ソルベンシー・マージン比率は予測を超えるリスクに対する各社の支払い能力を示すもので、保険会社を数字で比較する際、もっとも広く使われている指標の一つです。 一般的に200%を超えていれば十分な支払い余力を持っていると考えられています。各保険会社のソルベンシー・マージン比率を比較します。
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各保険会社のソルベンシー・マージン比率
保険会社 | ソルベンシー・マージン比率(2023年3月末) |
---|---|
ネオファースト生命 | 4,003.5% |
はなさく生命 | 3,645.4% |
ライフネット生命 | 3,158.0% |
アクサダイレクト | 2,770.4% |
メディケア生命 | 2,078.2% |
ソニー生命 | 2,046.1% |
楽天生命 | 1,461.9% |
富国生命 | 1,159.1% |
チューリッヒ生命 | 1,089.2% |
SOMPOひまわり生命 | 1,053.2% |
東京海上日動あんしん生命 | 1,047.4% |
FWD富士生命 | 1,041.5% |
日本生命 | 1,019.9% |
明治安田生命 | 1,010.7% |
オリックス生命 | 1,004.9% |
三井住友海上あいおい生命 | 975.5% |
朝日生命 | 933.0% |
SBI生命 | 915.7% |
アフラック | 889.1% |
第一生命 | 879.1% |
ジブラルタ生命 | 864.6% |
住友生命 | 812.8% |
プルデンシャル生命 | 771.2% |
マニュライフ生命 | 739.7% |
メットライフ生命 | 692.6% |
アクサ生命 | 655.1% |
出典:各保険会社の公式サイト、決算資料、ディスクロージャー誌
ソルベンシー・マージン比率とは?
ソルベンシー・マージン(solvency margin)とは、「支払余力」を意味します。生命保険会社は、将来の保険金などの支払いに備えて責任準備金を積み立てているので、通常予想できる範囲のリスクについては十分対応できます。しかし、環境の変化などによって予想もしない出来事が起こる場合があります。例えば、大災害や株の大暴落など、通常の予測を超えて発生するリスクに対応できる「支払余力」を有しているかどうかを判断するための行政監督上の指標の一つがソルベンシー・マージン比率です。
この比率は経営の健全性を示す一つの指標ではありますが、この比率だけをとらえて経営の健全性の全てを判断することは適当ではありません。
なお、生命保険会社のソルベンシー・マージン比率が200%を下回った場合には、監督当局によって早期に経営の健全性の回復を図るための措置がとられます。 逆に言えば、200%以上であれば、健全性についての一つの基準を満たしていることを示しています。
ソルベンシー・マージン比率の計算式
ソルベンシー・マージン比率は以下の式で計算されます。
ソルベンシー・マージン比率(%)=(ソルベンシー・マージン総額)÷(通常の予測を超える危険に対応する額×0.5)×100
ソルベンシー・マージン総額
ソルベンシー・マージン総額には以下のものを含みます。
- 基金(資本金)
- 価格変動準備金
- 危険準備金
- 一般貸倒引当金
- 有価証券の評価差額×90%(含み損の場合は100%)
- 土地の含み損益×85%(含み損の場合は100%)
- 解約返戻金相当額超過部分
- 負債性資本調達手段等
など。
通常の予測を超える危険に対応する額
保険リスク、予定利率リスク、資産運用リスク、最低保証リスク、経営管理リスクなど通常予想できる範囲を超える諸リスクを数値化して算出します。
- 保険リスク
- 実際の保険事故の発生率が通常の予測を超えることにより発生しうるリスクです。死亡保険の場合の予測よりも死亡率が高かった場合のリスク、個人年金保険などで通常の予測よりも契約者が長生きした場合のリスクなどが該当します。
- 予定利率リスク
- 責任準備金の算出の基礎となる予定利率を確保できなくなるリスクです。保険会社の一般的な資産ポートフォリオによる収益率が予定利率を下回り、逆ザヤとなる金額の期待値を予定利率リスク相当額として計測します。
- 資産運用リスク
- 保有する有価証券その他資産の通常の予測を超える価格変動により発生しうるリスク、取引の相手方の債務不履行その他の理由により発生しうるリスク、子会社等への投資その他の理由により発生しうるリスク、先物取引・オプション取引等により発生するリスクなどが該当します。
- 最低保証リスク
- 特別勘定を設けた保険契約であって、変額年金保険等の保険金等の額を最低保証するものについて、支払時に特別勘定資産の額が保険金等の額を下回るリスクで、特別勘定資産の通常の予測を超える価額の変動等により発生し得るリスク
- 経営管理リスク
- 経営政策・経営判断の誤り等に起因するリスクや事務面・電算システムにおける事故に係るリスクなどの事業経営上のリスク
金融庁による規制
ソルベンシー・マージン比率が200%を下回った場合、比率に応じて金融庁が保険会社に対して以下の是正措置を行います。
ソルベンシー・マージン比率 | 措置の内容 |
---|---|
100%以上200%未満 | 経営の健全性を確保するための合理的と認められる改善計画の提出の求め及びその実行の命令 |
0%以上100%未満 | 次の各号に掲げる保険金等の支払能力の充実に資する措置に係る命令
|
0%未満 | 期限を付した業務の全部又は一部の停止の命令 |