険に関するコンテンツを制作中。

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「保険(Insurance)」とインターネット「ウェブ(Web)」の融合から、サイト名『インズウェブ(InsWeb)』が誕生しました。自動車保険の見積もりを中心として2000年からサービスを提供しています。現在の運営会社はSBIホールディングス株式会社となり、公正かつ中立的な立場で自動車保険のみならず生命保険に関する様々なお役立ち情報も提供しています。

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