学資保険を検討する際に「返戻率」という言葉をよく目にします。「へんれいりつ」と読みますが、返戻率とは何かご存知でしょうか?また、返戻率は高いほどよいと聞きますが本当でしょうか。学資保険の返戻率とは何か、また、返戻率の考え方について説明します。
目次
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返戻率とは
返戻率とは、支払った保険料に対して受け取ることができる「満期保険金+祝い金」の割合のことです。以下の式で計算されます。
例えば、支払う保険料の総額が100万円で受け取れる満期保険金、祝い金の総額が105万円の場合、返戻率は105%となります。
返戻率が100%を超えていれば、支払う保険料の合計よりも満期保険金や祝い金で戻ってくる金額の方が多く、貯蓄性のある学資保険ということになります。学資保険の中には医療保障などが手厚く、その分の保険料で返戻率が100%を下回るものもあります。この場合、支払った保険料よりも少ない金額しか戻ってきません。
返戻率と預金や投資などの利率との違いに注意
上で説明したとおり、返戻率は支払った保険料に対してどれくらい戻ってくるのかを表したものです。そこに時間は考慮されていません。一方で、預金や投資などの利率は年率で表記されることが一般的です。1年間でどれくらい増えるのかを表したものです。そのため、学資保険の返戻率を預金や投資の利率と比較する場合は返戻率を年率換算するなど、土俵を同じにして比較する必要があります。
学資保険の返戻率を高くするには
学資保険は同じ保険会社の同じ商品でも保険料を支払う期間や保険金を受け取るまでの期間の設定方法によって返戻率が異なります。基本的には、保険会社が運用できる期間(=資金の拘束期間)が長くなるほど返戻率は高くなります。
また、保障内容をできるだけシンプルにすることも返戻率を高くするコツの一つです。
保険料の支払期間が短い方が返戻率は高い
保険料の払込期間が18年のものよりも15年や10年のものの方が返戻率は高くなります。制服等の入学準備、部活や学習塾などに多くの費用がかかる中学・高校を前に保険料の支払いを終えることができるというメリットもあります。
ただし、保険期間を短くすると1回当たりの保険料負担が重くなることには気を付ける必要があります。学資保険は基本的に途中解約すると戻ってくる金額が支払った金額よりも少なくなるので、家計に負担をかけないようにすることが大切です。
保険金の受け取りの時期が遅い方が返戻率は高い
一般に保険金を受け取る時期が遅い方が返戻率は高くなります。入園・入学のタイミングで祝い金をもらえるプランと祝い金がなく満期に一括で保険金が支払われるプランでは、基本的に祝い金がないプランの方が返戻率は高くなります。また、18歳に一括で受け取るのではなく、18歳から22歳にかけて受け取るようなプランの方が返戻率は高くなります。
ただし、入園・入学という多くのお金が必要となるタイミングで必要な資金が足りなくなることがないよう、個別家庭のマネープランに合わせた商品選びが大切です。
不必要な保障を除いた方が返戻率は高い
一般に保障内容が手厚くなるほど保険料は高くなります。これは学資保険においては返戻率の低下を意味します。学資保険は貯蓄機能を重視するという場合はなるべく保障を付けないシンプルな設計の商品を選びましょう。追加の保障を重視するあまり返戻率が100%を割ってしまったら貯蓄という側面が薄れてしまいます。
返戻率は高ければ高い方がよい?
学資保険というと返戻率を重視する選び方をする方が多いと思います。確かに、保障内容や支払期間、受け取れる保険金などが同じであれば返戻率は高い方がよいのですが、それらの条件もなくとにかく返戻率が高い方がよいというのには疑問があります。
学資保険の返戻率を高くするには、保険金を受け取るタイミングを遅くする、1回当たりの保険料負担を重くして保険料払込期間を短くするなどの必要があります。返戻率を重視するあまりに保険金を受け取りたいタイミングで受け取れなかったり、保険料の負担が重くて途中解約してしまったりするのであれば学資保険に加入する意味合いが薄くなってしまいます。初めに返戻率ありきではなく、どのタイミングでいくらの保険金を受け取るのか、いくらの保険料支払いなら無理なく続けることができるのかといったことをあらかじめ決めたうえで、その条件を満たす学資保険の中から選ぶという手順をおすすめします。
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著者情報
堀田 健太
東京大学経済学部金融学科を卒業後、2015年にSBIホールディングス株式会社に入社、インズウェブ事業部に配属。以後、一貫して保険に関する業務にかかわる。年間で100本近くの保険に関するコンテンツを制作中。