緩和型医療保険のコラム

高額療養費制度があるから緩和型医療保険は不要?

投稿日:2019年6月18日 更新日:

日本の公的保険制度には高額療養費制度があり、医療費の自己負担額が高額になった場合でも一定額に負担を抑えられます。この制度を前提として引受基準緩和型に限らず医療保険は不必要であるという言説も存在します。特に、引受基準緩和型医療保険は保険料が高いこともあり、より強く不要論がささやかれます。はたして引受基準緩和型医療保険は必要なのでしょうか。

高額療養費制度とは

そもそも高額療養費制度とはどのような制度なのか説明します。

高額療養費制度とは、同一月(1日から月末まで)にかかった医療費の自己負担額が高額になった場合、一定の自己負担限度額を超えた分について後で払い戻しがされる制度です。事前に医療費が高額になることがわかっている場合は、病院に「限度額適用認定証」を提示することで支払金額を自己負担限度額までに抑えることも可能です。

自己負担限度額

自己負担限度額は年齢や所得区分に応じて以下の表のように設定されています。

70歳未満の自己負担限度額

所得区分自己負担限度額多数回該当の場合
年収約1160万円以上の所得者
健保:標準報酬月額83万円以上
国保:年間所得901万円超
252,600円+(医療費-842,000円)×1%140,100円
年収約770万円~約1160万円の所得者
健保:標準報酬月額53万~79万円
国保:年間所得600万~901万円
167,400円+(医療費-558,000円)×1%93,000円
年収約370万円~約770万円の所得者
健保:標準報酬月額28万~50万円
国保:年間所得210万~600万円
80,100円+(医療費-267,000円)×1%44,400円
年収約370万円以下の所得者
健保:標準報酬月額26万円以下
国保:年間所得210万円以下
57,600円44,400円
住民税非課税者35,400円24,600円

※年間所得とは、「旧ただし書き所得」のことで、前年の総所得金額と山林所得、株式の配当所得、土地・建物等の譲渡所得金額などの合計から基礎控除(33万円)を除いた額です。 ただし、雑損失の繰越控除額は控除しません。

70歳以上の自己負担限度額(平成30年8月以降)

70歳以上については外来だけの上限額も設けられています。

所得区分自己負担限度額多数回該当の場合
外来(個人ごと)入院および外来(世帯ごと)
年収約1160万円以上の所得者
健保:標準報酬月額83万円以上
国保:課税所得690万円以上
252,600円+(医療費-842,000円)×1%140,100円
年収約770万円~約1160万円の所得者
健保:標準報酬月額53万~79万円
国保:課税所得380万円以上
167,400円+(医療費-558,000円)×1%93,000円
年収約370万円~約770万円の所得者
健保:標準報酬月額28万~50万円
国保:課税所得145万円以上
80,100円+(医療費-267,000円)×1%44,400円
年収156万~約370万円の所得者
健保:標準報酬月額26万円以下
国保:課税所得145万円未満等
18,000円
(年間上限14万4千円)
57,600円44,400円
住民税非課税者8,000円24,600円-
住民税非課税者
(年金収入80万円以下など)
8,000円15,000円-

世帯合算も可能

1人の1回のみの窓口負担では上限額を超えない場合でも、複数の受診や同じ世帯にいる他の方(同じ医療保険に加入している方に限る)の受診について、窓口でそれぞれ支払った自己負担額を1カ月単位で合算することができます。ただし、69歳以下の方の受診については21,000円以上の自己負担のみ合算されます。

多数回該当の場合は上限額が下がる

過去12カ月以内に3回以上、上限額に達した場合は4回目からの自己負担上限額が下がります。上の表の「多数回該当の場合」の列の金額が適用されます。なお、70歳以上の住民税非課税の区分の方については多数回該当の適用はなく、外来(個人ごと)は8,000円、外来+入院(世帯ごと)は24,600円または15,000円の上限のままです。

計算の例

以下の事例について、3割負担での本来の自己負担額、高額療養費制度の自己負担限度額および払い戻される金額、多数回該当となる場合の自己負担限度額および払い戻される金額を計算します。

協会けんぽに加入している年収600万円、40歳のAさんが、がんを患い入院・手術した結果、その月の総医療費が100万円となった。

この場合、医療費の自己負担額は以下の通りとなります。

  • 3割負担の金額:1,000,000円×30%=300,000円
  • 高額療養費制度による自己負担額:80,100円+(1,000,000円-267,000円)×1%=87,430円
    払い戻される金額:300,000円-87,430=212,570円
  • 多数回該当になる場合の自己負担額:44,400円
    払い戻される金額:300,000円-44,400円=255,600円

注意事項

高額療養費制度の対象となるのは保険適用となる診療に対し、患者が支払った自己負担額です。医療にかからない場合でも必要となる食費や居住費、患者の希望によってサービスを受ける差額ベッド代や先進医療費などは高額療養費の支給の対象とはなっていません。

また、高額療養費を申請した場合、支給までに受診した月から少なくとも3カ月程度かかります。医療費の支払いが困難なときは無利息の「高額医療費貸付制度」を利用できる場合があります。この制度の利用可否、貸付金の水準は加入している公的医療保険によって異なりますので、ご加入先の医療保険にお問い合わせください。

高額療養費制度があっても緩和型医療保険を検討すべき場合

日本は公的保険が充実していて、医療費の自己負担額は3割で済み、それでも高額になる場合は高額療養費制度があるので自己負担額を無理のない範囲に抑えることができます。それゆえ、貯蓄が十分にあるのならば引受基準緩和型医療保険に加入する必要はありません。

しかし、公的保険制度を前提としても引受基準緩和型医療保険への加入を検討した方が良い場合もあります。どのような場合か紹介します。なお、一般の医療保険に条件なしで加入できる場合はそちらの方が良いので、一般の医療保険に加入できないか不利な条件を付けないと加入できないという前提です。

貯蓄が少ない場合

貯蓄が少ない場合は引受基準緩和型医療保険への加入を検討した方がよいでしょう。高額療養費制度で月々の自己負担額に上限があるといっても、入院などで得られなかった収入までカバーしてくれるわけではありません。また、病院までの交通費や差額ベッド代、食事代などの高額療養費制度の対象とならない費用負担もあります。これらに耐えられる貯蓄がない場合は、少なくとも十分に貯蓄ができるまでは医療保険への加入を検討したほうがよいでしょう。

先進医療の保障が欲しい場合

公的医療保険の給付対象とはならない先進医療に対する保障が欲しい場合は引受基準緩和型医療保険への加入も検討しましょう。先進医療の技術料は全額自己負担であり、1件当たり数百万円かかる先進医療もあります。また、先進医療を受けられる医療機関は限られているので通院費もかさみます。先進医療を受診する確率は低いですが、必要となった時に医療費が理由で選択肢から外したくないという場合は引受基準緩和型医療保険への加入も検討しましょう。

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