かわいい孫のためにも学資保険に入ってあげたいと考える方もいらっしゃるのではないでしょうか。学資保険は親が子供のために加入するのが一般的ですが、祖父母が孫のために加入することも可能です。しかし、いくつかの注意点もあるので確認してみましょう。
目次
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祖父母が契約者になることは可能
学資保険は親が契約者となることが一般的ですが、親ではなく祖父母が契約者となることも可能です。学資保険の契約者になれる人の範囲は決まっていて、赤の他人が契約者になることはできませんが、多くの場合は祖父母も契約者になることは可能です。ただし、年齢制限や被保険者(子供)と同居している、扶養しているというような条件が必要な場合もあります。
祖父母が契約者になる場合の注意点
祖父母が学資保険の契約者になる場合の注意点について紹介します。どのようなことに注意が必要なのでしょうか。
年齢や健康状態により加入できない場合も
学資保険は子供の年齢の上限がよく気にされますが、契約者についても加入可能な年齢に上限が設けられています。学資保険には基本的に保険料払込免除特約がついていて、契約者に万が一のことがあった場合には保険料の支払いが免除されるのですが、契約者が高齢の場合は死亡リスクも高くなるので年齢上限が設けられているのです。加入可能な年齢の上限は保険会社や子供の年齢、性別、保険料払込期間などによっても変わりますが、特に男性の場合は50代になると年齢制限にかかることが多くなるので注意が必要です。
また、学資保険は加入時に健康状態の告知が必要です。高齢になると健康状態に問題があるケースも増えてきますが、そうした場合も学資保険に加入できない可能性があります。
保険料が高くなる
学資保険は一般的に契約者の年齢が高くなるほど保険料が高くなってしまいます。また、契約時の年齢や選ぶ商品にもよりますが、保険料払込期間が短いものしか選べないこともあります。保険料払込期間が短いと短い期間で保険料全体を支払う必要があるので、月々あるいは年間の保険料が高くなってしまいます。
親権者の同意が必要
祖父母が契約者となる場合、親権者である親の同意が必要となります。学資保険は契約者死亡時のことが注目されますが、被保険者である孫に万が一のことがあったときには死亡給付金が支払われます。そのため、被保険者の生命に危険を及ぼすようなモラルリスクを防止すべく被保険者の同意が必要となるのですが、被保険者は小さい子供であるために同意を得るのは困難です。そのために親権者の同意が必要となってきます。
学資保険契約の際に申込書の親権者同意欄に自署してもらうという形が多いですが、「内緒で学資保険に加入して驚かせよう」ということはできないので注意してください。
満期金に贈与税がかかることも
契約者が祖父母で保険金の受取人が孫や孫の親というように、保険料を支払う人と保険金の受取人が異なる場合は贈与税の課税対象となります。1年間に110万円以上受け取らなければ贈与税はかかりませんが、17歳や18歳の大学入学に合わせて満期保険金を一括で受け取る場合は110万円を超えてしまうことが多いでしょう。大学入学から4年間に分けて受け取る形式にするなど、税金がかからないように工夫する必要があります。
200万円を受け取る場合の受取例
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孫の学資保険は一括払いできる?
孫が少しでも多く満期金を受け取れるように、返戻率を高くする方法として保険料を一括払いにすることが挙げられます。贈与税がかかるのは孫が満期金を受け取る時ですので、保険料を一括で支払う分には税金はかかりません。月払いや年払いに比べて一括払いの方が保険料の総額は安くなるためお得に見えますが、注意点もありますので確認しておきましょう。
一括払いの方法に注意
保険料を一括で支払うという場合、「全期前納払」と「一時払」の2つの方法があります。どちらも保険料を一括で支払うということは変わりませんが、考え方やその後の扱いは大きく異なります。保険会社によっては一括払いの方法を選べないこともあります。
全期前納払
全期前納払は契約者が一括で支払った保険料を保険会社が預かり、そこから順次保険料の支払いに充当していく方法です。保険料は保険会社が預かっているという状態なので、契約者である祖父母に万が一のことがあって払込免除特約が適用される場合、まだ支払いに充てられていない保険料は戻ってきます。また、毎年保険料を支払っている形になるので、生命保険料控除も毎年受けることができます。
一時払
一時払は全保険期間分の保険料を1回で支払ってしまう方法です。こちらは保険会社に預けるのではなく、すべての金額がそのまま保険料の支払いに充てられます。すべての保険料が支払い済みとなるので、契約者である祖父母に万が一のことがあっても保険料は戻ってきません。また、生命保険料控除も契約した年のみしか受けることができません。ただし、全期前納よりも保険料の割引率は高くなります。
学資保険で孫の教育費を準備しよう
教育費の贈与方法は?
孫のために教育費を贈与する方法は祖父母が学資保険を契約することだけではありません。他にも、保険料の分を子(孫の親)に贈与するという方法や教育資金一括贈与の非課税制度を利用するという方法、教育費や生活費を必要な時に必要な分だけ贈与するという方法もあります。それぞれどのような方法か紹介します。
孫の親に保険料を贈与する
祖父母から孫の親に年間110万円以下の金額を贈与して、そのお金で契約者と受取人を孫の親、被保険者を孫とする学資保険に契約する方法です。すべての保険料を一括で支払わなければ、年間の保険料が110万円を超えるような金額で学資保険を契約することはまずないので、贈与税のかからない範囲で実質的に学資保険をプレゼントすることができます。
孫の親が保険料を払って満期保険金を受け取るというように、保険料を支払う人と保険金の受取人が同じ場合は学資保険で支払った保険料よりも増えた分は一時所得となります。特別控除額50万円があるため、学資保険によって増えた金額が50万円以下であれば所得税は課税されません。高額な保険料を設定しなければ所得税がかかるケースは少ないでしょう。
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定期贈与とみなされないように注意
「10年間にわたって毎年100万円ずつ贈与する」など、一定期間に一定の給付を目的に贈与をおこなうと定期贈与とみなされ贈与税がかかってしまうので注意が必要です。この場合、1年間の贈与額が110万円以下でも10年分の贈与額1000万円に対して贈与税がかかることになります。
心配な場合は税理士等に相談の上、○年間××円を贈与するという形ではなく、□円贈与するという取り決めを毎年毎年行うなどの工夫を行うとよいでしょう。
相続税の対象になる可能性もある
また、不吉な話ですが、祖父母が途中で死亡してしまった場合、死亡の日から3年前の間に行った贈与は相続財産に加算されることになります。なお、税制改正により対象期間が延長され、2024年以降に贈与する場合は死亡日から7年前まで段階的に遡って相続財産となってしまいます。ほかの相続財産にもよりますが、贈与税が課税されないように贈与していても相続税の対象となってしまう可能性もあるということは覚えておきましょう。
教育資金一括贈与の非課税制度
2026年3月31日までの時限制度ですが、教育資金の贈与が非課税になる制度もあります。これは、30歳未満の子どもや孫などの直系卑属に教育資金を目的として一括で贈与しても、子供や孫1人あたり1500万円までは贈与税がかからないというものです。なお、教育資金目的以外に使った場合や使い切れずに余った場合には贈与税の課税対象となります。教育資金口座の開設や教育資金目的に使ったことの証明として領収書等の提出が必要など手間がかかる面はありますが、金融資産を豊富に持っている場合や重い病気で暦年贈与では贈与しきれない場合などでは検討してみるのもよいでしょう。
都度贈与
孫の教育費や生活費が必要となる都度、必要な金額のみ贈与する場合は贈与税がかかりません。例えば、孫の入学金や授業料が必要になった時に祖父母が孫の学校に直接支払うケースは都度贈与となります。孫の親の口座に振り込む場合でも、領収書を保管し必要な教育費分だと証明できるようにしておきましょう。なお、事前にまとまったお金を渡しておいたり他のものに使ったりした場合は贈与税の課税対象となるので注意しましょう。
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まとめ
「かわいい孫のためにも学資保険をプレゼントしてあげたい」という場合、祖父母が契約者として学資保険に加入することもできますが、本文で紹介した通りいくつかの注意事項もあります。それを踏まえたうえで加入を検討するか、保険料の分の贈与をするなど別の方法を検討するようにしましょう。
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著者情報
堀田 健太
東京大学経済学部金融学科を卒業後、2015年にSBIホールディングス株式会社に入社、インズウェブ事業部に配属。以後、一貫して保険に関する業務にかかわる。年間で100本近くの保険に関するコンテンツを制作中。