大腸ポリープは自覚症状がないことも多く、健康診断や人間ドッグで急に見つかって驚いたという人も多いのではないでしょうか。大腸ポリープの場合、見つかったら切除するということが多いですが、ポリープを切除した場合、その後医療保険やがん保険に加入することはできるのでしょうか。
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良性ポリープなら加入できる可能性がある
大腸ポリープには腫瘍性ポリープと非腫瘍性ポリープがありますが、良性のものであれば通常の医療保険に加入できる可能性があります。
ただし、術後検査の内容や経過によっては「特定部位不担保」等の条件が付くことがあります。特定部位不担保の条件が付いた場合、保険会社から指定された部位(大腸など)の病気やケガで入院や手術をしても保険金が支払われません。他の部位が原因で手術等をした場合は保険金を受け取れるため、大腸の保障はつかなくてもそれ以外の部位や病気に備えておきたいという方に向いているでしょう。保険会社によっては数年程度の一定期間のみ不担保となり、不担保期間が経過した後は保障されるようになります。
加入の基準は保険会社により異なりますので、切除したポリープの個数や大きさ、残っているポリープの有無、病理組織診断結果等の情報を正しく保険会社へ伝えましょう。
悪性の場合は難しい
ポリープの検査の結果、悪性だった場合はがんとみなされるため、通常の医療保険への加入は非常に厳しくなります。がんになると再発や転移の可能性があるため入院・手術のリスクが高まります。保険会社からすると、支払いリスクが高い患者を健康な人と同じ条件で加入させるのは公平性の面でも企業の利益の面でもできるだけ回避したい考えがあります。そのため加入が難しくなってしまうのです。
がん保険は?
腫瘍性の大腸ポリープが見つかったからといって必ずしもがんになる訳ではありませんが、ポリープが大きくなるにつれがんが発生する可能性が高くなると言われています。そのため、大腸ポリープが見つかった場合は良性でも早めに切除することが大切です。そのうえで、がんに対する備えは必要と考える方もいるかもしれません。
大腸がんになった場合、早期の段階でもあるステージⅠでも切除した後の再発率は5.7%、ステージⅢになると再発率は31.8%と、およそ3割の人が大腸がんを再発するというデータがあります。
ステージ | 再発率 |
---|---|
ステージⅠ | 5.7% |
ステージⅡ | 15.0% |
ステージⅢ | 31.8% |
万が一がんになった時に、がん治療の費用の心配をせずに治療に専念し再発等に備えたい方はがん保険を検討した方がよいでしょう。良性のポリープの場合は、切除してから数年経過していれば加入できる可能性があります。
がんのリスクに備えるならがん保険
しかし、悪性のポリープの場合はがんとみなされるため、がん保険への加入はかなり難しくなります。中にはがんを経験した方向けのがん保険もありますが、選択肢はかなり少ない状況です。
がんの再発や他の病気やケガに備えたいのに加入を断られてしまった…となっても、まだ諦める必要はありません。悪性のポリープの場合でも、最後に治療を受けてから5年経っているのであれば、次に紹介する引受基準緩和型医療保険に加入できる可能性があります。
引受基準緩和型なら加入しやすい
通常の医療保険やがん保険への加入は断られてしまったという場合や、大腸などの病気やがんの保障を受けたいという場合には、「引受基準緩和型医療保険」を検討してみましょう。聞き慣れない言葉かもしれませんが、広告などで「持病があっても入りやすい」などと宣伝している医療保険です。
引受基準緩和型医療保険では健康状態に関する告知が3~5項目程度で、その質問にすべて「いいえ」と答えることができれば申し込みが可能となっています。告知項目は以下のようなイメージです。
- 現在入院中ですか?
- 過去3か月以内に入院や手術、検査をすすめられたことはありますか?
- 過去2年以内に病気やケガで入院したことや手術をしたことはありますか?
- 過去5年以内にがん(悪性新生物)で入院または手術をしたことはありますか?
※あくまでもイメージです。告知項目は保険会社によって異なります。
引受基準が緩くなっているとはいえ、入院や手術をしてすぐには加入できません。しかし、ポリープ切除の手術を受けて数年経過していれば加入できる可能性は十分にあります。保険会社によっても告知項目は異なるため、何社か比較してみることをおすすめします。
ポリープの再発も保障される
大腸ポリープの中でも腫瘍性ポリープは再発しやすいと言われています。切除した後でも定期検査を受ける中で新たなポリープが見つかるケースは少なくありません。引受基準緩和型医療保険では、基本的に持病の悪化や再発も保障されるため、再度ポリープ切除の手術等をおこなった場合は保険金を受け取ることができます。責任開始日前に入院・手術をすすめられていた場合は保障されませんが、通常の医療保険で特定部位不担保の条件が付いてしまったけれども再発や悪化に備えたい方は検討してみるとよいでしょう。
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引受基準緩和型のデメリットは?
引受基準緩和型医療保険は持病があっても入りやすいというメリットがありますが、いくつかのデメリットもあります。どのようなデメリットがあるのか紹介します。
保険料が割高
引受基準緩和型医療保険は通常の医療保険と比べて保険料が高くなっています。持病がある方は健康な方と比べて入院・手術をするリスクが高いため、保険金を請求する確率も高くなります。通常よりも多くの保険金が請求されるのに保険料が同じでは保険を継続して運営していくことができません。そのため、引受基準緩和型医療保険は通常の医療保険と比べて保険料が高くなっているのです。加入の前には無理なく支払いができる保険料か事前に確認しておくことが大切になります。
特約が少ない
特約の種類が通常の医療保険と比べて少なくなっていることがあります。入院や手術以外にも様々なことに備えたいと思っていても該当する特約がなく、保障をあきらめざるを得なかったり別の保険を探さなければいけなかったりするかもしれません。
ただ、先進医療特約は用意されていることが多く、先進医療の対象となる陽子線治療や重粒子線治療はがんの治療にも使われています。先進医療の技術料は全額自己負担となるため、数十万~数百万円と高額になることもあります。がん治療の選択肢を広げたい場合には先進医療特約の付帯を検討してみましょう。
一定期間は保障が半分になる商品もある
加入後1年間など一定期間内は入院給付金や手術給付金などの給付額が50%に削減される商品もあります。大腸ポリープとは関係がない病気・ケガによる入院や手術であっても保障額が減らされてしまうので注意しましょう。しかし最近では保障が削減される期間がない商品も出てきているため、加入直後から満額の保障を受けたい場合には複数の商品を比べてみるのがよいでしょう。
大腸ポリープ切除後でも入れる保険を探してみる
ポリープ切除を告知しないと契約解除や保険金が出ない可能性も
ポリープ切除を告知すると保険に入りづらくなるからといって隠して加入するのは絶対にやめましょう。加入後、入院や手術などをして保険金を請求した際の審査でポリープ切除を告知していなかったことが分かると、告知義務違反として保険金が支払われなかったり契約を解除されたりする可能性があります
医療保険に加入するのは保険会社にお金を払うためではなく、入院や手術をしたときに保険金を受け取って金銭的な負担を軽減するためだと思います。しかし、加入する際に嘘をつくと、肝心な保険金を受け取れないばかりか、契約も解除されて今まで支払ってきた保険料が無駄になってしまう可能性もあります。告知事項については嘘をつかずに正確に告知するようにしましょう。
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まとめ
大腸ポリープを削除した場合でも通常の医療保険に加入できる可能性はあります。部位不担保などの条件が付く場合もありますが、まずは通常の医療保険にトライしてみるのがよいでしょう。通常の医療保険やがん保険への加入を断られた場合は引受基準緩和型医療保険を検討してみましょう。通常の医療保険よりも保険料が高いなどのデメリットはありますが、持病や健康状態に不安がある方でも加入しやすくなっています。保険会社によって引受基準は異なるので、A社で断られてもB社では加入できるということもあり得ます。複数の保険会社の商品を比較してみるのがよいでしょう。
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著者情報
堀田 健太
東京大学経済学部金融学科を卒業後、2015年にSBIホールディングス株式会社に入社、インズウェブ事業部に配属。以後、一貫して保険に関する業務にかかわる。年間で100本近くの保険に関するコンテンツを制作中。