収入保障保険のコラム

収入保障保険の年末調整と生命保険料控除

投稿日:2019年7月4日 更新日:

収入保障保険とは、あらかじめ決められた保険期間内に被保険者が死亡したり高度障害になってしまったりした場合に、満期まで死亡保険金を分割(年金形式)で受け取る事ができる保険です。収入保障保険で支払った保険料は、生命保険料控除の中の「一般生命保険料控除」の適用を受けることができます。

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年末調整と生命保険料控除

会社勤めの方は毎年「年末調整」を行っていると思います。会社などからの給与所得者は、会社が給与や賞与から所得税を徴収する源泉徴収を行っていますが、本来徴収すべき所得税の1年間の総額を再計算し、調整することが「年末調整」となります。収入保障保険は、この年末調整で生命保険料控除の対象として申請することで、支払った保険料の一部を所得から差し引き、課税所得を減らすことができます。

一般生命保険料控除の控除額

生命保険料控除は、平成24年1月1日以後に締結した保険契約(新制度)と平成23年12月31日以前に締結した保険契約の保険料(旧制度)では、生命保険料控除の取り扱いが異なります。

新制度の一般生命保険料控除(平成24年1月1日以降)

年間の払込保険料 控除額
所得税 20,000円以下 支払保険料等の全額
20,000円超 ~ 40,000円以下 (払込保険料 × 1/2) + 10,000円
40,000円超 ~ 80,000円以下 (払込保険料 × 1/4) + 20,000円
80,000円超 一律 40,000円
住民税 12,000円以下 払込保険料の全額
12,000円超 ~ 32,000円以下 (払込保険料 × 1/2)+ 6,000円
32,000円超 ~ 56,000円以下 (払込保険料 × 1/4)+ 14,000円
56,000円超 一律 28,000円

旧制度の一般生命保険料控除( 平成23年12月31日以前 )

年間の払込保険料 控除額
所得税 25,000円以下 払込保険料の全額
25,000円超 ~ 50,000円以下 (払込保険料 × 1/2)+ 12,500円
50,000円超 ~ 100,000円以下 (払込保険料 × 1/4)+ 25,000円
100,000円超 一律 50,000円
住民税 15,000円以下 払込保険料の全額
15,000円超 ~ 40,000円以下 (払込保険料 × 1/2)+ 7,500円
40,000円超 ~ 70,000円以下 (払込保険料 × 1/4)+ 17,500円
70,000円超 一律 35,000円

実際の節税額

生命保険料控除による控除額がそのまま節税額になるというわけではありません。あくまでも課税対象となる所得の金額を減らす額です。それでは、実際にどれだけ税金を安くできるかというと、それはその人の所得税率によって変わります。所得税率が10%の場合は控除額の10%、20%の場合は控除額の20%というように、控除額にその人の税率を掛けた額だけ所得税が安くなります。また、住民税についても同様に、控除額に住民税の税率を掛けた額だけ安くなります。住民税は住んでいる場所によって異なりますが、おおむね全国で10%です。

年間保険料が8万円超の場合について、課税所得(給与所得控除や基礎控除、社会保険料控除などを控除した後の所得)ごとに安くなる税金額は以下の通りです。

課税される所得金額 所得税 住民税 合計
195万円以下 2,000円 2,800円 4,800円
195万円超 
330万円以下
4,000円 2,800円 6,800円
330万円超 
695万円以下
8,000円 2,800円 10,800円
695万円超 
900万円以下
9,200円 2,800円 12,000円
900万円超 
1800万円以下
13,200円 2,800円 16,000円
1800万円超 
4000万円以下
16,000円 2,800円 18,800円
4000万円超 18,000円 2,800円 20,800円

※住民税は一律10%として計算

生命保険料控除の対象者

生命保険料控除の対象となるのはその年に条件を満たす生命保険の保険料を支払った人です。条件とは、保険金等の受取人の全てをその保険料の払込みをする者、またはその配偶者その他の親族とする契約のうちで次のものです。

  • 生命保険会社又は外国生命保険会社等と締結した生存又は死亡に基因して一定額の保険金が支払われる保険契約
  • 旧簡易生命保険契約のうち生存又は死亡に基因して一定額の保険金等が支払われる保険契約
  • 農業協同組合と締結した生命共済契約その他これに類する共済に係る契約のうち生存又は死亡に基因して一定額の保険金等が支払われる保険契約
  • 確定給付企業年金に係る規約又は適格退職年金契約

契約者(保険料を支払う人)が誰であるかは要件になっていませんが、保険金の受取人に保険料支払者かその配偶者その他親族以外の人が含まれる場合は生命保険料控除の対象外となります。

生命保険料控除に必要な書類

年末調整の時期が近付くと、保険会社によっては早くて9月頃から年末調整や確定申告に必要な「保険料控除証明書」が登録の住所に届きます。この書類は保険料控除を受けるために提出しなければならない必要な書類なので、大切に保管しておきましょう。万が一、紛失してしまっても保険会社に連絡すれば再発行が可能です。契約している保険会社のコールセンターやインターネットなどから申請する事が可能ですので、提出の時期までに準備しておきましょう。

また、年末調整に間に合わなかった場合でも、5年間は確定申告で還付の申請をすることができます。中途解約を行った場合でも、支払った保険料はその年の生命保険料控除の対象となりますので年間の払込保険料が生命保険料控除の対象となる場合は漏れがないようにしましょう。

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