緩和型医療保険のコラム

脂肪肝でも医療保険に加入できる?

投稿日:2020年12月25日 更新日:

一般に、健康状態に問題がある場合は医療保険に加入しづらくなります。それでは、健康診断で脂肪肝を指摘された、治療しているという場合、医療保険に加入できるのでしょうか。

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程度によるが加入も可能

脂肪肝と診断されたという場合でも医療保険にまったく加入できないというわけではありません。健康診断で指摘された程度で具体的な治療に至っていないという場合などは、肝機能(γ-GTPやAST(GOT)、ALT(GPT))の数値によっては医療保険に加入できる可能性があります。ただし、加入できたとしても部位不担保として数年間は肝臓に関しては保障対象外となったり、保険料が割増になったりすることも考えられます。

脂肪肝により投薬などの治療や入院をしている場合は加入が難しくなる可能性があります。特に、直近で入院をしているという場合はかなり厳しくなるでしょう。また、健康診断で要再検査・要精密検査などの判定を受けたのに、放置して再検査や精密検査を受けていない場合は加入することはできないでしょう。保険会社からするとリスクの判断ができないので契約は引き受けられないということになります。医療保険に加入したいのであればすみやかに検査を受けるようにしましょう。

引受基準緩和型という手も

普通の医療保険に申し込んだけれども加入を断られてしまったという場合でも引受基準緩和型の医療保険であれば加入できる可能性はあります。引受基準緩和型医療保険とは、名前の通り契約を引き受ける基準を緩和している医療保険で、健康状態に関する告知が限定されているので持病があっても入りやすくなっています。

引受基準緩和型の健康状態に関する告知は、3~5項目程度の「はい」か「いいえ」で答えられる質問となっていて、それにすべて「いいえ」と答えることができれば申し込みが可能となっています。告知項目は以下のようなイメージです。

  • 現在入院中ですか?
  • 過去3か月以内に入院や手術、検査をすすめられたことはありますか?
  • 過去2年以内に病気やケガで入院したことや手術をしたことはありますか?
  • 過去5年以内にがん(悪性新生物)で入院または手術をしたことはありますか?

※あくまでもイメージです。告知項目は保険会社によって異なります。

入院や検査をすすめられたからその前に加入しておくということはできませんが、健康状態に不安があっても加入しやすくなっています。また、通常の医療保険にも言えることですが、引受基準は保険会社によって異なります。そのため、同じ人でもA社では加入できず、B社では加入できるということが起こりえます。保障内容を比較する意味でも、複数社の医療保険を検討してみるのがよいでしょう。

引受基準緩和型にデメリットはある?

健康状態に不安がある方でも入りやすい引受基準緩和型医療保険ですが、それゆえ、通常の医療保険と比べるとデメリットといえる部分もあります。どのようなデメリットがあるのか紹介します。

保険料が割高

引受基準緩和型医療保険は通常の医療保険と比べて保険料が高くなっています。持病がある方や健康状態に不安がある方は健康な方と比べて入院や手術をする確率が高いので、保険金を請求する確率も高くなります。多くの保険金が請求されるのに保険料が通常の医療保険と同じでは保険を運営していくことができません。したがって、引受基準緩和型医療保険は通常の医療保険と比べて保険料が高くなっているのです。

一定期間は保障が半分になる商品も多い

加入後1年間など一定期間内は入院給付金や手術給付金などの給付額が50%に削減される商品も多いです。自分が加入時に抱えている健康不安とは関係がない病気・ケガによる入院や手術であっても保障額が減らされてしまいます。契約を引き受ける基準を緩和しているので、保険会社側のリスクを低減させるためにこうした設計となっているのです。しかし最近ではこの保障が削減される期間がない商品も出てきています。

特約のバリエーションが少ないことがある

引受基準緩和型医療保険では選択できる特約の種類が同じ保険会社の通常の医療保険と比べて少なくなっていることがあります。入院や手術以外にも様々なことに備えたいと思っていても該当する特約がなく、保障をあきらめざるを得なかったり別の保険を探さなければいけなかったりすることもあるのです。また、特約が用意されていても通常の医療保険のものよりも保険料が高く設定されていることもあります。

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脂肪肝を放置せずに改善を目指そう

加入できる医療保険が見つかったとしても脂肪肝は放置せずに改善を目指しましょう。初期の脂肪肝であれば特に自覚症状もないのでそのまま放置してしまいがちですが、悪化すると肝炎や肝硬変、肝臓がんへと進行していきます。特に非アルコール性脂肪肝の一部では急速に症状が進行するNASH(非アルコール性脂肪肝炎)となることもあります。また、脂肪肝は狭心症や心筋梗塞などの心疾患の合併率が高いこともわかっています。これ以上健康を損ねたくないのであれば脂肪肝の改善を目指すことが大切です。

脂肪肝の改善には「食べ過ぎない」「適度な運動」「減量」が基本となります。アルコールが原因の脂肪肝の場合には「禁酒」も重要です。生活習慣が原因の脂肪肝は生活習慣が改善されれば治っていくので、肝硬変や肝臓がんなどへと進行する前に生活習慣を見直すようにしましょう。

まとめ

脂肪肝と診断されても即座に医療保険に入れなくなるわけではありません。程度にもよりますが通常の医療保険にも加入できる可能性があります。ただし、部位不担保や保険料割増などの条件が付くことも考えられます。また、通常の医療保険に加入できなくても引受基準緩和型であれば加入できる可能性があります。引受基準は保険会社によって異なるので、複数の保険会社の医療保険を比較検討してみるのがよいでしょう。


堀田健太

著者情報

堀田 健太
東京大学経済学部金融学科を卒業後、2015年にSBIホールディングス株式会社に入社、インズウェブ事業部に配属。以後、一貫して保険に関する業務にかかわる。年間で100本近くの保険に関するコンテンツを制作中。

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